ビジネスPC選択の新たなトレンド 「サポートの品質」を重視せよ!

ビジネスPC選択の新たなトレンド「サポートの品質」を重視せよ!

ビジネス遂行に欠かせないビジネスPC。その機種選定の基準には、業種・業態や業務内容に応じてさまざまなものがある。だが、ここへきて、その新たな基準のひとつとして「サポートの品質」が改めて急浮上している。なぜこのような動きが起きているのか、ビジネスITに詳しい日経BPイノベーションICT研究所の桔梗原富夫所長に聞いた。
また、その潮流にいち早く対応し、『日本サポート』を始めている日本HPの取り組みと、ユーザー企業事例も合わせて紹介しよう。

サポート品質を重視したビジネスPC選定 そのトレンドの背景にあるもの

日経BPイノベーションICT研究所所長
桔梗原 富夫

ビジネスPCの選定において、「サポート品質」の重要性が再認識されている。この背景について、桔梗原氏は次のように分析する。

「2014年4月にWindows XPのサポートが終了したが、その前に駆け込みも含めて多くの企業が業務用のビジネスPCを大量に入れ替えた。その際に、社内のIT管理者の負荷が極端に大きくなった。専任のIT担当者がおらず、他の業務と兼任している場合は、本来業務に支障が出るほどだったという例も聞いている」(桔梗原氏)

ビジネスPCのサポートが集中的に必要な局面とは、導入から安定稼働に移行するまでのわずかな期間にすぎない。だが、台数が大規模になれば、その負荷はどうしても大きくなるのはうなずける。また、導入台数が増えるほど、初期不良品も多くなり、その対応にも多大な手間がかかる。

そのような時に、メーカー/ベンダーのサポートはIT管理者の大きな助けになるが、肝心なそのサポートの品質が満足できないようなものでは、逆に負荷を増やすことにつながりかねない。

「サポートセンターに問い合わせをしても、問題が解決できるエンジニアに当たるまでたらい回しにされたり、何度もかけ直しをさせられたりすると、手間や時間が無駄にかかるだけでなく、精神的な負担も大きい。そのため、サポートの品質の重要性が改めてクローズアップされるようになったのではないか」(桔梗原氏)

生産・サポート拠点の国内回帰が始まっている

これまで、ビジネスPCのメーカー/ベンダーは、人件費などのコストの観点から、生産拠点やサポート拠点をオフショア展開することが一般的だった。特にここ数年は円高傾向が強かったため、コスト競争力の面からも、海外への拠点設置は戦略的に有効だった。

その潮目が変わってきている。製品の品質を担保するという面から生産拠点の国内回帰が目立つようになってきているのに続いて、サポートの拠点も国内に移管する動きが見られる。その先駆けといえるのが日本HPの取り組みだ。

日本HPといえば『東京生産』にこだわっていることで知られている。1999年に一部のビジネスデスクトップPCから東京・昭島での生産を始めて以来、少しずつその規模を拡大。2011年には、ビジネスノートPCやワークステーションを含め、ほぼすべてのビジネスPC製品の生産を『東京生産』にスイッチしている。これをサポートにも応用するために、2014年10月からサポート拠点を国内に移管し『日本サポート』を開始した。

「『東京生産』はユーザーと生産拠点が近いことが、品質改善のスピードアップなど、さまざまなメリットを生んでいる。サポート面でも品質のさらなる向上が期待できるのではないだろうか」(桔梗原氏)

日本HPが進める『東京生産』と『日本サポート』
『日本サポート』を利用したユーザー企業の例
日本仮設株式会社
藤森 典子 氏
日本仮設株式会社
財務部 総務課係長 情報室長
藤森 典子

Windows XPのサポート終了を機に社内のクライアント環境を整理し、運用管理の手間や負荷を下げようと考えました。この時は基幹システム刷新も同時進行しており、それを前提にしたことでビジネスPCの導入工数も大きく削減できました。事務部門用にモニター一体型の「HP ProOne 600 G1 All-in-One/CT」を、営業部門用には省スペースデスクトップの「HP ProDesk 600 G1 SF/CT」を選び、全員のデスク周りの環境も改善できました。また、『日本サポート』になり日本人のエンジニアの方に対応していただけるので、気軽に連絡できるようになりました。追加導入したノートPCのセットアップに関する相談にも丁寧に対応していただけました。IT担当としては実に頼りになっています。

ビジネスPCの『日本サポート』を開始した日本HPの狙いとは?

