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ITモダナイゼーションSummit レビュー|マイクロフォーカス COBOL資産を有効活用する戦略的ITモダナイゼーションの実践法

マイクロフォーカス

COBOL資産を有効活用する
戦略的ITモダナイゼーションの実践法

既存資産を有効活用し、効率良く基幹システムの最適化を図るITモダナイゼーションを、既に多くの企業が戦略的に採用している。COBOLの歴史と共に歩み、今も最先端のテクノロジーに対応した製品を提供し続けているマイクロフォーカスが、既存アプリケーションをオープンな世界で活用する手法を、デモやユーザー事例を交えながら紹介した。

目的達成に向けた多様なパスを戦略的に実践

マイクロフォーカス株式会社
技術部
ソリューションアーキテクト
光富 良裕

ITモダナイゼーションには様々なパス(手法)がある。例えば、OSやハードウエアの保守切れによって移行が不可避となり、なおかつ短期間・低コストで実現しなければならない場合には、まず「リホスト」や「リビルド」を通じてITインフラの刷新を目指すことになる。そして、これに続くステップとして「リインタフェース」「ラッピング」「リライト」を実施して機能の戦略的な進化を図る。このほかドキュメントが整備されておらずブラックボックス化したシステムを対象とするならば、入念な「リラーン」や「リドキュメント」も検討する必要がある。

マイクロフォーカスの光富良裕氏は、「こうしたITモダナイゼーションのあらゆるパスを我々はサポートし、目標達成まで導いていきます」と語り、次のような同社の優位性をアピールした。例えばリホストに着目すると、その対象はIBMメインフレームで稼働するアプリケーションだけに限らず、TPモニターや階層型DBなどのミドルウエアまで含めて、既存の状態のままオープン環境に移行可能なソリューションを提供している。

また、ビジネスロジック部分については既存のCOBOL資産を維持しつつ、最新モバイルデバイスをターゲットに刷新(リインタフェース)されたUIからもアクセスできるようにするラッピング技術も提供している。

現行のソフトウエア仕様をベースに、PL/Iからオープン環境のMicro Focus COBOLにシステムを再構築(リライト)した実績も豊富だ。COBOL、PL/I、Natural専用のアプリケーション可視化支援ツールである「Micro Focus Enterprise Analyzer」を利用すれば、現行のアプリケーション資産のリラーンやリドキュメントも効率的に行える。

追加投資を必要としない柔軟なモダナイゼーション計画を支援

マイクロフォーカスの数あるソリューションの中でも、光富氏が今回特にスポットを当てて取り上げたのが、「Micro Focus Enterprise Developer」および「Micro Focus Visual COBOL」である。前者はIBMメインフレームで稼働するCOBOLアプリケーションをオープン環境上でリホストする開発環境製品、後者はリビルド、リインタフェース、ラッピング、リライトの機能を含んだCOBOL統合開発環境製品だ。なお、Enterprise DeveloperはVisual COBOLの機能を完全に包含しているため、「リホストの次のタイミングで追加投資を必要としない、柔軟なモダナイゼーションプランを支援します」と光富氏は説明する。

実際、これらの製品はどのような使い勝手で操作することができるのだろうか。マイクロフォーカスの高橋桂子氏が登壇し、Enterprise Developerを利用したリホストについてデモを実施した。

IBMメインフレーム上で稼働しているCICS入力画面やJCLなどのアプリケーションを、そのままのイメージでオープン環境に移行できることを高橋氏は示しつつ、「コスト削減と共に既存資産の有効利用が可能となります」と強調した。

■メインフレームのリホスト
メインフレームアプリケーションをオープン環境へ。PCでも動作可能
[画像のクリックで拡大表示]

一方のVisual COBOLについては、光富氏がリビルドの手法を解説し、ソフトウエア部分は基本的に既存のCOBOL資産を再利用すること、ミドルウエアについては必要に応じて移行先で提供される代替技術に切り替えることを示した。

また、UI開発に関して、マイクロフォーカス独自のハイブリッド型ソリューションをデモを交えて紹介。「アプリケーションをビジネスロジック層とプレゼンテーション層とに分け、ビジネスロジック層はCOBOLのままで、プレゼンテーション層のみをJavaや.NETでリインタフェースすることで、JavaやC#などによる全面リライトのリスクとコスト増大を回避できます」と光富氏は説明する。

■リライトによるリスクを補うハイブリッド型ソリューション(イメージ)
Javaや.NETが備えるユーザーインタフェース開発の強みを活かしつつリスクを回避できる
[画像のクリックで拡大表示]

大手企業や自治体関連団体などへの豊富な導入実績

こうした多様なパスおよびその高度な実践ノウハウにより、マイクロフォーカスは大手企業に対しても導入実績を拡大している。

例えば、NTTデータが手掛けたりそなグループの事例では、IBMメインフレームからLinuxへ情報系システムの基盤が全面刷新され、PL/IプログラムはMicro Focus Visual COBOLでリライトされた。もっとも、「IBMメインフレームからのマイグレーションだけが、弊社製品のターゲットではありません」と高橋氏は強調する。

例えば、中部電力・中電シーティーアイの事例ではユニシスメインフレームからLinuxへ、横浜電算が手掛けた地方自治体関連団体の事例では富士通メインフレームからWindowsへの移行を実現してきた。また、UNIXプラットフォームからのマイグレーション事例も多く、関電システムソリューションズでは、AIXおよびOracle DBで構成されたシステムを、LinuxおよびPostgreSQLに移行。その他レガシー環境からの移行プロジェクトが複数進行中だ。「多くのCOBOL マイグレーションパートナーとの連携により、ベンダーに縛られないモダナイゼーションが可能です」と高橋氏は語った。

マイクロフォーカス製品ならでの多様性が活かされたのが、シャープエンジニアリングの事例である。第1フェーズにおけるIBMメインフレームからUNIXサーバーへの移行、第2フェーズにおけるオープンレガシー化した環境の刷新、第3フェーズにおけるLinux上のEnterprise環境への統合といった段階的かつ継続的なマイグレーションが、そこで実践されてきた。

このようにマイクロフォーカスでは、既存のCOBOL資産を維持しつつ新しい技術との融合によってアプリケーションを再生させるテクノロジーを用意している。「様々な技術の強みを適材適所で活かしたシステムを構築することが、モダナイゼーションの成功の鍵です」と光富氏は語った。

長年コストをかけて品質を担保してきたCOBOL資産を安易に捨て去ることには非常に大きなリスクを伴うだけに、ゴール達成に向けた適切なソリューションの選択とプランが肝要なのである。

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