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ITモダナイゼーションSummit レビュー|ランサ・ジャパン ホスト資産を積極的に活用した画期的モダナイゼーションを実現

ランサ・ジャパン

ホスト資産を積極的に活用した
画期的モダナイゼーションを実現

「モダナイゼーション」とは、ビジネスニーズと現行システムのギャップを埋め続ける取り組みにほかならない。それは必ずしもホストからオープン系への移行によってのみ実現されるものではない。ランサ・ジャパンでは「RAMP」や「LongRange」といったツールの提供により、ホスト資産をそのまま活用したモダナイゼーションの実現を強力に支援している。

様々な選択肢の検討を続け、実際の着手に踏み出せない企業も

株式会社ランサ・ジャパン
代表取締役社長
中村 哲

「モダナイゼーション」という言葉が既に国内企業の間に浸透しつつある。「モダナイゼーションの実施に先立ち、企業では通常、四つの選択肢を検討するものと思います」とランサ・ジャパンの中村哲氏は切り出す。

まず一つめは「何もしない」という選択。もちろん、この選択は新たなニーズに対し何ら解決策をもたらすものではない。二つめは「SaaSを含むパッケージの適用」。これに対し企業としては、現場に最適化されたシステムの機能やプロセスなどが失われてしまう点で抵抗を感じてしまう。三つめは「再構築」。これは言うまでもなく多大なコスト負担が不可欠だ。そして四つめは「リフェース」。これはシステムのユーザーインターフェイスの部分をモダナイズするというアプローチだが、それ自体では本質的なビジネス上の効果は望めない。

「以上のような検討を順次行う中で、長い期間を費やしてしまっている企業も少なくありません。ここでは、そうした逡巡を克服し、実際にITモダナイゼーションを敢行して、成果を上げている企業の例をいくつか紹介します」と中村氏は語る。

「全てを変えなければできない」という先入観を克服することが重要

大阪で地場密着型の建設業を展開する前田組では、顧客からの電話を受けた社員全てが、当該顧客の担当営業と同等の対応を行えるようにするため、CTIとホスト上の基幹システムを連携している。顧客から電話がかかると、担当者がホストシステムの画面をリフェースしたモダンな画面上で即座に顧客の情報を確認し、スムーズに応対できる仕組みを実現。顧客に感動体験を提供している。

また、食品包装機の製造で知られる古川製作所では、長年のシステム運用の中でホストシステム、Linux、Windowsといった各プラットフォームに業務システムが分散。必要な機能によって各システムにアクセスし直すことが必要になるなど、非効率性が課題となっていた。これに対し、同社ではこれらシステムにアクセスするためのインタフェースを単一の画面に統合。各システムのシームレスな利用が可能となり、従業員の業務効率が大幅に向上するという成果につながっている。

さらに オフィスや店舗、一般家庭の顧客に向けた玄関マットなどのレンタル事業を行う武蔵野では、従業員の残業削減を念頭に、それまでルート営業担当者が帰社後に行っていた紙伝票からシステムへのデータ入力業務の改善に取り組んだ。具体的には、iPadをホストの業務システムに直結し、デバイスを携行した営業担当が帰社することなく外出先で必要なデータ入力を行えるようにした。その結果同社では、残業がほぼゼロになるという効果が得られている。

最後の事例は、自動販売機などに内蔵される紙幣識別機の提供で知られる日本金銭機械のケース。同社では、機器のメンテナンス業務に関連して、売上処理がホスト側で、メンテ履歴管理がオープン系システムでそれぞれ稼働していた。その結果、営業担当者がメンテ履歴情報を参照できない、あるいは各営業所の修理担当者が直接システムにアクセスできないなどの問題を抱えていた。

そこで同社では、両処理をオープンシステム側ではなく、ホスト側に統合。併せて、修理担当者にはiPadを配布し、同ホストにアクセスできる仕組みを実現した。その結果、営業担当者が顧客から要請を受けて速やかに修理担当者を手配したり、顧客現場の修理担当者がそれまで本社に郵送していた作業完了報告をiPadからタイムリーに行えるようになるなど、顧客サービスの向上、業務の効率化を実現している。

「以上のように、これらのお客様では各社各様のモダナイゼーションを実施し、それぞれに成果を享受しているわけですが、そこで共通しているのが『全てを変えなければできない』という先入観の克服です。モダナイゼーションに着手し、例えばモバイルやCTIなどの技術も採用しながら、結果、ビジネスの現状に即した業務変革を実現していることです」と中村氏は解説する。

必ずしもホストからオープン系への移行によって実現するものではない

これらの事例において、モダナイゼーションを実現するための技術基盤として活用されているのがランサ・ジャパンの提供する「RAMP」のHybridフレームワーク、および「LongRange」だ。

まず、RAMPではユーザーがIBMのAS/400およびiSeries上に構築してきたプログラムのソースコードに手を入れるなど工数をかけることなく、既存オブジェクトをフレームワークに組み込む。その形で、従来のホスト画面をWebのHTMLやリッチクライアント、スマートデバイス用など任意のインタフェースに変換することで、各種デバイス上への出力が可能だ。このとき、単に画面の見栄えや操作性だけではなく、ホスト型の画面展開に縛られることのない自由な画面遷移を実現できるようになっていることも重要なポイントである。更に、同一のフレームに新規のアプリを開発して連携させることもできる。

■RAMPのHybridフレームワーク
ホストアプリをそのまま再利用でき、コンパイル不要。一度の部品化で、段階的なモダナイゼーションも可能になる
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一方のLongRangeは、モダナイゼーションの重要な要素である、スマートフォンなどモバイルデバイスに対応したアプリケーションを開発・実行するための仕組みだ。具体的には、iPhoneやiPad、Androidといった各デバイス向けのタッチパネル操作に対応し、カメラ機能やGPS機能とも連動したネイティブアプリをRPGベースで開発して、IBM iサーバーのみで実行できる環境を提供している。単一のアプリ開発で、iOS、Androidの双方に対応できる点が大きな特長となっている。

■LongRangeでアプリを作る流れ
ネイティブAndroid、iOSともに開発は1回のみでアプリを作成することができる
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最後に中村氏は「モダナイゼーションとは、ビジネスニーズと現行システムのギャップを埋め続ける取り組みにほかならず、それは必ずしもホストからオープン系への移行によって実現するものではありません。ここでご紹介した事例を通して、既存のホスト資産をそのまま活用したモダナイゼーションが、想像するよりはるかに安く短期間で可能であることを、ぜひご理解いただければ幸いです」と語った。

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