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ITpro Expo:アリエル・ネットワーク

コラボレーションツールを活用したワークスタイル変革は、生産性向上とダイバーシティ促進の切り札になるものと期待されている。もしその効果がまだ表れていないとすれば、それは組織やルールに問題があるのではないか。アリエル・ネットワーク提供のセッションで、ゲストスピーカーの夏野剛氏が熱く語った。

慶應義塾大学大学院
政策メディア研究科・特別招聘教授
株式会社ドワンゴ 取締役
夏野 剛

 1994年からの20年間で日本のGDPは累計2%しか増えなかったのに、同期間のアメリカは200%近く(人口増の効果を差し引けば約165%)も増加した。

 一般には、この格差はIT活用度の違いによるものとされている。けれども、日本でもIT革命は進んでおり、コミュニケーションや情報共有は相当に改善されているはずである。それなのに、である。「その理由は、ITによる生産性向上の効果を妨げる仕組みが日本の社会と企業に残っているからです」と慶應義塾大学大学院の夏野剛氏は指摘する。

同時に進行中の三つのIT革命 組織やルールがその効果を帳消しに

 夏野氏によれば、21世紀に入ってからは、ITによって効率や生産性が高まる「効率革命」、個人の情報収集能力が高まる「検索革命」、個人の情報発信能力が高まる「ソーシャル革命」の三つのIT革命が同時に進行しているという。企業でいえば、作業効率が改善され、必要な情報にすぐにアクセスできるようになり、コミュニケーションの質と鮮度が高まっている。

 その一方で、「役職の階層が深い」「社外からイントラネットへの接続は禁止」といった従来の体制のままの企業も少なくない。これでは会議は減らず、承認手続きに時間がかかり、テレワークも進まない。

 「今、日本の社会と企業のシステムは変革に迫られています」と夏野氏は話す。まず、組織体制を変革する必要がある。組織をフラットにし、年功序列型・終身雇用制・新卒一括採用といった制度はやめるべき、というのが夏野氏の提案だ。

 次に、個人の能力を最大化し、組織を多様化(ダイバーシティ)していくことが求められている。「終身雇用制が残ってもいいのですが、そういう人たちだけの会社にしてしまうのがよくないのです」と夏野氏は言う。

 さらに、リーダーに期待される役割も変わった。従来の“調整型”ではなく、ビジネスや組織の在り方についての信念を持ち、それを実現するための手段としてITを使いこなせる“先導型”が望まれる。

 「これから我々が考えなければならないのは、どうやってITでワークスタイルを変革し、その結果として生産性を上げていけるかということです」(夏野氏)。大きなポテンシャルを持つ日本は、個性軽視・議論軽視・予定調和を排除すればまだまだ伸びていけると、会場を埋め尽くした聴衆に夏野氏はエールを送った。

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 アリエル・ネットワークは、大規模組織向けWebコラボレーションウエア「アリエル・エンタープライズ」を提供している。グループウエア・企業情報ポータルと、企業独自のアプリケーション開発が可能なフレームワークで構成。集約された情報は部門や個人に最適化されるため、必要な情報へのアクセスを容易にし、ビジネス活動に結びつけるための行動支援と業務効率の大幅な向上に貢献する。

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