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一流のIT技術者を育成するには

情報システムの活用がスマートデバイスやクラウド、ビッグデータといった新たな領域へと広がり、それらを支えるITスキルがますます多様化するなかで、「技術者不足」が社会的にも切実なテーマとなっている。つまり企業で必要とされるITスキルの不足である。そうした問題の根本解決に向け、いま企業に求められているのは、技術者を“調達”することではなく、技術者を“育成”することにほかならない。それに向けた効果的なアプローチとなるのが「技術者認定資格」の活用だ。

テクノロジーの多様化が技術者の不足に拍車をかける

日本マイクロソフト株式会社
エバンジェリスト(業務執行役員)
西脇 資哲 氏

 企業のビジネス活動や人々の社会生活にITが深く浸透し、ソフトウェアやサービスがもたらす付加価値が増大するにつれ、そうした価値創造の担い手である技術者の果たす役割がさらにその重要性を増している。そうしたなかで、切実な課題として浮上してきているのが「技術者不足」である。

 もっとも、こうした人材不足という課題感自体は、何もいまに始まったわけではなく、例えば、団塊の世代が一斉退職した、いわゆる「2007年問題」などにおいても、人材不足が懸念される産業領域の1つとしてIT業界が取り上げられていたことは記憶に新しいところだ。

 ことITの分野に関して言えば、そうした人口動態に起因する問題にとどまらず、最近の技術動向そのものが、ここにきて技術者人材の不足にかかわる切迫感をさらに増大させているという状況がある。具体的には、社会において求められているITが多様化しているという事実が、技術者不足の問題に拍車をかけている。

 「現在のソフトウェア技術者には、例えばJavaやVisual Basic、C#などアプリケーション開発に必要な言語を使いこなせることはもちろん、Webシステムの領域ではPHPといったスクリプト、スマートデバイス用アプリに関してはそれらとはまた異なる言語を習得しなければなりません。さらに最近注目を集めているビッグデータ解析の分野ではR言語なども不可欠だといった具合に、技術者に求められるテクノロジーの素養が広範囲に及び、ますます求める人材の獲得が困難になっているという状況があります」と日本マイクロソフトでエバンジェリスト(業務執行役員)を務める西脇資哲氏は指摘する。

 こうした技術者不足の問題は、確実に企業のシステム開発プロジェクトに大きな影を落としている。例えば、あるプロジェクトにおいて、そこで本来求められるスキルを満たし得る人材が配備できていなければ、それは納期や成果物の品質のうえで問題を発生させてしまう。「実のところ、納期の問題はプロジェクトマネージャー(PM)の“頑張り”によって、例えば投入する人材を追加するといった対応なども含めて、何とか克服できるかもしれませんが、特に技術力への依存が大きい品質の問題は、やはり如何ともし難いというのが実情です」と西脇氏はいう。

 これに対し、適正なスキルを持った人材をプロジェクトで調達するという方法も考えられるが、当然のことながら、そうした高度な技術力を有する人材の確保には、多大なコストを要する。結果、予算が大きく圧迫されることとなり、赤字プロジェクトに陥るといったことも考えられる。

技術者認定資格の活用が技術者人材の育成を効果的に支援

 そこで、企業にとって重要なテーマとなってくるのが、現有の技術者リソースのスキルの底上げ、すなわち技術者の育成だ。つまり、人材確保に向けたアプローチを“調達”から“育成”に切り替えていくことこそが、特にシステムインテグレーターなどITサービスを提供する企業においてはサービスの品質向上、コスト競争力の強化をもたらし、技術者不足を根本的に解消するための処方箋となる。

 これについて西脇氏は「育成とはいっても、単に社内の技術者に漫然と自助努力を求めるだけで目的達成は望めません。企業として、個々の技術者に対して『ゴール』を明示し、それに向けた『プログラム』を用意することこそが肝要なのです」と強調する。そして、そうした「ゴール」になり得るのがITベンダーの提供する技術者認定資格であり、資格取得用に用意されている各種トレーニングコースなどが「プログラム」となるわけだ。こうした技術者認定資格やトレーニングコースの活用により企業は、技術者のスキル獲得に向けた取り組みを管理し、個々の技術者のスキルレベルを可視化することが可能となる。

