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認証印刷の先へ 紙からの情報漏洩を防止

  • 第1回 印刷の内容を抽出し検閲・監査を実施 認証印刷では防ぎきれない情報漏洩を抑止
  • 第2回 各種センサーと連携して映像を配信 情報伝達の基盤となる統合監視映像システム

情報漏洩の観点からは、プリンターからの出力にも注意が必要だ。そのため、プリンターの利用時にICカードなどで認証印刷する企業は多い。だが、それだけでは十分とは言えない。日本テクノ・ラボのセキュア・プリント・ソリューション「SPSE」は、印刷内容のテキスト抽出とイメージ抽出による検閲と監査が行える。これにより、印刷物からの情報漏洩を抑止。既に大手金融機関や自治体などでの導入が進んでいる。

情報漏洩対策として認証印刷では不十分

日本テクノ・ラボ株式会社
取締役
情報セキュリティユニット開発部長
小長谷 岳人

 日本テクノ・ラボは、1989年に創業されたソフトウエア開発会社だ。産業用プリンターのコントローラーなど、制御システムソフトウエアの開発・販売を行うイメージング&プリンターコントローラ事業をはじめ、印刷物からの情報漏洩を抑止するセキュア・プリント・システムなどの情報セキュリティ事業、ネットワーク遠隔監視ソフトウエアなどの映像セキュリティ事業、アーカイブのソフトウエアを扱うストレージ事業など幅広いソリューションを展開している。

 中でも、情報漏洩対策に敏感な企業や自治体の導入が加速しているのが、セキュア・プリント・ソリューション「SPSE」だ。情報漏洩の原因として、紙の紛失や持ち出しが多いことはよく知られている。ある調査では、紙媒体による情報漏洩件数が6割以上と最も多く、この傾向は何年も続いている。

 企業や自治体では情報漏洩対策として、パソコンに挿入するUSBデバイスなどの使用禁止やシステムへのアクセス制限など様々なセキュリティ対策を講じている。一方、プリンターのセキュリティ対策として、印刷時にICカードなどで認証する「認証印刷」を導入する企業は多い。

 認証印刷は、印刷物の放置や取り間違えがなくなる、ユーザー認証システムと連携して権限外のユーザーの印刷操作を制限するといった効果はある。だが、印刷後に個人情報や機密情報が含まれる印刷物を紛失したり、デスクに放置して盗まれたりするといったリスクに対応できないのが実情だ。「つまり、認証印刷だけでは不十分なのです」と日本テクノ・ラボの小長谷岳人氏は指摘する。

印刷物のテキストとイメージを抽出しキーワードで高速検索

 「当社が開発した『SPSE』は、これまでの印刷物のセキュリティ対策の課題を解決し、他社の類似製品と一線を画す特徴を備えています」と小長谷氏は話す。

 その特徴の一つは、SPSEで制御されるプリンターのあらゆる印刷物の内容を検閲・監査できることだ。いつ、だれが、どのような内容を印刷したのか、リアルタイムに把握できる。

SPSEシステム構成図
印刷内容をリアルタイムに把握できる

 具体的には、印刷内容のテキストおよび印刷物のイメージを抽出し、一元的なログ収集・管理・検閲・監査が行える。「印刷内容の抽出にはOCRを使わず、印刷時にOSレベルで印刷情報を取り出します。ワープロソフトや表計算ソフトで作成されたドキュメントの印刷物はもちろん、PDFドキュメントの印刷データの中身の抽出も可能です」(小長谷氏)。

 抽出した全てのテキストデータは、独自のインデックスエンジンで解析処理後、サーバー上に保管される。管理者は、オプションのログ検索ツール「SPSE SCOPE」を使ってPC画面上で印刷イメージを確認したり、印刷済みのデータの中身を任意のキーワードで検索、追跡したりすることができる。指定したキーワードに、ユーザー名やクライアントPCホスト名、出力プリンター、日時などの条件を加えて絞り込み検索することも可能だ。

 また、管理者があらかじめ禁止キーワードを設定すれば、その語句が含まれるドキュメントの印刷停止や、管理者への自動通知もできる。「例えば、新製品の開発コードや、会員番号などをキーワードに印刷を制限し、情報漏洩を抑止できます」(小長谷氏)。

SPSE SCOPE の画面例
印刷した文章の検索が高速に行える

あらゆるプリンターに対応し、品質と安定性の高い印刷環境を実現

 次の特徴として、SPSEはプリンターメーカーの純正プリンタードライバーに対応していることが挙げられる。プリンターのメーカーや機種に依存せず、既存のプリンター環境にそのまま導入できるため、投資コストを抑えながら印刷物のセキュリティ強化が可能だ。

 純正ドライバーを使用することで、印刷時の文字化けや帳票類の罫線抜けといった印刷トラブルが回避できる。印刷スピードも落ちない。「この点は、他社製品と比較したときの大きなアドバンテージです」と小長谷氏は胸を張る。

 日本テクノ・ラボは30年近くにわたりプリンターの制御システムを開発し、国内外のほぼ全てのプリンターメーカーと付き合いがある。「そのため、プリンターのエンジンやドライバーを熟知し、各メーカーのドライバーをそのまま使って制御する仕組みの開発など、プリンターの使い勝手を変えることなくセキュリティを強化するソリューションを提供できるのです」と小長谷氏は同社の優位性を説明する。

 SPSEは、セキュアかつ大量の印刷が要求される大手銀行や証券会社、クレジットカード会社などの金融分野をはじめ、自動車や食品、通信、学校、官公庁、自治体など様々な分野で導入が進み、ユーザー数は30万以上になる。例えば、ある銀行では全国で約6万人のユーザー数に対し、6台のSPSEサーバーで年間数億ページの印刷を一括管理し、SPSE SCOPEを利用して印刷物の内容の検閲と監査を実施している。こうした大規模な導入でも24時間・365日の安定稼働を実現し、ユーザーのプリンター操作手順を変えることなく大量の印刷ジョブを処理しているという。

 「様々なオプションの追加や認証システムとの連携など、企業の要件に応じてカスタマイズを行っています。今後、SPSEの多言語化や、より処理スピードを上げるパフォーマンス強化をしていく計画です」と小長谷氏は話す。さらに、大量の印刷履歴を元にプリンターの稼働状況を見える化し、コスト削減につなげるソリューションも提供していくという。

 実効性のある印刷物の情報漏洩対策に向け、認証印刷の先を行く、SPSEのセキュア・プリント・ソリューション。今後ますます、導入が加速するだろう。

第2回 各種センサーと連携して映像を配信 情報伝達の基盤となる統合監視映像システム
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