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注目!新世代のクラウドがもたらすメリット

1971年の創業からBPOサービスを展開、ソフトウエアの設計・開発から運用・監視に至る一連のIT技術を磨き、現在はデータセンター事業やクラウド事業に注力している「アイネット」。同社では自社で提供するクラウドサービスの基盤に、ヴイエムウェアが提唱する「Software-Defined Data Center(SDDC)」アーキテクチャーを全面的に採用するという先進的な取り組みを実施。SDDCがもたらす運用管理面やセキュリティ面、性能面でのメリットを最大限に生かし、ITシステム構築のさらなるアジリティー(俊敏性)の提供など、サービス品質の向上につなげている。

サーバーリソースにとどまらない
インフラ全体の仮想化が求められる

 既に多くの企業で採用されているサーバー仮想化。今日では、クラウドコンピューティング環境を支える基盤技術としても不可欠なものとなっている。

 「サーバー仮想化により、CPUやメモリーといったリソースはプール化され、スピーディーに活用できる環境になっています。しかしながら、ネットワークやストレージは、いまだに物理機器が人手ベースで運用されているのが現状です」とヴイエムウェアの桂島航氏は指摘する。

 事実、仮想環境のサーバーリソースについては、物理機器の設定を変更することなく、必要な仮想マシンの調達が即座に行える。一方、ネットワークやストレージリソースに関しては、別途、サービスを提供するプロバイダーや管理者に申請を行い、機器の増設や設定変更を数日かけて行う運用が一般的である。要するに、ネットワークやストレージが足かせとなって、仮想化したことで得られるサーバーリソース調達のスピード感が損なわれてしまっているのだ。

ヴイエムウェア株式会社
チーフエバンジェリスト
桂島 航(わたる) 氏

 こうした問題の解消に向けて最近大きな注目を集めているのが、ヴイエムウェアが提唱する「Software-Defined Data Center(SDDC)」という考え方だ。「SDDCでは、サーバーのみならず、ネットワークやストレージを含むITインフラ全体を仮想化します。仮想的なサーバー/ネットワーク/ストレージを自動的にプロビジョニングできるようになるので、ユーザーが必要とするシステムを迅速かつ柔軟に構成することが可能です。併せて、システム全体を一元的に管理できるメリットもあります」と桂島氏は紹介する。

 ヴイエムウェアでは早くからこの領域に取り組み、CPUやメモリーなどのコンピューティングリソースを仮想化する「VMware vSphere」に加え、ネットワークの仮想化を実現する「VMware NSX」、およびストレージ仮想化のための「VMware Virtual SAN」といった一連のソリューションを整備してきた。そうしたヴイエムウェアが提唱するSDDCの実現にかかわる技術、製品群を業界に先駆けて採用しているのが、企業向けクラウドサービス「Dream Cloud」を提供するアイネットだ。

ヴイエムウェアのSDDCアーキテクチャーの全面採用で
運用管理面、性能面に多大な成果

 Dream Cloudは、2009年に開始された「EASY Cloud」を中核サービスとしている。EASY Cloudは、主にエンタープライズレベルの企業の基幹業務システムを支えるリソースプール型のクラウド基盤サービス(IaaS/PaaS)だ。以来、同社が国内3カ所に展開しているデータセンターを活用して、石油・エネルギー、金融、製造、小売・流通、自治体や公共機関など、あらゆる分野の顧客のシステム運用を支えてきた。

 「EASY Cloudは開始以来6年が経ち、基盤となるアーキテクチャーの高度化を検討していました。さらに、お客様の求めるビジネス変革のスピードがますます早くなり、システム側でそれに追随していくためのさらなるアジリティーをいかに提供していくかが重要なテーマとして浮上していたのです」とアイネットの高橋信久氏は説明する。

株式会社アイネット
クラウドサービス事業部
プロダクトマーケティング部
部長
高橋 信久 氏

 そしてアイネットでは「VMware vSphere 6」などヴイエムウェアの最新のテクノロジーで構成するSDDCアーキテクチャーを活用してEASY Cloudを刷新することを決断した。「ヴイエムウェアは仮想化技術の世界ではデファクトスタンダードといえる存在であり、そのSDDCという考え方や今後に向けたビジョン、ロードマップといったものが、当社としても大いに共感できるものでした。そうしたことからヴイエムウェアが提唱するSDDCの実現にチャレンジすることにしました」(高橋氏)。

 アイネットではEASY CloudをヴイエムウェアのSDDCアーキテクチャーによってリニューアルした「Next Generation EASY Cloud」(以下、NGEC)を、2015年11月にリリースした。

