Digital Transformation あたらしい変革のチカラ

顧客から選ばれる企業になるためのカスタマー・サービスの変革

クロスチャネルとワークスタイルの変革が戦略の両輪

 セルフサービスでカバーできない範囲は、従来からのサービス担当者による対応が必要になるが、こちらはよりリアルタイムなコミュニケーションが求められる。具体的には、チャットなどのWebRTC(リアルタイム・コミュニケーション)を含めた新しいチャネルを拡張したい。

 たとえば自社のWebサイトを訪れ、いくつかの製品ページを行来している人がいたとする。そんなときに「何かお困りですか?」とポップアップでコンタクトしてみるのだ。その後のチャットを重ねるうちに、最初は顔の見えなかった顧客の興味や知りたい情報が徐々に分かってくる。ようするにリアル店舗と同じ“接客”をWebでも行うのである。

Oracle Service Cloudを利用したチャットによるコンタクトの画面例

 実際に、プロのスタイリストがコーディネートの相談に乗ってくれるといったネット上の接客が好評を博しているサイトもある。富裕層を相手にした銀行やクレジットカード会社のコンシェルジュサービス、百貨店の外商などでは実際にお互いの顔が見えるビデオチャトのようなチャネルも大きな効果を発揮するだろう。

 ただし、こうした新しいチャネルや高度なレベルの接客はトレーニングにも時間がかかる。短期間の派遣やアウトソーシングで委託したオペレーターに要求しても無理があるが、長期にわたりスキルの高い人材を確保するのが難しいのも現状だ。サービス拡張には人材確保の新しい方法も必要なのである。クラウドシステムでデジタルチャネルのサービスを提供する環境があれば、“時間”や“場所”に制約されないテレワークの環境を与えられ、トレーニングやモニタリング、ナレッジ共有までもクラウド環境で提供されれば遠隔地や在宅からでも空いた時間にネットワークに接続して活躍してもらえる。

 つまり“時間”や“場所”に制約されないため、スキルをすでに持っているのに育児期間中であったり要介護者がいるのでこれまでの就労形態では就業できなかった人も活用できる。また、すでにそういった人材が就労していても「時短勤務」であったのが、通勤時間を介護や送迎等に利用できるため、フルに活用できるのだ。これは労働側にも雇用側にも双方にメリットがある。さらに、仕事に対する価値観が多様化している昨今では、「田舎暮らしがしたい」などといったニーズを持つ人々にも魅力的な職場としてアピールでき、より優秀な人材が確保しやすくなるというメリットも付加価値として得られるだろう。

 一見すると直接的な関係はないと思われがちなサービスチャネルの拡張とワークスタイル変革だが、この二つの戦略を両輪として実践していくことで、「選ばれる企業」になるためのカスタマー・サービスを実現できる。

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