ITpro Special
週間WEEKLY ITpro Special ITpro

IoTで変わるビジネス 手軽に活用するには

ネットワークとクラウドを融合した
新IoTプラットフォームを発表

 ITやビジネス関連の報道で、今やビッグデータやIoTが話題にならない日はない。IoTでは、5年後に世界で数百億ともいわれる膨大な数のデバイスがネットワークにつながると予測されている。収集されたデジタルデータはモバイル経由でクラウドに送られる。そして、ビッグデータとして分析され、エンジニアリングやマーケティングなどの分野でイノベーションを起こし、新たなビジネスを創出すると期待されている。

菊池 武志 氏
株式会社インターネットイニシアティブ
専務取締役
菊池 武志

IoTに必要な機能を一体化し
クラウド上の基盤として提供

 IIJではネットワークとクラウドを融合した新型IoTプラットフォーム「IIJ IoTサービス」を7月に発表した。IIJの菊池武志氏は「当社の強みは、IoTのビジネス利用に必要な全てのコンポーネントがそろっていることです」と力説した。IIJ Omnibusサービスで実現しているネットワーク、モバイル、デバイス管理と、IIJ GIOサービスで実現しているクラウド、ビッグデータ、セキュリティといった各要素を一体化し、クラウド上のIoTビジネスプラットフォームとして提供するという。

齋藤 透 氏
株式会社インターネットイニシアティブ
ネットワーク本部 IoT基盤開発部 部長
齋藤 透

電力スマートメーターで活用
IIJが取り組むIoT戦略

 IIJの齋藤透氏は、IoTへの期待が大きくなる一方、実用化に向けて解決すべき課題もあると指摘する。例えばIoTを支えるネットワークでは、低遅延のリアルタイム処理や高い信頼性が求められる。「人命にかかわる医療系IoTやクルマの自動運転などに要求される遅延時間は、わずか数ミリ秒です。また、製造業などの基幹業務の停止リスクを回避するためにも高信頼、高セキュリティのIoTが不可欠です」(齋藤氏)。

 こうしたIoT環境を見据えながら発表されたIIJ IoTサービスの特長は、IIJの独自技術を活かした総合サービスを提供することだ。具体的には、IoTシステムに必要なネットワーク、モバイル、セキュリティ、クラウド、デバイス管理・制御、ビッグデータの各要素と、それらを統合的に管理する機能を提供する。

 「これまでのIoTシステムは個別に機器やサービスを組み合わせ、インテグレーションする必要がありましたが、IIJではIoTシステムをワンストップで提供することにより、低コストかつ短期間で導入できます」と齋藤氏はIIJ IoTサービスの特長を説明する。

 そして、IIJが注力するIoT分野の一つである電力・エネルギー分野での活用事例として「電力スマートメーターBルート活用サービス」を紹介した。これは、クラウドを活用してスマートメーターのBルート(家庭内ネットワーク)からデータを取得・活用するために必要な要素をあらかじめ用意するもの。各家庭などに設置するスマートメーター接続機器、端末の設定などがリモートから行える端末集中管理システムやメーターデータ管理システムをワンストップで提供する。「電力検針業務や電力の見える化、HEMS連携制御などのBルート活用とともに、IoT戦略を推進していきます」と齋藤氏は述べた。

※HEMS:Home Energy Management System

岡田 晋介 氏
株式会社インターネットイニシアティブ
クラウド本部 エンタープライズソリューション1部
ビッグデータソリューション課 課長
岡田 晋介

IoTのネットワーク接続から
マネジメント、機器まで提供

 続いて、IIJの岡田晋介氏は「IIJ IoTサービス」のサービス内容などを紹介した。サービスメニューはコネクティビティー、プラットフォーム、機器の三つに大別される。コネクティビティーでは低コスト・高品質なモバイル接続や、専有型のプライベートモバイル接続、企業システムとのVPN閉域接続などのエンタープライズ接続、クラウド間を閉域接続するクラウドエクスチェンジなどを順次リリースする。

