今、IT環境はモバイル、ソーシャル、ビッグデータ、クラウドを軸とした新たな時代へと進化している。ところが、出力環境を見ると、依然として一世代前のLANやクライアント/サーバーシステムに対応したページプリンターや、集約・共用型のデジタル複合機が中心で、新たな環境とのミスマッチが生まれている。従来の複合機は、大きくて、機構が複雑、価格も高くて、高機能で集約化されている。そのため、1台への負荷が大きく、トラブルが起こると、保守するサービスマンが直すまで業務が止まってしまう。どのメーカーも消耗品と保守費用が組み込まれたカウンター方式で、大差なくメーカーに依存した形の使い方になっている。
「今までの複合機で一番大きな問題は導入にせよ管理運用にせよ、費用がかかり過ぎるところです。例えば、企業では同じようなスペックの複合機を何台も導入していますが、サブ機はシンプルな機能でもいいはずです。また、複合機の故障が頻発して管理運用コストがかさむこともあります。カウンター方式のコピー機は昔から使っているので、当たり前のように導入するのですが、精査するとかなりのコストがかかっているのです」とOKIデータの栗本清氏は語る。
OKIデータではコンパクトで機構が簡単、低コスト構造のカラーLED複合機を提供している。カラーLED複合機は、ヘッド部にLED光源を採用したもので、レーザー方式よりも内部構造をシンプルにできるメリットがある。そして、そのカラーLED複合機と組み合わせられるのが、画期的なサービスを付帯させた「COREFIDO」シリーズだ。
OKIデータでは2008年に業界で初めて、本体修理を5年間無償で行い修理費用を削減するサービスを開始した。その後、定着器、転写ベルト・ローラーといったメンテナンス品も5年間無償で提供する「COREFIDO2」、誰でもメンテナンスできるメンテナンスバリアフリー設計と、クラウド経由で機器の状況を把握可能なクラウドメンテナンスプラットフォームでトラブルによるダウンタイムを短くする「COREFIDO3」とサービスを拡大。この7月からは、それらに加えて、本体に5年相当分の消耗品をお届けするサービス「消耗品バリューサービス」を付帯させた「COREFIDO3S」を発表した。これによって、複合機本体の5年間無償補償と定着器、転写ベルト・ローラーのメンテナンス品の無償提供に加えて、トナーカートリッジとイメージドラムの消耗品が5年相当分、タイムリーに提供される(上限あり)。COREFIDO3Sは、現時点ではA3カラーLED複合機「MC883dnwvバリューS/M/L/XLタイプ」が対応機種として発売されている。
「私たちは、プリンター/複合機の運用管理はメーカーのサービスマンがやるものから、ユーザー自身でもできる形に転換することで、コスト低減とダウンタイムの少ない高いパフォーマンスを実現させるという新たな提案をします」とOKIデータの森孝廣氏は語る。OKIデータの複合機は買取方式でありながらビジネス品質で、セルフメンテナンスが可能なユーザー自律(DIY)型複合機ということだ。
COREFIDO3Sは消耗品買取方式と比べて、さらに費用を減らすことができ、大幅なTCO削減が可能になる。消耗品バリューサービスは、消耗品の上限本数に合わせて、S、M、L、XLの四つのタイプを用意しており、出力枚数に合わせたムダのないタイプを選ぶことで、複合機の運用コストを軽減する。
「COREFIDO3Sは、印刷枚数が多く、月ごとの印刷量格差が多い企業(特に中小企業)に向いています。導入にあたっては、OKIデータホームページのシミュレーター(http://www9.okidata.co.jp/cf3s_simulation/)を使って、実際の使用状況からシミュレーションを行い、最適なタイプを決められます」(栗本氏)。その上で、購入は一括での購入か、5年間、毎月定額のリース契約のどちらでも選ぶことができる。リース契約(※)にすれば、カウンターチャージのように、使用枚数の増減による月ごとのコストのバラツキが生じることなく、フラットになる。そのため、毎月の予算管理はもちろんのこと、期初の予算編成もしやすく、担当者の手間も減る。「学校などの教育機関は年間の予算が決まっているので、プリンターや複合機が突然壊れて、修理しなければならない時には予算を確保するのが大変です。そんな時でも、COREFIDOは5年間無償で修理、メンテナンス品も提供するので、突発的なコストも発生しません」(森氏)。
運用中は、消耗品は常に1本予備でストックされていて、交換時期が近づくと、複合機が自動で消耗品申込書を出力する。それに必要事項を記入して、ファクスまたはEメールで送れば、OKIデータから直接、消耗品が届くようになっている。
※OKIデータはリースサービスを提供していないのので、ユーザーがリース会社と契約することになる。
さらに、OKIデータでは、プリンター感覚で導入できるファクスなしのA3カラーLED複合機「MC843dnwv/MC843dnw」を発売した。MC843dnwvは3段の増設トレイユニットが標準装備されている。
MC843dnwv/MC843dnwは、「ファクスは使わない、別でよい。その分コストは抑えめに」という要望に応え、コンパクト設計、無線LAN標準搭載で設置場所を選ばない。大学の研究室や学校のプリンターからの置き換え、税理会計事務所などでの繁忙期用の2台目、トラブルを避けるために、ファクス受信とプリントを別々の機器で運用している企業など、“ファクスなし”という要望はかなり多く存在しているという。「そうしたニーズに応えて商品化したもので、大学生協、大手量販店、ECサイト、SIerなどでも販売されており、出足は好調です」(栗本氏)。
COREFIDO3も5年間無償保証、メンテナンス品5年間無償提供に対応している。
OKIデータでは今後、COREFIDO3SとMC843dnwv/MC843dnwを柱に、中小企業、医療・文教市場へと顧客層をさらに拡大し、A3複合機市場での持続的な成長を図っていく考えだ。
A3カラーLED複合機 MC883/MC863/MC843シリーズ 資料請求フォーム
https://www5.okidata.co.jp/JSHIS292.nsf/np_question?OpenForm