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第一生命保険、IBMの新技術導入で大効果

国内だけでなく、海外での競争もシビアになりつつある生保業界。その中で、2010年4月の株式会社化を「新創業」と位置づけ、以来、着実に成長への軌道を築いてきた第一生命保険株式会社。本格的な「成長加速ステージ」と位置づける2015-17年度においては、2015-17年度中期経営計画「D-Ambitious」のもと、3つの成長エンジン(国内生命保険、海外生命保険、資産運用)によるグループ成長を目指している。
同社が最重要視しているのは、ビジネスのスピード感だ。それを実現するために同社では、経営を支えるITとコスト削減を目指した基幹システムのITインフラの再構築にあたって、オール・フラッシュ・ストレージとストレージ仮想化を採用。これにより、ビジネスの大幅なスピードアップと将来に向けた拡張性も確保することができた。しかも、6つあったリプレース案の中では最も安価だったという。同社のITビジネスプロセス企画部 部長の太田俊規氏は「安価なディスクであってもパフォーマンス要件を満たすための機能を追求すると結果的に高価になってしまいます。IBM FlashSystemは、まさにハードウェアの進歩によるブレークスルー、時代が変わった瞬間を実感しました」と語る。ストレージの最前線で何が起きているのだろうか。

業務のデジタル化を支えるITインフラの変革

 同社のスピーディーな事業活動を支えてきたのが、2002年から進められてきたWISE計画。全国1,700の拠点にサーバーを置いていたクライアント・サーバー・システムを、一極集中型のシステムに構造転換し、Web化による業務の効率化を図ってきた。

 たとえば、同社の生涯設計デザイナーはタブレットを手にお客様宅を訪問。外出先から基幹システムにアクセスしてお客様の契約状況に応じた最適な保険を提案していく。このスタイルは顧客満足度の向上にも結びつき、同社の業績向上に貢献してきた。また、従来はスキャナーセンターで契約書類の読み込みを行っていたところを、タブレットによる署名でペーパーレスも推進した。

第一生命保険株式会社
ITビジネスプロセス企画部 部長
太田俊規

 しかし、ITインフラという点では懸念事項もあった。こうしたモバイルの活用をはじめとした業務のデジタル化が進むことで業務要件が変化し、データベース・サーバーへのI/O量が右肩上がりで増えていった。数年前までは、必要とされるディスクの処理能力は5,000から6,000 IOPS(ディスクが1秒当たりに処理できるI/Oアクセスの数)。これが近い将来、何万、何十万という数値になることは明らかだ。しかも、データベースの設計には高い専門知識と経験が必要とされ、チューニングなどにも時間がかかる。容量不足や処理能力の増強のためにディスクを追加するとなると、I/Oが集中しないようにベンダーのストレージ・エキスパートと一緒にバランスを考えたディスク設計が必要となる。費用もかかるが、およそ1カ月もの時間が必要となる。こうした技術支援をベンダーに依存しないといけない状況についても、スキルをつけて自社に「運用」を取り戻す必要性も感じていた。

 「近い将来、ストレージが業務変革の足かせになりかねない、と危惧していました」と太田氏。同社では、ビジネスのスピードアップに貢献できるITインフラが求められていたのである。