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心不全は予防できる!

1. 生活習慣をいかに改善するかが課題

 この基礎知識の中でも繰り返し述べているように、心不全は一度発症すると完治することはなく徐々に進行し、やがて死に至ります。一方、同じ重大疾患であるがんと比べた場合、予防できることが最大の違いといえます。食事や運動などの生活習慣の改善に加え、心不全の危険因子に対する早期の治療により、発症や進行、再発を予防することができます。

 ステージA、Bでは、心不全の発症予防に重点が置かれ、ステージC、Dでは心不全の症状の改 善に加えて、進行、再発予防、予後の改善を図ることに重点が置かれるため、心不全の予防と治療は一つの流れで繋がっています。

 では、心不全の発症リスクを高める要因や疾患についてみてみましょう。

1. 高血圧
高血圧とは、血圧が140/90mmHg以上である状態を指します。年齢や病気により目標の数値は異なりますが、年齢が高いほど高血圧である人の割合は高く、超高齢社会の到来により、高血圧の患者数は増加し、全国で4300万人ともいわれています。血圧が高くなる原因は複合的で、塩分の過剰摂取や肥満、喫煙、運動不足、ストレスなどの生活習慣、加齢、遺伝的な要因などが関係しているとされています。

2. 冠動脈疾患
心臓は主に筋肉(心筋)で構成され、この心筋は常に活動を行うために酸素の豊富な血液を必要としていています。心筋に血液を運ぶため、心臓から大動脈へ出た直後に枝分かれしている血管が冠動脈です。冠動脈疾患とは、冠動脈の動脈硬化の結果、心筋への血液の供給が部分的、あるいは完全に遮断される状態です。冠動脈疾患は血流を遮断し、狭心症(胸痛)や心臓発作に繋がる可能性があります。40〜50歳代では男性の方が多く、女性では閉経後に発症が増加する傾向にあります。

3. 肥満・糖尿病
糖尿病には1型と2型があり、糖尿病全体の90%以上を占めるのが2型糖尿病で、従来は中高年の発症がほとんどでしたが、最近では若い人の増加が問題となっています。糖尿病とは、血液中の糖分が慢性的に多い状態となったことに対して、血糖値を下げる唯一のホルモン、インスリンの慢性的な過剰分泌や相対的な不足によって起こります。糖尿病の発症には遺伝的な要素だけでなく、偏った食事や肥満、運動不足、喫煙、ストレスなどの生活習慣に起因します。

 進行した糖尿病では尿の量が多くなる、喉が渇いて水分を多く摂る、体重が減る、疲れやすいなどの症状が現れます。ただし、軽症の糖尿病の場合、自覚症状がみられないことも多く、発見が遅れます。糖尿病を放置すると、糖尿病網膜症、糖尿病腎症、糖尿病神経障害などの微小血管を巻き込んだ合併症を引き起こす可能性もあります。

 高血圧や糖尿病、肥満は日々の生活習慣を改善することで、心不全の発症を防ぐことができます。血圧や血糖のコントロールに努め、バランスの取れた食事や日々の運動も心がけてください。

(監修:広島大学大学院 薬保健学研究科 循環器内科学 教授 木原康樹先生)