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心不全の進展ステージ

4. 心不全にはステージがある4

特別な対応が必要になるステージD

 ステージDは難治性心不全、末期心不全とも呼ばれます。この段階に至るまでには急性心不全を何度か起こして入退院を繰り返し、そのたびに段々と症状が悪化してきたはずです。

 問題は、瀕死の急性心不全で入院しても、退院時には症状が治まっているケースがほとんどであること。だから、つい油断して薬を飲み忘れたり、日常生活で無理をしたりしてストレスをためてしまう。これを繰り返すことによりステージCからステージDに行き着いてしまうのです。

 心不全になると、時間の経過と共に右肩下がりで状態が悪くなり、ついに薬による治療では改善が認められなくなります。この最終段階がステージDです。ステージDでは、安静にしていても息苦しさなどの症状に悩まされ、少し体を動かすだけで症状が悪化します。

 ステージDでの対応は、年齢によって選択肢が限られてきます。65歳未満の場合は心臓移植の適応となるので、専門医の診断を受けた上で日本臓器移植ネットワークに移植希望者として登録します。ただし、日本では今のところ心臓移植のドナーが極めて限られているために、多くの患者が人工心臓を装着してドナーを待つことになります。最近の人工心臓は性能が良くなり、長期間使えるるようになってきているとはいえ、やはり機械なので永久に動作が保障されるわけではありません。

 2016年からは、虚血性心疾患による重症心不全の治療には、筋芽細胞シートを公的医療保険で使えるようになりました。iPS細胞心筋細胞シートと呼ばれる、iPS細胞を使った心不全治療の研究も進められています。

 このように医学の進歩により、重症の心不全も治療方法の範囲は少しずつ広まってきています。しかしながら、今すぐ誰にでも適用できるわけではありません。まずは可能な限りステージCで踏みとどまれるように努めてください。

 一方、年齢が心臓移植の適応外となる65歳以上で、すでに重症化が進んでいる場合には、急変時の対応確認などが必要です。重症心不全患者のための緩和ケアが2018年4月から公的医療保険の対象となり、これを手がける医療機関も増えてきているので、早めに相談してみてください。

(監修:広島大学大学院 薬保健学研究科 循環器内科学 教授 木原康樹先生)