ITpro Special
週間WEEKLY ITpro Special ITpro

NECレノボ、未来に向けたデジタル推進戦略

かつては世界最先端を走っていた日本の「IT活用力」に陰りが見え始めている。進化するコンピューティングパワーを十分に活用しきれていないのがその原因だ。NECレノボ・ジャパングループは日本市場を熟知し、あらゆる種類のデバイスを提供できる強みを活かし、日本のIT活用力の“復権”を強力に支援する。

日本の「IT活用力」がピンチ。意識やプロセスの変革が必要

留目 真伸 氏
NECレノボ・ジャパングループ
代表取締役社長
留目 真伸

 「進化を続けるコンピューティングパワーとユーザーの利用シナリオには大きなギャップがあります。このギャップを埋めることが、2020年に向けて日本の『IT活用力』を取り戻すカギを握っています」。2015年9月30日から10月2日まで東京ビッグサイトで開催された「ITpro EXPO 2015」の特別講演で、NECレノボ・ジャパングループの留目真伸氏はこのように訴えた。

 以前の日本のコンシューマITは世界の最先端を走っていた。誰もが携帯電話でインターネットやメールを利用し、気軽にテレビを視聴する姿は、日本を訪れた外国人を一様に驚かせた。それがいつしか、世界の潮流から後れをとるようになった。

 ある調査によると、日本のコンシューマで「写真やビデオをオンラインストレージに保存する」割合は3%、「ホームネットワークで宅内どこでもTV視聴ができる」割合は7%、「テレビ電話でコミュニケーションしている」割合は9%にすぎない。利用率は非常に低い。

 ビジネス分野でも同じことが言える。大企業におけるクラウドサービスの利用率は米国の76%に対し、日本は57%。中小企業となるとこのポイント差は倍近くに広がる。BYODの利用も世界では当たり前になりつつあるのに、日本の実施率は3割程度にすぎない。そもそもPCの社外利用を禁止している企業も少なくない。

 Web会議の仕組みを導入しても、利用するのは会議室に限られる。これではせっかくのフレキシブルな仕組みを有効活用できない。「ITを活用して業務の効率化や生産性向上を図るには、まず意識やプロセスを変えていくことが重要です」と留目氏は指摘する。

 NECレノボ・ジャパングループは、国内のPC市場を牽引してきたNECと、PCシェア世界トップのレノボが“タッグ”を組んだ日本最大のパソコン事業グループ。NECPCは製造業として、日本のモノづくりを熟知している。レノボは外資系の会社だが、以前から日本にPCの設計・開発拠点を持ち、長く日本でビジネスを展開している。「互いに、日本のユーザーや企業が何を求めているかを熟知しています。その強みを最大限に発揮し、2020年に向けて、日本のIT活用力の“復権”を支援していきます」と留目氏は力を込める。

[画像のクリックで拡大表示]

パートナーとの共創を加速し、個人・企業のIT活用を支援

 日本のIT活用力の“復権”を図るには、進化を続ける「コンピューティングパワーの常時活用」が欠かせない。「それは私たちIT業界だけで実現できるものではありません。IT業界以外も含めた様々なパートナーと、オープンに『共創』することが重要です」と留目氏は主張する。

 その一環として、NECレノボは個人マーケット向けの「D3 プロジェクト」と法人マーケット向けの「D3 Worksプロジェクト」を立ち上げた。

 D3 プロジェクトは先進的なデジタルライフを提案する取り組みだ。「コンピューティングパワーを生活の中に取り入れ、先進のITで、日々の暮らしをより便利・快適で楽しく、豊かなものにするのが狙い。ユーザーには1つ上の体験価値を提供し、共創パートナーには新たなビジネス機会を創出していきます」(留目氏)。

 そのモデルケースの1つが、同社PCの「LAVIE Hybrid Frista」と独自ソフト「インフォボード」を組み合わせた製品。インフォボードはPCの画面上に、最新の天気予報やカレンダー、ニュースなどを常時表示する。

 一方、D3 Worksプロジェクトはクラウド、ビッグデータ、デスクトップ仮想化など先進的なIT技術を駆使し、他業種を巻き込んだ共創によるデジタルワークを提案していく。

