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心不全啓発キャンペーン サポート企業インタビュー1

2018.03.23
心不全の啓発により、
治療やデバイスをさらに高みへ 第3回

テルモ 心臓血管カンパニープレジデント 鮫島光 氏
取材:21世紀医療フォーラム事務局長 阪田英也 構成:同取材班 但本結子

循環器病に対して法整備がなされれば、全国どこでも適切な救急搬送や救急受診によって速やかに医療が開始され、急性期から維持期まで継ぎ目なく医療が継続される。加えて、予防と発症時に適切な市民啓発が可能になる。

連載3回の最後は、法整備によって医療や企業はどう変わるのか、その変化に対して企業は求められることとは何か。さらに心不全啓発キャンペーンへの期待などについて、鮫島氏にお話を伺った。

鮫島 光氏
鮫島 光(さめじま ひかる)氏
1964年生まれ。1988年3月、慶應義塾大学卒業。同年4月、東亜燃料工業(現:JXTGエネルギー)入社。2001年4月、シティバンク エヌ・エイ入行。2002年1月、テルモ入社、 経営企画室。2007年7月、心臓血管グループカテーテルカンパニー(グローバル)プレジデント。2008年4月、国際統轄部 海外企画グループ兼務。2014年4月、執行役員心臓血管カンパニーTIS事業プレジデント(現在)。2016年4月、上席執行役員(現在)。2017年4月、心臓血管カンパニープレジデント(現在)

企業側に求められる
病気のステージに合わせた戦略

がんの治療や研究が進んだのは、がん対策基本法が制定されたことも背景にあったと思われますが、循環器病についてはいかがでしょうか。

鮫島 これまで基本法の整備がビジネスにどのような影響を及ぼすのか、企業としてあまり意識することはありませんでしたが、法整備は新たな治療法や研究が進む1つのきっかけにはなるかもしれません。

では、循環器病対策基本法がつくられた場合、企業側に変化は起こると思いますか。

鮫島 心臓の病気は全て繋がっています。例えば冠動脈虚血でも詰まった冠動脈を開ければ終わりということはなく、服薬や運動をどう組み合わせるかも重要です。恐らくドクターの間でもそうした問題意識を持っていらっしゃるからこそ、ハートチームをつくり患者さんのステージに合わせて、どのようにベストな治療をしていくかを診療科の垣根を越えて議論しようという動きになってきたのだと思います。

法整備がなされることによってシステム化、あるいはスタンダード化が進んでくると、こういった動きが加速するでしょう。そうなれば企業側としても顧客のニーズを掴むことが不可欠で、医療者側が変化しているのに相変わらず「この商品を売ります」「あの商品を売ります」とやっていては、そこにビジネスの未来はないのではないかと感じます。さらに言うと、予防の分野でさえもビジネスチャンスが出てくるかもしれません。

プロダクトベースから
ソリューション的なアプローチへ

予防のお話が出ましたので、第2回で心不全啓発について伺ったことと関連しますが、予防について何かお考えはありますか。

鮫島 高齢になって最終的に心臓の病気になるとすると、やはり糖尿病の予防は重要です。実は弊社も糖尿病領域へのビジネスを手がけているほか、私もつけていますが、万歩計や血圧計といったヘルスケア商品も販売しています。このような商品展開を活かして、もう少しソリューションとして提供できないかを考える必要があると感じています。

ビジネスにおける今後の目標、あるいは戦略について教えてください。

鮫島 このインタビューの冒頭に申し上げたように、私たちは心臓血管カンパニーとして、カテーテル治療や外科手術に対して様々な医療機器を提供しています。

PCIもしくはCABGを受けた後の患者さんのケアについて、私たちが貢献できる領域から考えると、末期に向かっていく手前の段階で医薬品のアプローチがあるなら、医療機器のアプローチもあるかもしれません。

これは前述したように、まだ何も具体化していませんが、メーカーとして「こんなデバイスができました」と提案できるようになれば、それがまた治療が進化する1つの契機になり得ます。弊社は“医療を通じて社会に貢献する”を企業理念に掲げていますが、こうしたことが実現できれば、医療に携わるメーカーとして、先生方や患者さんに対してより貢献できると考えています。