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信頼のシスコスイッチに低価格モデル登場

ネットワーク機器の分野で世界的な存在となっているシスコシステムズは、デジタル時代に応えるための新アーキテクチャ「Digital Network Architecture」を2016年3月に発表。さらに、世界各国の現地法人の声に耳を傾けた製品/サービス作りにも力を入れている。その1つの成果としてCisco Startシリーズに追加されたのが、Cisco Catalyst 2960-L。Catalystならではの品質を受け継ぎつつ、日本のオフィスで使いやすい仕様になっているのが特長だ。

デジタル時代のネットワーク要素
仮想化、自動化、分析、クラウドサービス管理

サチン・グプタ氏
シスコシステムズ
Vice President
Product Management
Cisco Switching
サチン・グプタ

 「デジタル技術をビジネス転換や新ビジネス創出に役立てる“デジタル化”が進む今、ネットワークに対する要件も変わってきました」

 シスコシステムズでスイッチング事業に長く携わってきたVice President, Product Management, Cisco Switchingのサチン・グプタ氏は、企業ネットワークの現状をこう分析する。ビジネスをさらに加速するために求められているのが「インサイト」と「エクスペリエンス」。管理については自動化を前提とした「スピード」と「シンプル化」。さらに、セキュリティやコンプライアンスを確保するための「リアルタイムでダイナミックな脅威防御」が求められているという。

 そこで、シスコシステムズはこのような最新の要件に応えられるアーキテクチャ「Digital Network Architecture(DNA)」を2016年3月に発表。対応製品を段階的に市場に投入し始めた。DNAは、仮想化、自動化、アナリティクス、クラウドサービス管理の4つの要素で構成されている。

 「仮想化」は、オープンかつプログラマブルな仮想化機能を提供する層である。アプリケーションホスティングのほか、IoTやフォグコンピューティングとの接続もこの層が担当。グプタ氏は「物理ハードウェアと仮想化されたソフトウェアをあたかも1つのシステムのように見せます」と説明する。

 その上に位置するのがポリシーベースの「自動化」と各種データから知見を得る「アナリティクス」の2機能だ。自動化のコントローラーに使われているのはCisco Application Policy Infrastructure Controller Enterprise Module(APIC-EM)で、コアからエッジまでの全域をカバー。分析ではセキュリティ脅威やカスタマーエクスペリエンスなどのデータも扱う。

 さらに、これらの全体を統括する機能として、ポリシーベースの管理とオーケストレーションを行う「クラウドサービス管理」がある。名称は“クラウド”となっているが、オンプレミス環境やハイブリッド環境の管理も可能。ネットワークの規模ではキャンパスからブランチまで、ネットワークの種類についても有線と無線の両方をカバーしている。

Cisco Startシリーズに日本の要望を取り入れた
Catalyst 2960-Lが登場

 このDNAを支えるCatalystシリーズ最新のスイッチとして2016年9月28日に発表されたのが、Cisco Catalyst 2960-Lだ。この製品は中小企業向けのCisco Startシリーズに満を持してラインナップされたCatalystブランドで、日本市場向けに機能群を厳選し、高品質と低価格帯の両立を実現。また日本語GUIからのセットアップによりIT専任者がいないオフィスへの導入も容易。日本市場を意識した製品仕様が数多くみられる。

 Catalyst 2960-Lはアクセススイッチとして、オフィスのデスク周囲に設置することも想定している。ポート数は、GE*8/16/24/48の4種類。アップリンクのインタフェースは、SFP*2(8/16ポート機)またはSFP*4(24/48ポート機)という構成だ。

 この製品の最大の特長は、製品企画を決めるプロセスに“ローカルジャパンチーム”が深く関わったことにある。「このローカルチームがなければ、日本独自のニーズはつかめなかったことでしょう」とグプタ氏は語る。日本市場を意識した仕様項目の例として、本体サイズ、マグネットシートでの設置、ファンレス設計、Webユーザーインタフェースの日本語化などを挙げる。

 例えば、日本のオフィスでは“島”単位でPC、電話機、プリンタを設置するケースが多いことを配慮して、8ポート機と16ポート機ではマグネットシートでデスクの側面や天板裏などに取り付ける方式にも対応。8~48ポートのすべてでボディサイズの奥行きは30cm未満に抑えられているので、設置に要するスペースもきわめて小さい。

 また、デスクの上にある電話機をつなぎ込むには給電機能が欠かせないことから、どのポート数についてもPoE+なしの“データモデル”とPoE+ありの“PoE+モデル”を用意。騒音がデスクワークや接客業務に影響を及ぼすことを防ぐために、48ポートのPoE+モデル以外では冷却ファンを廃止して静粛性を高めている。なお、ファンレス機でも55度の室温までなら問題なく動作するので、空調の強くないオフィス環境での使用も考慮されている。

日本語に標準対応した管理コンソールとセットアップガイド
中小企業市場にも引き続き注力

 さらに、管理コンソールのWebユーザーインタフェースは英語と日本語の両方に標準で対応しているほか、セットアップガイドなどのドキュメント類もすべて日本語版。専任のIT担当者がいないオフィスでも、日々の運用管理に困ることはないはずだ。

 Catalyst 2960-Lが属するCisco Starシリーズが始まったのは、2015年9月。「これまでにも、ルーターのCisco 841M Jシリーズやワイヤレス製品をこのプログラムを通じて中小企業市場に投入してきました」とグプタ氏は説明する。現時点では日本国内でのみ展開しているプログラムだが、シスコシステムズ本社での評価も高いという。

 Cisco Startシリーズの成長とCatalyst 2960-Lの発売を機に、シスコシステムズは日本市場の特性に配慮した製品やサービスの提供にさらに力を入れようとしている。「今回は中小企業市場が対象でしたが、今後は業界、業種における特有のニーズにもよく耳を傾けて市場を拡大していきたいと思います」とグプタ氏は言う。

 グプタ氏は「当社はエンタープライズ・ネットワークの世界でトップレベルのシェアを獲得していますが、世界各国の地域特性にフォーカスした市場にも注力していきます。日本の営業チームやディストリビューター、パートナー各社とは今後も密に連携し、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向け、精力的に市場を開拓していきます。また、そのために、販売パートナーとのさらなる連携強化も進めます。日本市場が今後新しいイノベーションをドライブすることによって、当社の成功も支えられるはず。そう確信しています」と日本市場に期待を寄せる。

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