 その一例として、講演の中で留目氏は「今すぐできる」デジタルワークのデモを紹介した。具体的にはITpro EXPO 2015に出展する同社ブースで収集した顧客のアンケート情報を、東京・秋葉原にある同社本社の営業支援システム(SFA)に送信。ブースの担当者と本社の営業担当者はWeb会議システムを使い、その場でアンケート結果に関する情報を共有する。その中から「ワークスタイル変革の課題解決」と「Windows 10」に興味のある顧客を抽出し、マイクロソフトの担当者にコンタクトをとる。即座に三者によるWeb会議システムを実施し、興味を持った顧客向けに商談の準備を進めるというものだ。

 デモは従来のワークフローでは考えられないスピード感をアピールするのが狙い。「アンケートを取りまとめ、対象の顧客を抽出するといった作業を行えば、通常は商談に向けて動き出すまでに数週間から1カ月はかかります。それをほぼリアルタイムで進められるのです。劇的な業務の効率化とスピードアップが可能になります」と話す留目氏。興味が冷めないうちにタイムリーに最適な提案がもたらされるので、顧客のメリットも大きい。

[画像のクリックで拡大表示]

ゴールの実現をサポート

 先述したようにNECレノボグループは、日本でのデバイスの開発、グローバルな幅広い製品群など強みを活かした最適な提案が可能だ。しかしビジネス分野は、「女性活用により社内を活性化したい」「地方経済の活性化をしたい」といったゴールや、そこに至るシナリオの設定が重要になる。「単に最新のITやプラットフォームを提供するだけではなく、社会的課題に提言をするインフルエンサーや自治体、スタートアップなども巻き込んで、ゴールの実現を共にサポートしていきます」と留目氏は語る。

 その取り組みを加速するため、新しいデジタルライフおよびデジタルワークの実現を支援する推進団体の発足を進めている。より多くの企業の参加を促すことで、国内の社会的課題解決とITビジネスの機会創出に貢献する。

 現在のIT技術でも、コンピューティングパワーをフル活用すれば、IT活用力は劇的に向上する。それに加え、多様なパートナーとの共創が進めば、革新的なソリューションが次々と生み出される。「2020年は、日本のIT活用力の“復権”に向けた1つのゴールです。私たちはグループの総力を挙げて、個人/企業が世界最高レベルでITを活用する社会の実現をサポートしていきます」と留目氏は力強く語った。

NECレノボの最新提案が多くの来場者を釘付けに!

[画像のクリックで拡大表示]

 2015年9月30日から10月2日まで東京ビッグサイトで開催された「ITpro EXPO 2015」で、NECレノボ・ジャパングループはWindows 10搭載端末をベースに、パートナーとの「共創」による最新製品を数多く展示した。

 ブースには「データセンター」「診察室」「学校」「オフィス・会議室」「リビング・書斎」の5つのコーナーを設置。ビジネスを支える最新サーバーから、病院、学校、オフィスで活用できる具体的なソリューション、自宅でホームネットワークを実現する製品など企業・個人のデジタル化を加速する幅広い製品群で来場者の興味を惹きつけた。

 Windows 10搭載端末の体感コーナーには順番を待ち切れず、前の人の操作を興味深げに覗き込む人の姿も見られた。

 会議室を再現したコーナーでは、55インチの大型テーブルトップ型PCを展示。レノボ・ジャパンのPCやタブレット端末と組み合わせ、ケーブルレスでPC内のコンテンツを大型のテーブル画面に表示するデモを行った。複数のコンテンツを並べて表示したり、タッチペンでの書き込みができたりと、大勢のメンバーと同時に会議を行うことが可能だという。

 リビングを再現したコーナーでは、27インチの大型タブレット「Lenovo HORIZON 2」やスティックPCの「ideacentre Stick 300」、独特のL字形フォルムのPC「LAVIE Hybrid Frista」などを展示。大型液晶テレビとつなぎ、快適なホームネットワーク環境を紹介した。

 ブース正面のセミナーコーナーではオフィス、医療、教育現場での活用提案、先進企業の導入事例などを連日紹介。通路にまで溢れた来場者が、熱心に登壇者の話に耳を傾けていた。

[画像のクリックで拡大表示]
お問い合わせ