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「ほけんの窓口」担当者インタビュー

 全国500カ所余りで保険ショップを展開する、ほけんの窓口は、「お客さまにとって『最優の会社』」を経営理念に掲げ、その実現のために社員全員が情報共有基盤を活用している。全国各地に店舗が点在する同社では、グループウエアにサイボウズ「Garoon(ガルーン)」を導入。社員の間に、Garoonは“空気”や“水”のように浸透しているという。“最優の会社”づくりのため、仕事のやり方やワークスタイルの変革を進めるほけんの窓口の取り組みを紹介する。

顧客と生涯にわたって付き合う

ほけんの窓口の経営理念や姿勢をお聞かせください。

ほけんの窓口グループ株式会社 経営支援本部 システム部 部長 牧野内 俊治氏
ほけんの窓口グループ株式会社
経営支援本部 システム部 部長
牧野内 俊治氏

牧野内 私たちは「お客さまにとって『最優の会社』」を経営理念として掲げ、そのための3本柱として、「お客さまと向き合う7カ条」「完璧な募集態勢の構築」「お客さまの声が経営の原点」を打ち出しています。毎月、「最優の会社づくり会議」を開いて、お客さまの声を取り上げ、仕事のやり方や社員の働き方を見直しています。

 ほけんの窓口は複数の保険会社の商品を扱う「乗り合い代理店」という業態で、時流に乗って大きな成長を遂げてきました。しかし、2年ほど前に単なる拡大路線から転換し、「すべてはお客さまのために」ということを、業務としても会社としても確立しようと様々な取り組みを行ってきました。

店舗での営業が中心と聞いていますが、何が変わったのでしょうか。

牧野内 現在当社ではお客さまの生涯にわたってお手伝いをすることを大きな柱に据えています。お客さまには人生のライフイベントのたびに、ほけんの窓口に来店していただき、長いお付き合いの中で、納得して契約してもらおうという方針です。

五十嵐 店舗は現在全国500店以上展開しています。各店に平均5、6人の社員がシフト勤務で働いています。取り扱い保険会社は約35社になり、保険商品は全部で数百点に上りますので、社員は約款を読むだけでも大変です。加えて守らなければいけない法律もあります。全国に点在する店舗の社員に対する情報の提供が大変重要になりますが、提供する情報は保険会社のものから自社の事務伝達など、非常に多岐にわたります。それをすべての社員に理解してもらえないと、業務の平準化ができません。

本社からの情報提供のやり方を変える

情報を伝達したり、共有したりする基盤の役割が重要になりますね。

牧野内 その通りです。最近では、ほけんの窓口は「情報産業」だと考えるようになっています。お客さまと契約するわけですから、その情報は大切に扱わなければいけませんし、お客さまに伝える情報も正確でなければなりません。情報が私たちのコアコンピタンスなのです。そこで情報を共有するために中心的な役割を果たすのがグループウエアです。

サイボウズ「Garoon(ガルーン)」を使っているそうですね。Garoonをどのような形で活用しているのでしょうか。

牧野内 全社員が必ずGaroonを使うようにしています。本社からの情報は必ずGaroonで提供されていて、社員はGaroonを見れば必要なことがすべて分かるようになっています。情報共有のほかに、Eラーニングやテレビ会議などにも活用しています。2014年からは営業管理システムとGaroonを連動させていて、お客さまがWebで予約するとその情報がメッセージとして上がり、Garoonのスケジュールに入るようになりました。基幹系と一体になって、コミュニケーションを支えるツールになってきています。

社員からの評価はいかがですか。

牧野内 実は、年間100店以上の出店で急拡大していた2012年、オンプレミスで使っていたGaroonのパフォーマンスが急速に悪化したのです。その頃は「遅い!」とずいぶん社員から声も上がりました。そこで、クラウド版に切り替えました。クラウド版になってからは、非常に安定していて、パフォーマンスが落ちることもなく、社員は“空気”や“水”のように自然にGaroonを使っています。

