Digital Transformation あたらしい変革のチカラ

人口8900人の町を変えるクラウドの力

徳島県那賀町の挑戦

動画コンテスト開催のために誰でも簡単に使えるクラウドサービスを採用

 那賀町で全国の自治体で動画コンテストを開催している例を調べたところ、応募方法はYouTubeに専門チャンネルを設けて投稿したり、DVDに焼き付けて郵送したりするのが多かった。那賀町に観光で来るのは、小さい頃過ごした田舎の風景が残っていることに魅力を感じて来る年輩の人が多い。そういう人たちに応募してもらうには、ハードルを下げてITの知識がない人でも手軽に応募できるようにする必要がある。「私は、携帯電話はガラケーを使っていますし、ITに関する知識がないので、YouTubeにアップして応募することなどとても不可能です。同じレベルの人ができるやり方がないかと探していたのです」(藤長氏)。その時にちょうど、隣の部署のまち・ひと・しごと戦略課を訪ねてきていた日本オラクルの社員を紹介されたという。

 那賀町の要望を聞いた日本オラクルは、応募者が簡単にしかもセキュリティに厳しい自治体の基準にも合致して安全に動画を投稿・保管できるファイル共有/保管クラウド「Oracle Documents Cloud」、動画を投稿してくれそうな人や影響力がある人を効率的に調べられるソーシャル分析クラウド「Oracle Social Cloud」、そして、職員でも簡単にホームページを作成・更新し公開できるWebサイト構築クラウド「Oracle Sites Cloud」の3つを提案した。

 「以前ゆず料理コンテストをやった時に、苦労したのがコンテストを知らせるための宣伝方法でした」と藤長氏は語る。ビラ配りは大変な上、実際に何人来てくれるかまったくつかめない。そこでゆず料理コンテストのときはブログが普及し始めた頃だったので、検索で料理ブログを見つけて、メールで400通ほど案内を出した。その結果、100件以上の応募があったという。「人の力だけでやるのは限りがあります。今回はSNSも普及していますし、もう少し効果的に拡散できる方法がないかと考えていました。Oracle Social Cloudは、まさにベストなものでした」(藤長氏)。

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那賀町はオラクルの3つのクラウドサービスを効果的に活用している

観光客の声をソーシャル分析して対象者へ確実に情報を届ける

 日本オラクルでは、毎年8月に徳島県那賀町で開催され今年27回目を迎えた野外フェス「エキサイティング・サマー・イン・ワジキ」のソーシャル分析を行い、イベント来場者の感想や反応をサンプル抽出した。それを見て那賀町では、ソーシャル分析が動画コンテストの募集だけにとどまらず、那賀町の観光全体に対する効果も大きいと評価した。「いろいろなイベントでパンフレットを作ったり、メディアに広告に載せたりしますが、どれだけの人が参加してくれるか、費用対効果が見えにくいのが実情です。その点、対象者をしっかり見極めることが出来るソーシャル分析は大きな意味があると感じました」(川人氏)。

 動画コンテストは、2016年10月15日から11月23日まで開催される紅葉イベント「第6回ナカまつり」に合わせて、10月15日から「イイ!naka動画コンテスト」として開始、2017年1月12日まで行われる。そこでは、自然や観光スポット、温泉、料理名など那賀町の魅力を撮影した動画を募り、受賞作品は動画共有サイト内に専門チャンネルを設け、那賀町の魅力を広く発信すると共に、町の広報用動画としても活用する。

 また、徳島大と徳島文理大の留学生にiPadを持って町内を回って動画を撮影してもらい、外国人が見た田舎の魅力をという視点でコンテストに参加してもらったり、動画撮影の入門バツアーを企画したり、「イイ!naka動画コンテスト」を盛り上げる企画をいろいろ予定している。そうした取り組みと併せて、那賀町を訪れた人をOracle Social Cloudで分析し、「動画を撮ってみませんか」などと直接メールで呼びかける予定だ。さらに、Oracle Sites Cloudでは、コンテストに応募した人のコミュニティの場となるようなサイトを作成し、全国・全世界からいつでも気軽にアクセスできる場づくりを進める予定だという。

 このようにして、那賀町では、クラウドサービスを積極的に活用し、町の観光振興の足がかりにしていく考えだ。小さな町の挑戦は、クラウドという大きな武器を手にして今始まったばかりである。

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