では、ここで、日本HPでカスタマーサポートの総責任者を務める茂木一穂氏に、『日本サポート』の狙いについて詳しく聞いてみよう。

茂木 一穂 氏
日本ヒューレット・パッカード株式会社
プリンティング・パーソナルシステムズ事業統括
PPSカスタマーサポート統括本部 統括本部長
茂木 一穂

「日本HPではビジネスPCのサポートに関して、2014年10月から、札幌に新設したカスタマーケアセンターに集約・統合し、サービス提供を開始している。狙いはおもに3つある。

1つは、お客様とのコミュニケーションをこれまで以上に充実させること。今後のビジネスにおいて、お客様によりご満足いただけるサービスを提供するためには、これまで以上にお客様の声をしっかり聞くことが不可欠と判断した。2つめは日本のお客様に向けたサービスメニュー拡充を図る際に、日本国内に拠点がある方が有利と考えたことだ。そして3つめは、カスタマーケアセンターそのものの品質改善を、もっとスピード感を持って進めるためである。これらを実現するためには国内拠点への集約・統合がもっとも合理的な選択だった」(茂木氏)

では実際にビジネスPCサポートの提供拠点が国内に集約・統合されたことで、何が変わったのだろうか。茂木氏は次のように話す。

「日本人のエンジニアがお客様からのコールに対応するようになり、コミュニケーションの質が高まったというご評価を実際にいただいている。1つめの狙いについては着実に手応えが得られている」(茂木氏)

茂木氏によれば、『日本サポート』開始後、1件あたりの通話時間は以前よりも長くなっている傾向が見られるそうだが、これについて桔梗原氏は次のように述べる。

「経営者がサポートセンターをコストセンターだとみなすと、効率や生産性の面から、ユーザーとの応対時間は短いほうがよいと考えるかもしれない。しかし、エンジニアが丁寧に親身になってユーザーの声に耳を傾けようとすれば、通話時間は長くなるが、結果としてユーザー満足度向上につながり、ユーザーの要望を吸い上げることもできる。サポートセンターは戦略的な部門といえる」(桔梗原氏)

『日本サポート』を利用したユーザー企業の例
山藤三陽印刷株式会社
東 光彦 氏
山藤三陽印刷株式会社
総務部 総務課 課長
東 光彦

弊社はデジタルに強い人材育成の一環として、社内のIT担当に新人を配置していますが、『日本サポート』のおかげで、これまでよりスムーズに社内サポート業務を進められているようです。特にトラブルの発生原因が、使い方にあるのか、設定によるものなのか、あるいはハードウェアにあるのかの切り分けから、万一の引き取り修理依頼まで、ひとりのエンジニアの方がワンストップで対応してくれることが、経験の浅い担当者には安心材料になっているようです。

サポートサービスメニュー フルカスタマイズへの布石

2つめに挙げたサービスメニュー拡充については、どのようなビジョンを描いているのだろうか。

「お客様がビジネスPCを購入される理由は、お客様によって異なる。ということは、それぞれのお客様が求めるサポートやサービスも当然異なる。将来的にはサポート・サービスについてもフルカスタマイズしたものを提供していきたいと考えている」(茂木氏)

そのためにはお客様との距離は物理的に近いほうが有利というのは、『東京生産』で身をもって経験したことだと茂木氏は話す。

『日本サポート』と『東京生産』の連携でビジネスPCのさらなる品質向上を目指す

スタートしてまだ約5ヵ月の『日本サポート』。これと『東京生産』の両輪で、さらなるビジネスPCの品質向上につなげていくと茂木氏は語る。

「日本のお客様の品質に対するこだわりは、グローバルの水準のはるかに上をいく。これにきちんと対応するために、大変な手間と時間をかけて米国本社を説得し、『東京生産』を実現させた経緯がある。実際に、お客様からのさまざまなご意見を生産の現場にダイレクトに伝えることで、『東京生産』では大幅な製品品質の向上や初期不良率低減を実現できた。これに加え、今後は『日本サポート』の声も反映させていく」(茂木氏)

『日本サポート』を利用したユーザー企業の例
一般財団法人 沖縄美ら島財団
一般財団法人 沖縄美ら島財団
経営企画課 広報IT係
山入端 孝臣

当財団では事務職、研究職を合わせ、約200台のHPビジネスパソコンHP ProOne 600 G1 All-in-One/CT」を導入しています。モニター一体型で運用管理が容易な点、さらに「日本サポート」のかゆいところに手が届くサポートにも期待しました。対応も非常にスピーディなので、職員や研究者の評価も高く、非常に満足しています。