 「IIJはMVNO事業者として培ってきたモバイル網の運用ノウハウや設備を活用し、IoTに最適化されたモバイル環境と、クラウド、WAN、モバイルの全てにつながるネットワークサービスを提供できます」と岡田氏はコネクティビティーの優位性を話す。

 プラットフォームはアプリケーションやクラウドへのデータ転送を行うデータハブや、データを格納するデータストレージ、デバイスゲートウエイの監視・管理などを行うデバイスマネジメントなどの機能がある。自社開発のネットワーク機器や自動設定・集中管理などの機能をIoTプラットフォームに集結し、フルマネジメント機能を提供する。

 そして、センサーなどのデバイスを接続するIoT対応ゲートウエイ機器も独自に開発し、ラインアップを拡充しているところだ。「IoTに必要な仕組みは全てそろっています。プラグ&プレイで導入でき、低コストでIoTビジネスの可能性を試すことができます」と岡田氏は強調する。

 IIJは、今後はデータ発生源の近くで処理する自律分散型クラウド基盤や、ネットワークやクラウドを含めた制御・管理の自動化などを進めるという。また、並行してIoTビジネスやデバイスのパートナープログラムを準備していく予定だ。

IIJ IoTサービス
IIJ IoTサービス
独自技術を活かしネットワーク・クラウド・デバイス管理を融合
[画像のクリックで拡大表示]

LAN/WAN のクラウド化へと
進化するIIJ Omnibus サービス

城之内 肇 氏
株式会社インターネットイニシアティブ
ネットワーク本部 副本部長
城之内 肇

 IIJの城之内肇氏はクラウド時代のネットワークや、SDN(Software Defined Networking)/NFV(Network Function Virtualization)を基本技術にするIIJ Omnibusサービスの今後について解説した。

 まず、クラウドへ接続するネットワークには、様々なトラフィックパターンに対応する柔軟性や、LAN環境と同等以上の高い可用性、ネットワークレイヤーでのアクセス制御など高い機密性、最適なコストパフォーマンスが重要になるという。そして、これらの要件を満たすには、「クラウドと協調するネットワークが必要であり、これがネットワークのクラウド化です」と城之内氏は述べる。

 ネットワークのクラウド化を具現化したのが、「IIJ Omnibusサービス」だ。企業のネットワークに必要な機能を仮想化し、オンデマンドで提供するクラウド型ネットワークサービスである。ルーターやVPN装置、ファイアウォールなどの専用機器を自社で所有することなく、必要なときに必要な機能を利用でき、ネットワーク運用の負荷やコストを軽減できる。また、専用のオンラインポータルからサービスの契約、設定、運用管理が行えるといった特長があり、2015年9月のリリース以降、多くの企業に導入されている。

 IIJ Omnibusサービスでは、企業のプライベートネットワークの核となるNPS(Network Processing System)を用意。インターネットアクセスやメールセキュリティ、Webセキュリティなどの機能をモジュールとしてオンデマンドで利用できるほか、NPS間をつないで企業専用のプライベートネットワークを構成することも可能だ。

SD-LANとSD-WANで
仮想ネットワークを構成

 そして、城之内氏は今後のIIJ Omnibusサービスについて言及した。「企業のLANまで含めてクラウド化するSD-LANと、WANを発展させて自由なネットワークを構成するSD-WANの実現に向け、サービス開発に取り組んでいます」(城之内氏)。

 SD-LANの場合、アクセス時にIIJ IDと連携してユーザーや端末を認証するキャプティブポータルをNPS上に配置。不正アクセスを排除するほか、LAN内部から仮想ネットワークへの自動接続と通信制御が行える。

