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ビッグデータ活用を身近にするAzure

ビッグデータ活用への期待は大きい。しかし、現実はデータの収集・解析の難しさ、費用対効果など、導入の障壁は高い。日本マイクロソフトでは、同社が提供するクラウドサービス「Microsoft Azure」上でのビッグデータ活用のための基盤やツールを強化し、こうした課題に対応している。

多くのユーザーに利用される
ビッグデータソリューション

日本マイクロソフト株式会社
デベロッパーエバンジェリズム統括本部
テクニカルエバンジェリスト
佐藤 直生

 世界中にデータセンターを設け、様々なサービスを提供する「Microsoft Azure」(以下、Azure)だが、最近注目されているのが、ビッグデータに関連したサービスの強化だ。2015年に入ってから、新しい分析ツール「Microsoft Power BI」(以下、Power BI)の発表(1月)を皮切りに、毎月のように新しいサービスの提供を発表している。7月には、ビッグデータ活用のためのサービスを統合した「Cortana Analytics Suite」を発表した。

 マイクロソフトのクラウドベースのビッグデータ関連サービスにはいくつかの特長がある。オンプレミスで利用されている同社製品との親和性の高さ、データ量やファイル形式などへの対応力、そしてクラウドサービスとしての導入のしやすさなどだ。そこには機械学習をはじめとした、これまで同社が培ってきた先進の知見が生かされている。

 日本マイクロソフトでクラウドサービスのエバンジェリストを務める佐藤直生氏が「ビッグデータの課題である基盤やコストの問題をクリアするソリューションを用意しています」と語るように、ビッグデータ活用のハードルを下げるサービスがラインアップされ、すでに多くのユーザーが利用している。

 無印良品を運営する良品計画では、以前からあったデータウエアハウスに「Power BI」を適用することで、店長、エリアマネジャー、販売部、商品部などの現場で社員自らがデータ分析できる環境を提供。朝日カルチャーセンターは、サイト上で受講コースを選択する際に、過去の行動履歴からコースを推奨する機械学習機能を組み込んだ。また竹中工務店では、IoTの情報をMicrosoft Azure上に集約し、機械学習によって設備の故障を予測し、予兆保全の実現に取り組んでいる。

気軽に試せる環境を提供し
ビッグデータの民主化を図る

 こうしたビッグデータ活用を加速するために、同社が提供しているAzure上のCortana Analytics Suiteでは、データを収集、管理するレイヤーから、データを整理統合したデータウエアハウスの構築、機械学習によるアナリティクス、そしてデータ活用のためのダッシュボードなどフロントエンドまでを提供する。つまりデータ管理からアクションまでの一連の流れを全てサポートしているのだ。

 同社の取り組みについて佐藤氏は「速いペースで機能を拡張し、強化してきました」と振り返る。例えば、新しい「Power BI」はタブレットやスマートフォンにも対応しており、リアルタイムにダッシュボードを作ることができ、データの見える化が手軽にできる。

 「Azureやオンプレミスのデータベースからだけでなく、SalesforceなどのサードパーティーのSaaSとも連携して、簡単にデータを取り込めるエコシステムになっています」と佐藤氏は話す。無料版も用意されているので、気軽に試せるのも大きな魅力だ。

 また、機械学習のエンジンである「Azure Machine Learning」は過去のデータからモデルを作ることも、新しいデータから洞察を引き出すこともできる。「ブラウザーだけで機械学習モデルを構築でき、開発したソリューションはマーケットプレイスで公開して、販売することもできます」(佐藤氏)。このエンジンにはOutlook.com(Hotmail)やBing Mapsなどで培ってきたマイクロソフトの機械学習への深い知見が生かされている。Azure Machine Learningも無料で試すことができる。

 このほかにもIoTのデータ管理を容易に行える「Azure IoT Suite」、画像認識や音声認識などディープラーニングの機能を活用できる「Perceptual Intelligence」といったサービスも気軽に利用できる。佐藤氏はこれらの取り組みについて、誰もがビッグデータを活用できる社会を目指すという意味で「ビッグデータ民主化への挑戦」と位置づける。