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グループ間の“壁”を取り払う情報基盤

 国内外の連結子会社22社で物流事業を展開するSBSグループは、ガバナンス強化と情報共有を実現するために、これまで各社別々だったグループウエアを統一することにした。同社は共通グループウエアに「サイボウズ ガルーン 4(以下、ガルーン)」を選定し、システム基盤に「アマゾン・ウェブ・サービス(以下、AWS)」を採用した。「SIPS(シップス:SBS Group Information Portal Site)」と名付けられた情報ポータルサイトは、SBSグループ約350拠点の事務系社員2500人ほどが利用しており、必要な情報を社員に速く確実に届けられるようになった。約7年前から検討していたという、グループ共通情報ポータルの構築は、グループ企業間そしてグループ社員間のワークスタイルにはどのような変化をもたらしたのだろうか。

DNAが違うグループ間のコミュニケーションに課題

SBSグループの概要と情報共有の方法を教えてください。

森井 達哉 氏
SBSホールディングス株式会社
総務部 統括課長
森井 達哉 氏

森井 私たちはM&Aを成長ドライバーの一つとして、現在国内外22社でグループを形成し、物流事業を展開しています。グループ経営では「情報」がカギを握ります。情報を速く、正確に集め、伝えることがとても重要です。しかし、グループ会社が増える中で、各社の情報共有のやり方が違い、コミュニケーションがうまくいかない問題が発生していました。M&Aにより複数の企業が集まっているなかで「核」となるリーダーシップ企業がいないことでグループの一体感を作り出すことに苦労していました。

渋田 廣一 氏
SBSホールディングス株式会社
情報システム部
システム統括一課長
渋田 廣一 氏

渋田 グループウエアについても、事業会社はそれぞれ別々にシステムを持っており、グループウエアを使っていない会社もありましたし、導入している場合でも製品が異なっていました。そのため、他の会社の社員のスケジュールを確認することができず、会議の日程調整などに手間がかかっていました。

 また、グループ共通の規程などを掲載するポータルサイトが複数あり、社員は複数のサイトをチェックしなければならないケースもありました。そのため、情報システム部では7、8年前からグループ全体で共通の情報基盤を構築したいと検討していました。

「ガルーン」の導入はどういう経緯で進んだのでしょうか。

森井 2013年春にユーザー部門である総務部がプロジェクトに入って、導入に向けた動きが本格的に進み始めました。ホールディングスでは、統一グループウエアを使うことでガバナンスの強化と情報共有が実現することに大きなメリットを見いだしており、グループウエア本体と連携システムの費用をホールディングスが負担することにしました。それでグループ各社の納得も得られて、約5500人の正社員のうち、まず本社部門と350弱ある拠点の事務部門を合わせた約2500人から利用を開始することにしました。

人の動きが見えると、グループ間の“壁”が崩れ始めた

統一グループウエアは2015年4月から稼働しているそうですね。導入効果やユーザーの声をお聞かせください。

横田 大典 氏
SBSホールディングス株式会社
情報システム部
システム統括一課 係長
横田 大典 氏

横田 プロジェクトでは共通グループウエアという言葉を使っていますが、これまで社内ではポータルとかグループウエアとかいろいろな呼び名があって、統一されていませんでした。そこで、社員に愛着を持って毎日使ってもらうために、「SIPS(シップス:SBS Group Information Portal Site)」という名前を付けました。

 SIPSの画面にはグループの共通ポータルと、社員が所属する会社のポータルのタブがあります。共通ポータルでは、グループ規程や組織図、人事異動情報、リンク集、グループ報、ニュースリリースなど、グループ全体に知らせる情報を載せています。会社ポータルは、各社に内容、運営を任せています。

棚橋 由幸 氏
SBSホールディングス株式会社
総務部 課長
棚橋 由幸 氏

棚橋 以前は総務部が複数のポータルに情報を載せ、さらにメールで社員に連絡していましたが、全員に情報が行き届かないことがありました。今は情報発信する部門が直接入力してSIPSに掲載していますので、社員全員が情報をタイムリーに見られ、通達漏れもありません。社員は、毎朝SIPSを見るのが習慣になっています。

森井 グループ各社の社員から役員までのスケジュールを見ることができるので、とても便利です。これまでは、在席しているかどうか電話してみないと分かりませんでしたが、今はその必要もありません。グループで会議を招集する時に、わざわざ連絡しなくても、スケジュールを入れるだけでよくなりました。

 人の動きが見えるようになったことで、グループ各社の間にあった“壁”が少しずつ取り払われるようになってきていると感じています。

渋田 共通ポータルでグループ全体に届けるべき情報はきちんと届け、業務効率化につながる情報は開示します。一方、各グループ会社のポータルを用意し、独自の情報共有ができるように配慮しました。領域も共通と会社で完全に分けました。会社ポータルの内容および運用については自主性を尊重、グループ会社に権限を委譲し干渉し過ぎないように配慮しています。

PCを持たない現場ドライバーへの情報共有を進めていく

グループウエアのシステム基盤にAWSを選定された理由は何でしょうか。

渋田 「ガルーン」は、クラウドとオンプレミスの両方の選択肢がありましたが、できるだけ自社でシステムを持たないようにしようと、クラウドにしました。システム基盤は、アマゾンのクラウドサービス「AWS」を採用しました。コストが圧倒的に安いほかに、「ガルーン」をBCP対策に使うことを視野に入れていたこともあって、複数のデータセンターを持っているのと同様のデータ保全性があることからAWSに決めました。

クラウドを選択したことで、活用方法も広がりそうですね。今後の展望をお聞かせください。

森井 今後の目標は、ドライバーまで含めた約5500人の社員全員がPCやスマートフォン、タブレットなどで情報を見られるようにすることです。ただ、セキュリティの問題がありますので、現在、慎重に議論を進めているところです。まずは、各拠点の事務所や休憩室などにPCを置いて、SIPSで情報を見たり、申請できたりするところから手をつけていく予定です。

SBSグループの情報共有基盤となっている「SIPS(シップス:SBS Group Information Portal Site)」のトップ画面
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会社概要

SBSグループ
・持株会社:SBSホールディングス株式会社
・本社所在地:東京都墨田区太平四丁目1番3号 オリナスタワー
・設立:1987年12月
・資本金:39億1800万円(2014年12月末日現在)
・従業員数:5572人(2014年12月末現在 グループ全従業員数)
・事業内容:物流ならびに物流に付帯する事業
・主要グループ会社:SBSロジコム株式会社、SBSフレック株式会社、SBSゼンツウ株式会社、SBS Transpole Logistics Pvt. Ltd.
・URL:http://www.sbs-group.co.jp/

提供:サイボウズ株式会社