 また、SD-WANは、WAN上に部署ごとの仮想ネットワークを設けたり、SD-LAN とSD-WANの情報に基づいてユーザーや端末に適切なリソースを振り分けたりするなど、ネットワークレイヤーでのアクセス制御も可能になる。IIJではSD-LANおよびSD-WANのアダプタやモジュールを順次リリースする予定だ。「SD-LANとSD-WANによる仮想ネットワーク構成など、進化するIIJ Omnibusサービスにご期待ください」と城之内氏は来場者に呼びかけた。

IIJ Omnibusが実現するSD-LAN/SD-WAN
IIJ Omnibusが実現するSD-LAN/SD-WAN
セキュリティの強化や柔軟な運用が可能になる
[画像のクリックで拡大表示]

パブリックとプライベートを融合し
One Cloudを実現するIIJ GIO

神谷 修 氏
株式会社インターネットイニシアティブ
クラウド本部 サービス企画部 部長
神谷 修

 IIJの神谷修氏は、IIJ GIOサービスの概況とクラウド活用例を解説した。IIJでは「One Cloud」のコンセプトの下、パブリッククラウドとプライベートクラウドの融合をはじめ、ネットワークやセキュリティに必要な機能の提供、企業のオンプレミスや他社のクラウドを含めたリソースの連携と統合的なコントロールを可能にするサービスを推進してきた。

 その核となるのが「IIJ GIOインフラストラクチャーP2」だ。高品質で多種多様なラインアップから選択できるパブリックリソース、パブリッククラウド並みの俊敏性と柔軟性を備えたプライベートリソース、NFS/CIFSサーバーによるストレージリソースの三つのサービスコンポーネントから構成される。「IIJ GIOインフラストラクチャーP2は、2015年11月のサービス開始以来、堅調に企業の採用が進んでいます」と神谷氏は手応えを話す。

サービス統合基盤となる
One Cloudの発展モデル

 ネットサービス事業者への導入事例では、IIJ GIO P2パブリックリソースとIIJ GIOコンテンツアクセラレーションを組み合わせて導入するケースも多いという。「P2パブリックリソースは性能面、課金体系で幅広い選択肢があります。ビジネス状況に応じてリソースを柔軟に追加・変更できるほか、バースト的に発生する大量トラフィックにも対応でき、コスト削減につながることが評価されています」と神谷氏。

 また、業務・基幹系システムではSAPや他のERPの基盤として、IIJ GIO P2プライベートリソースを活用する例は少なくない。オンプレミス環境から短期間で移行できることや、SAP HANAなど新技術の実証環境を低コストに利用できるといったメリットがある。

 このほか、ビッグデータ/IoT、パブリックとプライベートの混在利用、マルチクラウドなど様々な用途でIIJ GIOインフラストラクチャーP2が活用されている。「クラウドだけでなく、IIJのネットワーク・セキュリティサービスや他社クラウドサービスを併用するケースも増えています。One Cloudの発展モデルとして、お客様の利用シーンに応じて、各種サービス機能を組み合わせて付加価値の高いサービスを提供していきたいです」(神谷氏)。

 そのモデルを実現する一つが、先に紹介したIoTである。IIJではGIO P2、Omnibus、IoTサービスなどを通じ、企業のクラウド活用と新たなビジネス創出を強力にサポートしていく。

One Cloudの発展モデル例
One Cloudの発展モデル例
利用シーンに応じて必要機能を組み合わせ、新たなサービス/ソリューションを提供
[画像のクリックで拡大表示]

本記事で取り上げた講演資料のダウンロードはこちらから

Lead Initiativeは名古屋・福岡・大阪でも開催

Lead Initiative 2016 名古屋・福岡・大阪
~IoT×One Cloudが導くデジタルイノベーション~

お申し込みはIIJイベントページから
http://www.iij.ad.jp/news/seminar/

お問い合わせ
  • 株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)

    TEL:03-5205-4981

    URL:http://www.iij.ad.jp/

    メールでのお問い合わせはこちら