 「近年ではシステム開発のプロジェクト委託の際に、ユーザー企業がどういう技術領域のスキルを持った人員を、どれだけ必要だということを要件として掲げるケースも増えています。米国など海外では、公共の入札案件においてもそうした傾向が強まっており、今後日本においても同様のかたちが一般化していくことが予想されます」と西脇氏は語る。そうしたケースで、自社の技術者のスキルを認定資格によってオーソライズされたかたちで顧客に明示できることのメリットはきわめて大きいといえる。

2~3年サイクルでの更新により常に最新スキルの修得が求められる

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各技術領域にかかわる人材育成を体系化したマイクロソフト認定資格

 そうした技術者に向けた認定資格制度としてマイクロソフトでは、「マイクロソフト認定プロフェッショナル」(MCP:Microsoft Certified Professional)を設けている。そこでは、MCSE(ソリューションエキスパート)やMCSD(ソリューションデベロッパー)、MCSA(ソリューションアソシエイト)といったカテゴリで様々な資格群をラインアップ。例えば、MCSEなら「プライベートクラウド」や「データプラットフォーム」「ビジネスインテリジェンス」など9つの資格が用意されており、企業が各技術領域にかかわる人材育成を体系化できるように支援している。

 「このように“体系的”なかたちで資格制度、プログラムを整備しているということが重要なポイントで、各資格の取得を目指して学習するなかで技術者は、自らに求められるソリューション領域に応じたスキルを、周辺知識なども織り交ぜながら、ムダなく効率的に獲得できるのです」と西脇氏は説明する。

 とはいえMCPの取得には、当然のことながら、技術者がしっかり学習を行い、真摯に対象領域にかかわるスキルの修得に努め、試験に合格することが前提となる。さらにMCPでは、例えばMCSEなら3年、MCSDなら2年というサイクルでの更新が必要だ。つまり、資格を取得した技術者が有資格者であり続けるためには、該当する技術領域の最新動向を常にキャッチアップし、更新試験に合格する必要がある。こうしたスキームにより、いま現在通用する技術的な内実を持った技術者だけが、有資格者を名乗れるわけだ。

 一方、資格取得に向けた講習・トレーニングについては、数多くのマイクロソフトの教育パートナー企業が、取得を目指す資格に応じたコースを用意している。あわせてマイクロソフト自身も、パートナー制度に加盟している企業に向けた無償の「MSTEP クラスルーム」を全国各地で実施しているほか、オンライン上の動画コンテンツとしても配信。さらにマイクロソフトでは、そうしたパートナープログラムに参加していない企業の技術者がアクセスできる無償コンテンツなども豊富に公開している。

世界で共通の試験に基づくグローバルで通用する技術者資格

 こうしたマイクロソフトの技術者認定資格の活用により企業は、その抱える技術者のスキルを資格という指標によって明確に可視化することができ、それが自社の技術レベルを顧客など社外にアピールするうえで効果的な手段となる。

 特にマイクロソフト製品は、広範な企業のシステムを支えるデファクト・スタンダードともいえる存在であり、それだけに関連技術スキルにかかわる需要はきわめて大きく、ITサービスを提供する企業にとっては、有資格者を数多く抱えることが、そのままビジネス上の競争力強化に直結する。

 また、MCP自体、世界中で統一化された試験によって実施されるグローバルで共通の資格であり、その取得によって担保されるスキルはあらゆる国で通用し、評価されるということも重要なポイントである。

 今後もマイクロソフトでは、常に変化する技術動向に追随するかたちで、認定資格制度の拡充を継続的に図っていくことになる。例えば、去る2015年12月9日には、MCSAに新たな認定資格である「MCSA Linux on Azure」を追加。これは、Microsoft Azure上でのLinuxディストリビューションの活用にかかわるスキルを認定する資格で、マイクロソフトでは、Azure上のプラットフォームとしてLinuxの人気が高まっているという状況を、いち早く技術者資格制度においても反映したわけだ。

 「このように、システムインテグレーターなどのITサービス企業が技術者人材の育成に取り組むうえでは、資格制度の活用こそが大きな効果を発揮します。加えて、今日ではそれら業者の提供するITサービスを利用するユーザー企業にも、より高度なITの視点が求められており、社内に然るべき技術スキルを持った人材を育成していくことが望まれます。そうした局面においても、ぜひマイクロソフトの技術者認定資格を効果的に活かしていただければと考えます」と西脇氏は語る。

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