ITpro Special
週間WEEKLY ITpro Special ITpro

ITモダナイゼーションSummit レビュー|ソフトロード 既存システムのソースコードから仕様書を再生ユーザー企業は方針を固めるだけ

ソフトロード

既存システムのソースコードから仕様書を再生
ユーザー企業は方針を固めるだけ

老朽化した情報システムをゼロベースから再構築するのはリスクが大きい。その問題を解消するのがソフトロードの「システムリフォーム」である。オフショア開発を活用して、既存システムのソースコードを分析することで詳細な仕様を把握して、仕様書に再生。ユーザー企業はそれをもとにシステム再構築の方針を固めるだけで、老朽化した既存システムを刷新できる。

刷新専門開発体制を生かした「システムリフォーム」

株式会社ソフトロード
代表取締役社長
劉 忱(リュウ シン)

「システム開発で失敗は日常茶飯事です。老朽化した情報システムをゼロベースで再構築すると、様々なリスクが発生する恐れがあります。既存システムをゼロベースから刷新するのは賢明ではないと思います」。こう提言するのはソフトロードの劉忱氏である。

ソフトロードは中国・西安市に開発拠点を持ち、オフショア開発やオフショア保守、システム構築などを手掛ける中国中西部でトップクラスの開発会社である。レガシー化した古いシステムの近代化を図る独自の「システムリフォーム」手法を13年前から確立して、自社の刷新専業化した開発体制によって数々の実績を上げている。これまで手掛けたシステムリフォームは220件を超え、東京証券取引所1部上場企業上位200社のうち2割を超える日本企業が利用した。

ソフトロードのシステムリフォームは、老朽化した既存システムのソースコードを徹底的に解析することによって、継承する機能と不要な機能に分類し、継承する機能をユーザー希望の最新ITインフラ上で稼働できるようにする。重要なビジネス上のノウハウを継承し、システムのスリム化が実現されると同時に、ビジネスに欠かせない新たな要件も新機能として追加できる。

最大の強みはツールだけに頼らずに専門技術者を投入してソースコードを解析して、それを仕様書として再生することにある。ユーザー企業は概要設計をする必要はなく、ソフトロードに対し簡単な説明をするだけで現行システムの仕様書が得られる。

「ツールによる移行に依存するとブラックボックスが生まれてしまい、品質の高いシステムの近代化ができません。ソースコードには全ての仕様や機能が書かれているので、専門技術者を投入すれば、既存システムの全貌を正確に把握できます」。劉氏はこう説明する。

ユーザーはその仕様書を見て、不要な機能を提示し、業務上の問題の確認と改善を検討し、方針を固めるだけで、老朽化した既存システムを刷新できる。

■システムリフォームのプロセス
変換ツールに依存しない最適な移行方法
[画像のクリックで拡大表示]
■課題集中による付加価値の実現
ゼロベースでの設計・開発よりも格段にリスクが少ない
[画像のクリックで拡大表示]

客観的指標が示す「高品質」と「低コスト」

ソフトロードの開発の強みはそれだけではない。仕様書の作成に加えて、総合テスト、機能改善も含めたソフトウエア開発の全工程を一貫して対応することが可能だ。システム開発の品質とコストの客観的な判断基準の一つとして、国内有力企業の情報システム部門の多くが加盟する日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)の指標がある。品質を示すJUAS換算欠陥率(バグ密度)を見ると、ソフトロードが2010年1月から2014年4月までに取り組んだ案件の大半がゼロから0.05の範囲に収まっており、0.15を超えるものはなかった。JUASの標準値は0.25だから、品質は圧倒的に高い。また、コストも格段に低い。コストパフォーマンス(万円/KL)を比べると、JUASの新規開発案件の平均値86.8に対し、システムリフォームではほとんどが40以下で、最も高いものでも60程度だ。

高品質のシステム構築を低コストで実施できるので、日本を代表する数多くの有力企業がシステムリフォームを発注している。結果に満足して何回もリフォームを活用する企業も多い。阪急阪神東宝グループの情報システム開発を担うアイテック阪急阪神もその1社だ。会計システムと検査系システム、鉄道系システム、不動産系システムのリフォームを実施した。このうち、会計システムはハードウエアの老朽化に伴う再構築で、既存の業務機能の整理と仕様の見える化によって既存バグも修正できた。また、鉄道系システムもハードウエアの老朽化に伴う再構築だが、社内の業務改善要望を採り入れて、業務プロセスの改善やドキュメントの整理なども追加した。

ソースコードを分析して、システムを見える化

アイテック阪急阪神株式会社
事業戦略室
上席部長 兼 営業統括本部
上席部長
金子 裕次

「最も評価したい点は、ソースコードの分析によって詳細な仕様まで把握できて、見える化ができることです」。こう振り返るアイテック阪急阪神の金子裕次氏は、さらに以下のように続けた。「システムリフォームは単なる延命のためのマイグレーションではなく、見える化によって機能の追加・変更にも柔軟に応じられます。仕様変更が全体の1割以下なら格段に低いコストで高品質のシステムリフォームができます」。

アイテック阪急阪神はコストの削減や優秀な技術者の確保を狙い、2000年前後から海外のソフト開発会社と取引を拡大した。しかし、意思疎通が思うように図れず、苦労が絶えなかった。こうした中で出会ったのがソフトロードである。「ソースコードから再生してくれるのでコミュニケーションギャップが生じません。また、システムリフォームならビジネス上のノウハウを継承し、改善すべきところを改善できるので、今後の主流はシステムの再構築ではなく、システムリフォームになるのではないかと思います」(金子氏)。

システムは企業経営に欠かせない存在になっており、時代に合わせてシステムを計画的に成長させる必要性が高まっている。ソフトロードは開発だけでなく、プログラム保守にも対応するので、業務と同期して継続的に成長するシステムを実現することが可能になる。「開発プロジェクトの6割にシステムリフォームを適用できる可能性があります。計画的にリフォームを進めれば、バグは半減し、コストも3割以上削減することも不可能ではありません」と劉氏は強調する。モダナイゼーションの一手法として、システムリフォームは注目だ。

お問い合わせ