単なる拠点移管にはとどまらなかった『日本サポート』のスタート

茂木氏が3つめの狙いとして挙げた『カスタマーケアセンター自体の品質改善の取り組み』。これについては、センター開設実務を主導し、現在も最前線で総指揮を執る佐藤正樹氏に聞いてみよう。

日本HPカスタマーケアセンター・札幌
ゼネラル・マネージャー
佐藤 正樹

佐藤氏が最初に強調したのは、『日本サポート』とは単なるサポート拠点移管ではなく、新たなカスタマーケアセンター立ち上げでもあったということだ。

「ただ拠点を右から左に移したのではなく、新しいセンターを立ち上げたということ。新しいセンターは、『日本サポート』でお客様とのコミュニケーションをこれまで以上に充実させ、センターに寄せられるお客様の声をサポートに反映させる重要な役割を担う。その実現のため、エンジニアや管理者のアサインに始まり、教育・研修の実施、労務環境の整備など、限られた時間の中でやるべきことは膨大だった。開設から約5ヵ月が経過し、ようやく立ち上げのフェーズを終え、安定稼働に向けての改善サイクルに入ったといえる」(佐藤氏)

改善活動とは、具体的にエンジニアの応対品質向上に尽きると佐藤氏。そのために、応答件数や通話時間など、エンジニア一人ひとりの数値データをベースに、いかに改善していくのかを管理者と話し合い、そこで得られた課題をPDCAサイクルで回し、解決していくことを続けていくという。

「地道な作業だが、これを繰り返していく以外にエンジニアの応対品質の向上は望めない。このほかに、技術的なスキルアップはもちろん、HPのポリシーである『カスタマーファースト』の姿勢を堅固にしていくための研修も随時実施し、エンジニアのマインドセットの形成に取り組んでいく」(佐藤氏)

また、センター内の風通しを良くするために、コミュニケーション機会の創出をはじめ、おもにソフト面の環境整備に注力していくという。

「サポートがお客様と対話する業務である以上、エンジニアの心身の状態を良好に保つことは非常に重要。そのために、たとえばエンジニアから職場環境改善提案などを募り、我々もできるだけ応えていくなどの取り組みを続けている」(佐藤氏)

これは「願い事の樹」という手作りのツールで実施されている。付箋に書かれたエンジニアからの改善提案を樹に貼り付け、解決したものにはやはり手描きの実を貼っていく。

改善提案と解決策を見える化し、現場のエンジニアと管理層で共有することで、意識の統一と信頼関係の醸成を図るものだ。

このような真摯な取り組みの積み重ねにより、『日本サポート』は成立している。そして、サポート品質も日に日に向上しているのだ。

『日本サポート』を利用したユーザー企業の例
谷川温泉 やど莞山
大将
木村 大輔

接客を充実させつつ、外国からのお客様をもっと積極的に受け入れるために、HPのビジネスタブレットPC「HP ElitePad 1000 G2」を導入しました。山間の小さな宿で、専任のIT担当を置くほどでもなく、私自身も決してITに詳しいわけではありませんが、『日本サポート』のおかげでスムーズに導入できました。使っていてわからないことも気軽に問い合わせできるので、安心感が違います。

サポート体制を重視したビジネスPC選択ならいざという時にも安心できる

ビジネスPCに万一のトラブルが発生した時、最初に頼りになるメーカー/ベンダーのサポート。それがどのような体制で提供されるのかによって、その内容や品質は左右され、それはトラブル解決やPC復旧のリードタイムに直結する。

その点、日本HPの『日本サポート』は、日本人エンジニアによる親身で丁寧なサポートが、タイムリーに提供される。これは緊急時であればあるほど、ユーザー、IT担当者にとっては大きな恩恵となるだろう。

「日本HPは今後、製品によっては問い合わせ内容に応じて分かれていた窓口の一本化を進め、一人のエンジニアがワンストップで対応できる領域を拡大していく予定である。サポートが充実し、使いやすくなっていけば、ビジネスPCのダウンタイムの削減につながり、ビジネスの機会損失を少なくできる。なにより安心感が違ってくるのではないか。ビジネスPCの選定にサポート体制を重視することの意味は、より大きくなっていくはずだ」(桔梗原氏)

提供:株式会社 日本HP