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クラウドで変わる企業経営、その未来像は?

九州ヒューマンメディア創造センター

ICTとIoT基盤を使った実証実験が可能に
ヒト、モノ、カネで新サービスの事業化を支援

社会問題の解決手段としても、ICTは期待を集める。しかし、十分な実証実験ができず、実用化しないものも多い。新しいICTサービスを立ち上げる事業者にヒト、モノ、カネの支援をする。その解決策として「北九州e-PORT構想2.0」が注目を集める。ICTサービス基盤だけでなく、新たに構築するIoT基盤も実証フィールドとして活用できる。

公益財団法人 九州ヒューマンメディア創造センター 事務局長 山田 修司 氏
公益財団法人
九州ヒューマンメディア創造センター
事務局長
山田 修司 氏

 北九州市は2002年から「北九州e-PORT構想」を掲げ、現在、全国有数のデータセンター集約地になっている。e-PORT構想2.0はこの基盤を活用し、次世代を見据えたICTの利活用を目指すものだ。「e-PORT構想2.0はサービス事業者のICT利活用を支援し、ビジネス創出の視点で地域の課題を解決していくプラットフォームです。実証フィールドの提供をはじめ、産学官民金(金融機関)との連携、資金の支援という形で支援します」。北九州市の外郭団体である九州ヒューマンメディア創造センターの山田修司氏はこう話す。

 オープンイノベーションを採用し、新しいサービスの創出を目指す事業者は、北九州の産学官民金が参加するe-PORTパートナーとe-PORTコンソーシアムを形成する。そしてそのコンソーシアムを、九州ヒューマンメディア創造センターが、ヒト、モノ、カネを提供して運営支援する。「地元自治会、行政などと折衝する必要があれば、私どもが連絡・調整をします」(山田氏)。

オープンイノベーションを支えるコンソーシアムへの補助制度 e-PORT構想2.0ではコンソーシアムの形成および推進に関する支援を実施
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北九州と無縁の企業も参加可能
P2P活用の位置情報システムが実現

 最大の特長は、北九州市内に事業所を置かない事業者も参加できる点にある。認知症徘徊高齢者対策プロジェクトはその典型。P2Pを活用し、端末を身に着けた高齢者がセンサー付近を通ったり、専用アプリケーションをダウンロードしたスマートフォン所有者とすれ違ったりすると、家族のスマホに位置情報を届ける。高齢者の端末のサイズは百円玉ほどと小さい。開発者は東京のSkeed。北九州市に縁もゆかりもない。Skeedによれば、技術・サービスの確立に向けた最大のポイントは、地域住民への新技術の紹介や実証実験への協力だったという。

 北九州市の取り組みは、他にもある。同市が抱える課題や統計情報などにアクセスできるWebサイト「地域情報基盤」を開設している。目的は、地域の課題を解決し、事業創出や事業拡大を目指す企業や団体に情報を開放することで、事業シーズの発見をサポートすることにある。また、現在建設中の北九州スタジアムの完成に伴い、JR小倉駅周辺のにぎわいづくりに取り組む。駅周辺の公共系歩行者誘導サインにビーコンやセンサーを設置し、IoT基盤を構築する。スタジアムから駅周辺地域への経路解析、人流計測によるにぎわいの見える化、公共系誘導サインの適正配置の検討に使用するだけでなく、新しいサービスやソーシャルサービスの可能性を探る実証実験のフィールドとしても開放する。

 「新しいICTサービスを立ち上げようと考えているなら、ぜひ北九州市を実証フィールドとして活用してみてください」と山田氏は呼びかけている。

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