主要7機種 A4ビジネスプリンター複合機 基本性能 徹底テスト 5番勝負!! 3番勝負 使い勝手

間違いだらけのオフィスプリンター選び 迫り来る世代交代の足音「オフィスプリンター=レーザー」の常識はもう古い!

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  • 1番勝負 印字品質
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  • 5番勝負 コスト

続いて,日々の仕事で利用するうえでの使い勝手をチェックした。いくらハードウエアの性能が高くても,イザというときに使えなかったり使いにくかったりしたら意味がない。スペックでは見えづらい部分だが意外に重要だ。

まずチェックしたいのが,消耗品の交換のしやすさだ。日常的に交換する消耗品は「用紙」と「トナー」または「インク」のカートリッジ。用紙は,給紙カセットを引き出して補充するだけで簡単だが,問題はトナーやインクだ。

レーザー複合機の場合,本体カバーを大きく開き,部品が入り組んだ中にある脱着レバーを操作して差し替える必要がある。その際,接続部分からトナーがこぼれやすく,手を汚したり複合機内部に飛び散ったりすることがあって気を遣う。トナー切れの表示が出たらカートリッジを振ってトナーの偏りを均質にする作業が必要など,取り扱いが簡単とはいいがたい。

感光体などを一体化したカートリッジを使う機種はトナーがこぼれにくいが,そのぶんカートリッジが大きく予備品の保管に場所を取る。

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トナー汚れが起きやすいレーザー 取り扱いが容易なインクカートリッジ

一方,インクを使うビジネスインクジェットでは,カバーを開けたら容易に差し替えられる構造の機種がほとんど。作りが粗雑な互換インクなどを使わない限り,インクが漏れて手や周囲を汚すことはまずない。カートリッジが小さい家庭用インクジェット複合機と違って,ビジネスインクジェットは大容量カートリッジ1本で数千枚から1万枚近くまで印刷できるため,インク交換の手間もそれほど発生しない。

ビジネスインクジェットの顔料インクは,印刷後に乾燥すれば水分に触れてもにじまないことを「1番勝負」のページで確認したが,インクが乾燥するまでの時間も短縮されてきている。インクの乾きが遅いと,濡れたインクで用紙や手を汚してしまう恐れが増し,特に両面印刷では大きな問題となる。また,インクの載った印刷用紙が排紙トレイで次々に重なる高速機種では片面印刷でもインクの速乾性が重要になる。このため,インクの特性を最適化する技術開発も進んできている。

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顔料インクは元々,難しい特性が求められている。印刷前のインクカートリッジ内部では,水に溶けない顔料の粒子が局所的に固まらずに均一に拡散している必要がある。これが印刷ヘッドから噴射されて用紙に付着した瞬間に用紙表面で素早く乾燥して,それ以降は水に触れてもにじまず,紫外線や空気中のオゾンなどにさらされても色あせない特性が必要となる。

インク特性が大きく改良された新世代ビジネスインクジェット

インクジェットプリンターで使われるインクの特性では,HP Officejet Pro Xシリーズ(以下,Pro X)が採用している新世代インクが一歩抜きんでている。用紙にインクが盛り上がらずに素早く均一に薄い層を形成して,速やかに乾燥する性質を持たせており,印刷の高速化にも寄与している。このことは,敢えてインクが載りにくい安価なノーブランド用紙を使ってインクの乾き具合を試してみたところ確認できた。

インクジェット方式は,印刷可能な用紙が多彩な点も大きなメリットだ。液体のインクを吹き付ける原理上,和紙やエンボス用紙といった表面が粗い素材にも印刷可能で,定着に熱を使わないため熱に弱いフィルムなどにも印刷できる。

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レーザーでは数少ないWi-Fi対応 オフィスで生きるダイレクト接続

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次に,少し違った角度での使い勝手として,モバイル端末への対応を見てみよう。このところビジネス現場ではスマートフォンやタブレットが急速に普及しているが,複合機がWi-Fi(無線LAN)に対応していないと,これらモバイル機器からの印刷ができない。

この点でも,ビジネスインクジェットの方が進んでいる。レーザー複合機ではWi-Fiに標準対応している機種が数少ないのに対して,ビジネスインクジェットでは多くの機種が対応している。オプションで無線LAN機能を追加できる機種もあるが,1万円以上の追加投資が必要となる場合が多く標準装備の機種に比べて不利だ。

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Wi-Fi機能を一歩進め,Wi-Fiルーター不要で直接にスマホやタブレットと複合機が接続できる機種もある。メーカーにより「ワイヤレスダイレクト」や「Wi-Fiダイレクト」などと呼ばれる機能で,実際のオフィスでは非常に使い勝手の良い利用ができる。なぜなら,セキュリティの問題で会社の有線や無線のネットワークに接続できなくても,直接接続して印刷ができるからだ。接続も簡単。複合機側でダイレクト接続機能をオンにしてSSIDを確認し,スマホやタブレットのWi-Fi接続機能でそのSSIDを選択するだけ。これでiPhone/iPadのAirPrintをはじめとするワイヤレス印刷機能や,スマホアプリを使ったスキャン保存が可能になる。ビジネス活用の幅が広がること間違いない。

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