 SDDCアーキテクチャーの採用が、同社のクラウドサービスにもたらしたベネフィットは、実に絶大なものだった。

 従来のEASY Cloudのネットワークとストレージは、物理機器を設定によってシェアしていた。そのため、ユーザーがリソースを追加したいというケースはもちろん、例えばファイアウォールの特定ポートを閉めたいといった要求に対しても、必ずアイネットの担当者による作業が介在し、相応の時間がかかっていた。「NGECでは、お客様自身がポータル画面からリソースの調達や設定の変更を行い、5~10分程度で必要なシステムを速やかに利用できます」と高橋氏はメリットを語る。

 もちろん、SDDCによって実現されるシステム運用の自動化は、サービスを提供する側のアイネットの作業負荷軽減にもつながっている。同社のサービス提供にかかわるインフラの運用管理コストは約4分の1に削減され、ひいてはそれが顧客に向けたサービス料金の低廉化にもつながっている。

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DaaSの基盤にもNGECを活用
厳密なセキュリティの担保に貢献

 処理がソフトウエア化されることについて、性能を懸念するユーザーもいるという。こうした声に対して、桂島氏は次のように話す。「SDDCでは各ホストのハイパーバイザーでネットワーク/ストレージ処理を分散して行うため、スケールアウトによる性能向上が容易に実現できます。物理機器の処理能力がボトルネックになるようなことがなく、むしろシステム全体の性能は大きく向上します」。

 アイネットではこうしたSDDCの提供する価値を、同社が2011年から提供してきた仮想デスクトップサービス「VIDAAS」の領域にも適用を拡大。「VMware Horizon」ファミリーをベースとした新たなサービスを「VIDAAS by Horizon View」および「VIDAAS by Horizon DaaS」としてラインアップに加えた。その最大の特徴として挙げられるのが、エンタープライズレベルの厳格なセキュリティの担保を実現していることだ。

 一例を挙げるなら、仮想デスクトップ環境では、あるユーザーがウイルスに感染してしまった場合、仮想環境内、さらにはデータセンター内に感染が広がってしまうことも懸念される。しかし、「ヴイエムウェアのSDDCを採用したNGEC環境なら、全てのハイパーバイザーにVMware NSXによる分散ファイアウォール機能が実装されているため、個々の仮想マシンからのアクセスを常にファイアウォール経由で行うことも、容易に実現できます」と高橋氏はVIDAASの仮想デスクトップサービス基盤にNGECを活用することのメリットを説明する。また、万が一感染してしまった場合も、新たなVIDAASなら、その仮想デスクトップのみネットワークから分離することが容易にできる。

 以上のようにアイネットでは、クラウド事業者として業界に先駆け、ヴイエムウェアの最新技術を活用したサービスのSDDC化を実現している。これは、クラウドサービス業界において、まさにエポックメーキングなものだ。さらに高橋氏は、NGECの今後について次のように抱負を語る。「当社では既に、NGEC上で2万インスタンスを超えるDockerコンテナを商用環境として運用しています。このようなクラウドネイティブなアプリケーションに最適化したVMware Photon Platformの採用も視野に入れて、お客様のあらゆるアプリケーションもクラウドに積極的に移行できるように支援していきます」。アイネットでは運用管理面を中心にSDDCの様々な成果を享受しながら、それを顧客に向けた利便性やサービス品質のさらなる向上につなげている。

◆「Dream Cloud Seminar 2016」

 アイネットが主催する「Dream Cloud Seminar 2016」では、クラウドサービス「Dream Cloud」の先進的な取り組みや、第三のプラットフォームとして稼働を開始した次世代クラウドサービス「Next Generation EASY Cloud」、5月にリリースされたばかりの仮想デスクトップサービス「VIDAAS」の新ラインアップ、ユーザー様の導入事例などを紹介する。安全性に優れた最新ITインフラへの理解と新たなクラウドサービスのベネフィット、柔軟性、俊敏性、セキュリティ性といったクラウドによるビジネス拡大の可能性が体感できる。

 また、併催イベントとして、ヴイエムウェアによる「VMware Business Mobility Seminar」を開催。2016年3月1日に目黒雅叙園で開催された「VMware Conference 2016 Spring」の人気3セッションのアンコールセミナーとなる。

  • I-NET Dream Cloud Seminar 2016
    (併催:VMware Business Mobility Seminar)
  • 開催日:2016年7月5日(火)
  • 会 場:東京ミッドタウン ホール&カンファレンス ホールA & B
  • 参加費:無料

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