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目指すべき「顧客体験」向上の近道は

ナイスジャパン

FinTechで変わる金融業界
目指すべきは「顧客体験」の向上

金融業界におけるFinTechの流れが加速する中、重要な課題となっているのが「カスタマー・エクスペリエンス(顧客体験)」の向上である。潜在的なニーズを把握し、いかにパーソナライズ化した商品やサービスを提供できるか――。この対応が今後のビジネスの明暗を分ける。ナイスジャパンはマルチチャネルに対応した顧客対応業務の高度化を通じ、カスタマー・エクスペリエンスの向上を支援する。

金融機関の差異化戦略は
「顧客体験」の創出が主戦場に

ナイスジャパン株式会社
エンタープライズ グループ
チャネル ビジネスマネージャ
吉井 孝

 金融機関が直面する激しい競争を勝ち抜くためには、デジタル化への対応が欠かせない。IoTに代表されるようにネットの活用範囲が一段と拡大し、様々な情報がデジタル化されていくからだ。そうした情報を高度に処理し、金融サービスに活かす能力が求められている。

 今後デジタルネイティブ世代が消費者の主流となっていく中、より重要性が高まっているのが「カスタマー・エクスペリエンス(顧客体験)」の向上である。商品・サービスを提供するだけでなく、付加価値や満足度の向上を図り「選んで良かった」「また利用したい」といったポジティブな感情を醸成することである。

 実際、ある調査では9割近い企業経営層が、2016年までにカスタマー・エクスペリエンスの向上が差異化戦略の主戦場になると考えているという。「しかし、その取り組みが効果を上げている企業・団体はまだ少ないのが現状です。また、ユーザー側から見た調査結果では、金融機関に対するカスタマー・エクスペリエンスの満足度は低下傾向にあります」とナイスジャパンの吉井孝氏は指摘する。

カスタマー・エクスペリエンスの
向上を図る三つのステップ

 満足度低下の要因として、カスタマーのサービスへの期待値が上がっていることが挙げられる。「お客様は企業にコンタクトするチャネルを複数持つようになっています。例えば、スマートフォンを使えば、いつでも簡単にWebやメール、チャットや電話でコンタクトが可能です。すべてのチャネルで均質なサービスを求めるカスタマーの期待に応えられていないことが、満足度低下の一因です」と吉井氏は分析する。

 背景にあるのが、データおよび組織のサイロ化だ。多様なチャネルへの問い合わせ窓口は用意していても、得られるデータが個別に集積され、連携させることが難しい。Webでの問い合わせ、コールセンターでの対応履歴、支店での取引履歴などが分散し、相互連携できていないのだ。

 「お客様がどんな目的を持っていて、何を知り、何を買いたいのか。企業とのコンタクトを開始してから、その目的を達成するまでの一連の行動、すなわち『カスタマー・ジャーニー』を把握することが、カスタマー・エクスペリエンスを向上させるカギを握っています」と吉井氏は語る。

 そのためには三つのステップが必要だという。一つめは「知る」こと。今起こっていること、これまでに起こったことを正確に知ることだ。「お客様の興味がどこにあるかを理解することで、価値のある気づきを得られます」(吉井氏)。

 二つめは「行動する」こと。知ることで得られた気づきに基づいて、タイムリーにパーソナライズ化された対応を行うことである。

 そして三つめが「最適化する」こと。お客様はもちろん、組織のスタッフにとってもカスタマー・エクスペリエンスがより魅力的で快適なものであるように最適化することである。「この三つのステップに継続的に取り組み、PDCAサイクルを回していくことが最も大切なのです」と吉井氏は訴える。

カスタマー・ジャーニーの把握が、カスタマー・エクスペリエンス向上のカギ
「知る」「行動する」「最適化する」の取り組みを継続的に行うことが大切
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マルチチャネルのデータを分析し
適切な対応とビジネス判断を提示

 こうした取り組みを支える有力なソリューションが、ナイスジャパンが提供する「NICE CUSTOMER ENGAGEMENT SOLUTIONS」である。

 同社は通話録音ソリューション大手であるイスラエルのNICE Systemsの日本法人。最先端の通話録音・音声分析テクノロジーを利用して、顧客エンゲージメントの向上を支援する。日本および世界的なメガバンクを含む世界の金融機関の約7割が、何らかの形で同社のソリューションを活用しているという。

 最大の特長はマルチチャネルに対応し、音声、テキスト、ビデオなど多様なビッグデータを一元的に活用できる点だ。データを分析するアプリケーションとリアルタイムに連携し、機械学習によるビッグデータ分析を行い、各ステップにおいて次に取るべきアクションをタイムラグなしに提示する。

 「例えば『知る』ステップでは、多様なチャネルから得られたお客様のプロファイルやVOC(顧客の声)などから行動パターンを分析し、予測モデルを提示できます。過去の実績データから、どのようなお客様がどのように行動した場合、どんな商品が購入されたのか、あるいはキャンセルされたのか知ることで、適切な顧客対応が可能になります」(吉井氏)。

 「行動する」ステップではリアルタイムの通話内容、過去のナレッジ、従業員のスキルなどを基にリアルタイムなビジネス判断とガイダンスを提案する。コンプライアンス上、問題のあるやり取りがなされている場合は即座にアラートを表示することも可能だ。

 「最適化する」ステップでは、適切なカスタマー・ジャーニーの実現に向けて、 取るべき対応や提案をパターン化したベストプラクティスの全社共有を実現する。カスタマー・エクスペリエンスの向上に向けたスタッフのスキル向上、人員のスケジューリングや配置の最適化を支援する機能もある。顧客対応業務だけでなく、サービスを提供する組織やスタッフの最適化まで支援できるのだ。

 「一連の対応をシームレスに行うことで、お客様対応のボトルネックを回避し、何度も同じことをお聞きするといった不快な思いをさせる必要がなくなります。苦情発生や顧客離れを最小化し、最適な提案でクロスセルによる販売機会の拡大も期待できます」と吉井氏はメリットを述べる。

最適化されたカスタマー・ジャーニーの一例(ワークフォースの最適化)
顧客の期待を上回る対応を実現することで、契約獲得の可能性が高まる
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 金融業界の競争を勝ち抜くには、ITを駆使したカスタマー・エクスペリエンスの向上が欠かせない。ナイスジャパンは豊富な実績と高度な技術力を強みに、多様なデータに基づく適切な顧客対応とビジネス判断を支援することで、金融機関の競争力強化に貢献していく。

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