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心不全啓発キャンペーン サポート企業インタビュー4

2018.06.14
高齢者と就労者の支援という2本柱で心不全を啓発
日常の動線の中に心不全を理解する機会を 第4回

日本ベーリンガーインゲルハイム 糖尿病領域マーケティング部 部長 中村太彦 氏
取材:21世紀医療フォーラム事務局長 阪田英也 構成:同取材班 但本結子

連載第3回は、心不全診療ガイドラインが改訂された背景、健康診断や人間ドックにおける心不全の啓発についてお話を伺った。

連載全4回の最後は、必要な情報を手に入れることができない層に対し、どうアプローチしていくのか、心不全啓発の対象は高齢者と働く世代の2本柱であること、さらに心不全啓発キャンペーンへの要望などについて、中村氏にお話を伺った。

飛田 信一氏
中村 太彦(なかむら たかひこ)氏
1970年生まれ。1994年、早稲田大学商学部卒業。同年、日本ベーリンガーインゲルハイム入社。MRとして都内開診市場、大学病院を担当後、2002年よりマーケティング本部。中枢神経領域の製品マーケティング担当などを経て、2010年から糖尿病領域マーケティング部 。2018年2月より糖尿病領域マーケティング部 部長

治療に積極的になれない人たちに
どのようなアプローチをすべきか

第3回の中で、中村さんは組織や学会が連携していくことが啓発の1つの方法として有効なのではないかと言われました。糖尿病の場合、患者や一般向けの啓発活動において組織的に積極的な取り組みが行われていますね。

中村 日本糖尿病協会は、糖尿病学会とも密接に連携されています。患者さん向けの啓発活動に加え、充実した登録医・療養指導医制度も提供され、糖尿病に関する知識の普及、療養指導の強化を図っておられます。

日本糖尿病協会の理事の方々にお話をお伺いする機会があったのですが、今後はあまりテレビや新聞などを観ず、情報を手に入れにくい人たちに対して、どのようにアプローチしていくかが課題だと言われていました。

厚労省の最新の調査によれば、すでに診断された患者さん以外に糖尿病が強く疑われる人は約1000万人と推計されていますが、これを受けて日本糖尿病協会のある先生が強く主張されていたことがあります。この1000万人を3分の1ずつに分けたとき、上位3分の1は病院に行って薬も欠かさず飲み、食事や運動にも気をつけて、啓発セミナーがあれば参加するなど、糖尿病に関する知識を自ら取りに行くことができる人たちです。

次の中間層3分の1は、普段はそれほど意識せず先生から注意を受けると、薬を飲んで食べすぎや脂っこいものもやめ、時々は運動もする、しかしすぐに忘れてしまって、なかなか行動を変えられない人たちです。

残りの3分の1の方々はあまり病院には行かず、たとえ行っても処方された薬は積極的には飲まない。自ら情報を集めることにも積極的ではない。つまり、いくら情報を発信しても、メディアの情報を手に入れにくい人たちです。私たちは、このような方に対して、行動を変えていくことができる活動に取り組んでいきたいと思っています。

それは心不全においても、同様の課題といえそうです。患者あるいは患者予備軍の行動を変えていくことは難しく、できるとすれば糖尿病が強く疑われる約1000万人の中間層、約300万人の意識を高め、それをトレンドにしていくか、その余波で次の300万人の意識を引き上げていくことでしょうか。

中村 発症しているかどうかが自分ではわからないという意味では、むしろ心不全の方がより難しい課題かもしれません。糖尿病や高血圧は自覚症状は少ないものの、血糖値が高い、血圧の値が高いといったことで数値的に本人が自覚できます。

一方、心不全は息切れがする、疲れやすいなど、糖尿病より自覚症状はあります。ただし、息切れが心不全かもしれないとは気づかず、「年のせいだ」「煙草を吸っているからだ」と思ってしまうことが心不全の難しさであり、一般の方が心不全と聞いてもイメージしにくいところではないでしょうか。