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心不全啓発キャンペーン サポート企業インタビュー3

2018.06.08
意義のあるイノベーションと多様性のあるテクノロジー 第2回

ボストン・サイエンティフィックジャパン株式会社 執行役員
インターベンショナルカーディオロジー事業部長
Structural Heart事業推進部統括 佐々木 力 氏
取材:21世紀医療フォーラム事務局長 阪田英也 構成:同取材班 但本結子

第1回は、ボストン・サイエンティフィック ジャパン株式会社が提供するIVUS(Intravascular Ultrasound:血管内超音波法)、S-ICD(皮下植込み型除細動器)など、日本が世界に先んじてきた分野の製品について、なぜそれをなし得たのか、その理由について伺った。

第2回は、日本のグローバルへの貢献、同社が目指す真のグローバルカンパニーとは何かなどについて、引き続き、佐々木氏にお話を伺った。

飛田 信一氏
佐々木 力(ささき つとむ)氏
ボストン・サイエンティフィックジャパン株式会社 執行役員
インターベンショナルカーディオロジー事業部長
Structural Heart事業推進部統括

日本の医師による開発へのインプット、
アドバイスは具体的で明確

前回伺ったお話から、日本は非常に丁寧な治療を提供しているという印象を受けました。そのような欧米との違いが製品の開発にもたらす影響はありますか。

佐々木 以前、グローバルの開発スタッフから、日本の先生はとにかくフィードバックが具体的で、やりたいことがはっきりしていると聞いたことがあります。欧米を含めて海外の先生にはないフィードバックで、求めているものが具体的かつ的確であり、新製品の開発や改良に対し非常に役立つそうです。

米国の先生の中には、いかに早く手技を終えるかを求める傾向が多く見受けられることがありますが、対して日本の先生方からのインプットは、効率性だけではなく、いかに治療成績を上げ、かつ安全に治療を提供できるかという視点での開発アドバイスをされることが多いようです。

例えば、ICD(植込み型除細動器)については、交換手術が必要なICDが与える患者さんの体への負担を軽減することを目的に、内蔵するバッテリーを小さくするだけでなく、寿命も長くすることに成功しました。これは日本人の体が欧米に比して小さいことから派生したニーズでしたが、日本の先生からの改良への要求と具体的なサイズ、長寿命なデバイスが患者さんにとっては重要な選択基準であるとインプットがあったからこそ、実現できたものでした。

さらに1つ、日本の先生方の特長を表すエピソードがあります。昨年、海外から日本にS-ICD(皮下植込み型除細動器)の技術指導に来ていただきました。その1年後、弊社の米国スタッフが学会における日本人の先生の発表を聞き、今度は逆に米国へ教えに来て欲しいというのです。

つまり指導役が逆転したということですね。

佐々木 はい。日本の先生方は、元々持っている技量と手技に関する経験値が高いだけでなく、新しい技術や治療方法に対する習得が非常に速いことも特長と言えると思います。

また、微細なところにこだわることができる国民性は大変貴重で、誇れる部分です。こうした細やかさゆえに、最新テクノロジーのS-ICDにおいて、手技の標準化を行い、新たに植込みを始められる先生方も、安心して手技を行えるシステムを構築したことが結果的に世界一の市場浸透率になり得たのだと考えています。

新しいデバイスを開発される際に重要なことはどのようなことでしょうか。

佐々木 薬と違ってデバイスは経験が重要になります。先生方にデバイスを見て体験して、手技を体系的に身につけていただきます。やはり体験していただかなければ、新しいテクノロジーは広がりません。その意味でデバイスは極めて特殊で、理論を学ぶ領域と経験で学んでいくところの両方が求められます。