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安くて使いやすいIoTプラットフォーム

元Amazon Web Servicesのエバンジェリストとして知られる玉川憲氏が創業し、IoTプラットフォームに特化した事業を手掛けるソラコム。日本にかつてなかったタイプの本格的ベンチャーとして多方面から動向が注目されている。その玉川氏本人が、新たな三つの施策をITpro Expo 2015で行われた特別講演で発表した。

IoTに特化したMVNOを始動 日本発のIoTビジネスを支援

株式会社ソラコム
代表取締役社長
共同創業者
玉川 憲

 2015年9月30日、ソラコムは「SORACOM Air」「SORACOM Beam」という二つのプラットフォームと「SORACOMパートナースペース」というパートナー支援プログラムを発表した。

 ソラコムの玉川憲氏は、これらの新サービスに懸ける意気込みを次のように示した。

 「IoTの波が来ています。これまで日本企業は、モノづくりは強くてもインターネットにつなぐ技術が弱いといわれてきました。ソラコムのIoTプラットフォームを使えば、その課題を乗り越えられます」

 まずSORACOM Airだが、ソラコムが通信キャリアからインフラを借り受ける、いわゆる「MVNO(仮想移動体通信事業者)」となってモバイル通信サービスを提供するものだ。

 ただ、新規参入が相次ぐMVNOの多くは、スマートフォンを格安で利用できるといった“人間系”を対象としたものであり、サービス設計の自由度には限界があった。こうした既存のMVNOに対してSORACOM Airが一線を画しているのが、IoTに特化した柔軟かつコストメリットの高いモバイル通信サービスを提供していることである。

 それにしても創業間もないベンチャーのソラコムが、どうして多額の初期投資が必要とされるMVNOに参入することができたのだろうか。

 「通信キャリアとL2卸契約し、そのほかにMVNOで必要となるデータセンターやISP(インターネット接続)機能は、全てクラウド上に構築しました」と玉川氏は説明する。

 具体的には、パケット交換や回線管理、帯域制御などのコアネットワークから、顧客管理や課金などのサポートシステムまで、あらゆるシステムを独自開発し、Amazon Web Services(AWS)に実装した。これにより初期投資を大幅に削減し、ひいては提供サービスの低価格化を実現するとともに、大量に分散するモノの接続に大きなメリットを発揮する利便性の高い機能群を整備することができた。

ソラコムはクラウドを最大限に活用したMVNO
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 「1万~10万個以上といった大量のモノを人間が個別に管理するのは不可能なため、APIを介してプログラムで管理できる仕組みも用意しています。例えば監視カメラに対して、普段は定期的に静止画を送っているのが、何らかの異常を感知した場合に、通信速度を上げて動画を送るといったコントロールを行うことが可能です」と玉川氏は語る。

 なお、SORACOM Airを利用するには専用のSIMを購入する必要があるが、初期投資は1回線あたり560円(税別)の契約事務手数料とSIMの送料のみですむ。使用開始後の基本料金は日額10円(税別)/回線からで、これに従量制課金によるデータ通信料金が付加される仕組みだ。

APIを介してプログラムでデータ通信を制御・管理できる
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