ITpro Special
週間WEEKLY ITpro Special ITpro

Cloud Days 札幌、名古屋、福岡

日本IBM

デジタル化した顧客とのつながりを
強化するIBMのクラウド・プラットフォーム

昨今のビジネス環境では、「デジタル化した顧客」とのつながりを強化することが重要だ。モバイルやクラウドは、そのための武器となる。企業の競争優位を得るためのデータ活用を基盤に、迅速な経営、新規事業の開拓、市場拡大の原動力となるIBMの考えるクラウドの進化を具現化したのが、同社のクラウド・プラットフォーム「IBM Bluemix」だ。

企業の競争力を支える
モバイルとクラウド

日本アイ・ビー・エム株式会社
執行役員
クラウド事業統括担当
小池 裕幸 氏

 デジタル化した顧客とどのくらいつながっているか──消費者がモバイル端末からもアクセスしてくるシステムでは、モバイル端末のトランザクションは年率35%増えている。レスポンスタイムはかつて3秒程度だったのが、1秒以内に応答しなければ逃げられてしまうという。そのためアプリケーションは高速処理が求められ、可用性には24時間365日の稼働が求められる。

 ここで意外な事実がある。顧客と接するアプリの90%は、メインフレームとアクセスしているという現状だ。基幹システムとの連携が不可欠なのだ。最近ではビッグデータを使った分析システムのニーズが高まっており、2017年までにデータ量が8倍に増加するといわれている。

 「デジタル化した顧客とどのくらいつながるか」という問いかけは「いかに消費者を長期的に取り込むか」というエンゲージメントの問題(SoE:Systems of Engagement)に行きつく。

 「こうしたビジネスニーズの変化に応えるには、これまでのやり方を再構築しなければ実現できません」と、日本IBMでクラウド事業を統括する小池裕幸氏は語る。ビジネスの最前線で意思決定を行えるアプリ、ビッグデータなどの分析結果からくる深い洞察、それらを実現するエコシステムとしてのデジタルの力―小池氏は、再構築のためのポイントを挙げる。「今日の企業の挑戦は、勝利の方程式の入れ替えをスピード感とともに実行すること。これを支えるITがモバイルとクラウドです」と小池氏は語る。

[画像のクリックで拡大表示]

海外での革新の事例
銀行はアプリで差異化を図る

 小池氏は、2015年2月に米国ラスベガスで開催された同社のイベント「IBM InterConnect 2015」で発表された海外の事例を3件紹介した。

 航空機メーカーのエアバスは、航空機を売るだけでなく、そのメンテナンス業務が大きな比重を持っている。同社は米国だけで10万回以上のフライトがあり、1機当たり36万パーツのメンテナンスをしている。飛行機が飛び立つために30分以内にメンテナンスが終わればいいが、通常は45分以上かかっている。1時間の遅れが1万ドルの損失になり、米国だけで年間1兆円もの損失につながっているという。

 同社はメンテナンスの技術者にモバイル端末を渡して現場で情報を収集し、その判断を配信するようにした。分厚いマニュアルを見るような手間を省くだけでなく、例えば、飛行機の乗客は、メンテナンスの進ちょく状況をリアルタイムに把握して出発の遅れに伴うイライラが減り、別の航空チケットを取り直すのをなくすことにつながる。

 多国籍に展開するスーパーマーケットのデルハイズ・グループ。同社は在庫管理システムに気象データを組み合わせることで、生鮮食料品の売れ具合を予測し、仕入れや出荷を調節して在庫管理を最適化した。

 小池氏はさらに米国の銀行シティの事例を紹介した。

 「ある人が友人とラーメン屋に行ったとしましょう。食べ終わったあと、スマートフォンでそのラーメン屋を検索します。そして検索した画面上からそのラーメン屋への支払いをオンラインバンクで済ませ、なおかつ割り勘なので友人の銀行からも引き落としてもらう。そしてポイントも貯まる。このような複雑なことを瞬時にできる決済機能が、シティの銀行の顧客だけが受けられる特別なサービスになっています」(小池氏)。決済機能だけでなく他にも様々なサービスが用意されている。今後銀行は、このようにスマートフォンを使ったアプリで他社と差を付ける時代になってきたと小池氏は見る。日本国内では現行法によりすぐには実現できないこともあるが、このようなサービスを見越して法改正も予定されているという。

 「技術的な核心は、WebのURLのリンクではなく、アプリとサービスがつながることなのです。だから、アイデアをアプリの形で実現するために、APIエコノミーをフル活用できるアプリ開発環境を利用することが重要なのです」(小池氏)。

IBMのクラウドは
オープンなデザイン

 これらの最新技術を実現しているのは、同社のクラウド・プラットフォーム「IBM Bluemix」である。Bluemixは下層にIaaSとして「SoftLayer」があり、その上にオープンソースのPaaSソフト「Cloud Foundry」がある。さらにOpenStackによって、全体として開発や運用が設定される。これらは、DevOpsの開発・運用を実現し、オープン技術のDockerなども利用して、オンプレミスとも連携していく。このようにIBMのクラウドはIaaS以外はオープンソースをベースとしているので、相互接続やベンダーロックインなどの点で信頼してシステムを構築できる。「IBMはお客様のビジネスとIT環境に応じて、オンプレミス/オフプレミスのプライオリティの高い部分に合わせた全方位のご提案が可能です」と小池氏は説明する。

[画像のクリックで拡大表示]

 小池氏は国内の事例も紹介した。流体力学のシミュレーション会社IDAJは、CAEの受託解析業務にIBMのSoftLayerを使って、自社の環境では足りないリソースをクラウドで補い高度な数値解析を行っている。仮想環境では決して実現しないスピードと処理能力を得られるという。他にもアパレル企業のグレースで、SAP Business Oneをクラウドで短期間で構築した事例も紹介された。

 オープンなクラウド環境での新しいビジネス開発を促進するため、同社はハッカソンを開催したり、ユーザー会による技術交流など、人材や資金でも支援している。

SoftLayer Bluemix Summit 2015

日本SoftLayerユーザー会と日本Bluemixユーザー会が、合同で技術カンファレンスを開催

■開催日:2015年9月2日 ■場 所:ベルサール渋谷ファースト

詳細はこちら

お問い合わせ