五十嵐 「お客さまにとって『最優の会社』」という経営理念の下で、本社の情報提供のやり方も変わってきました。本社からみると、店舗の社員も“お客さま”といえます。それで“お客さま”が大量の情報をどう受け取っているのか、本当に理解してもらっているのかを考え始めました。その結果、従来は各部門がそれぞれ店舗に発信していた情報を、同じようなものであれば、同じスレッドに書き込むことにしました。それによって、情報が社員一人ひとりに確実に届くようになりました。相手が理解できないのでは、いくら情報を出しても意味がないという当たり前の話を実行しているだけなのですが、かつてはできていませんでした。

育休復帰94%、引き継ぎにも在宅勤務にも役立つ

ワークススタイルの変革という観点から見た時にはどうでしょうか。

ほけんの窓口グループ株式会社 経営支援本部 人事部 部長 五十嵐 秀夫氏
ほけんの窓口グループ株式会社
経営支援本部 人事部 部長
五十嵐 秀夫氏

五十嵐 今、グループ全体(本社、店舗、パートナー店舗、訪問型営業の子会社含む)で、約3650人の社員がいます。働き方として一番大きいのは、2011年の東日本大震災をきっかけに、残業を制限したことです。本社では6時になれば原則退社しますし、店舗でもシフトでの勤務時間以外に残業するということは基本的にはありません。お客さまと話をする仕事なので、視野を広げるためにも残業はやめて、その時間を他のことに使おうという狙いです。これは、会社の文化としてすっかり定着してきています。

 そのためには、仕事を効率的にやらなければなりませんが、社員は皆、Garoonを上手に使っています。例えば、店舗では早番・遅番があるので、社員同士がなかなか会えないということがよくあります。そこで引き継ぎに支障が出ないようにスレッドを作って、お互いに情報を共有しています。当社では育休からの復職率が94%なのですが、Garoonで1年前のスレッドまで確認できるので、仕事に復帰しやすい効果もあります。

 また、スケジュール管理もスキルの向上に役立っています。他の社員とスケジュール共有ができるので、スキルの高い社員がお客さまとの相談会を行う場合には、スケジュールを見て他の社員もその店舗に出向くなどして、自主的に接客のやり方を勉強しています。

在宅勤務などには取り組んでいるのでしょうか。

牧野内 システム部の開発チームのリーダーが女性で、産休に入る前の体調不良もあり、在宅勤務にしようということになりました。それまで前例がありませんでしたが、Garoonも活用して、何の問題もなく在宅で仕事ができました。開発チームは人数が少ないので、本当に助かりました。もし在宅勤務ができなかったとしたら、開発業務に大変な支障が出ていたと思います。

五十嵐 在宅勤務実施の決断は勇気がいりましたが、経営陣も背中を押してくれたので、やろうということになりました。PCのログが取れますし、Garoonも使うことができるので、今後も機会があれば積極的に実施していきたいと考えています。

今後の展開をお聞かせください。

牧野内 「お客さまにとって『最優の会社』」をモットーに、保険代理店のリーディングカンパニーを目指して、来年度はさらなる店舗数の拡大を計画しています。その情報共有基盤として、Garoonと自社開発の営業管理システムや店頭のシミュレーションシステムなどを結び付けて一つの仕組みの中に組み込み、社員がさらに効率よく、自然に仕事ができるようにしていく考えです。

本社では男女比が約4:6と、女性の多い職場。左から牧野内氏、情報セキュリティ統括部 菊地智子氏、同部 茂木希望氏、人事部 星野香織氏、同部 林希栄氏、五十嵐氏
会社概要
ほけんの窓口

ほけんの窓口グループ株式会社
・本社:東京都渋谷区渋谷2-21-1 渋谷ヒカリエ18F
・設立:1995年
・資本金:10億2450万円
・グループ人員数:3647人(2015年5月末現在)
・事業内容:生命保険募集に関する業務、損害保険代理店業務、保険に関する総合的なコンサルティング、付随サービス
・URL:http://www.hokennomadoguchi.com/

提供:サイボウズ株式会社