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“Data Centric Cloud”によるITインフラの変革が今求められる

“データ爆発”によるパラダイムシフトが進む中、今日の企業においては、データを軸に顧客やあらゆるビジネス活動を捉えていくことが求められている。そうした要請に応えるITインフラのあり方として、IDCフロンティアが提唱しているのが「データをいかに活用しやすくするか」に力点を置いた“Data Centric Cloud”というプラットフォームのコンセプトだ。

“サーバーセンター”ではなく
真の“データセンター”へ

IDCフロンティア代表取締役社長/石田誠司氏

 「IoT」や「ビッグデータ」といった言葉がキーワードとして取りざたされる昨今、ビジネスにおいては「データ」を中心にものごとを考えることが不可欠となっている。そうした状況下で、IDCフロンティアが提唱しているのが「Data Centric Cloud」というコンセプトだ。「今日のデータセンターはサーバーを預かったり、サーバーリソースを切り売りしたりといった役割に終始する“サーバーセンター”に過ぎない。真のデータセンターは“データ集積地”として、自在にデータをハンドリングできるものでなければならないというのが我々の考えです」とIDCフロンティアの石田誠司氏は語る。そうしたデータ集積地としての役割を果たすプラットフォームこそが、Data Centric Cloudにほかならない。

「インフラのデザイン」から
「ビジネスのデザイン」へ

 データセンター事業者として長い歴史を刻んできたIDCフロンティアでは、国内におけるクラウド黎明期の2009年6月、業界に先駆けてクラウドサービスの提供を開始。特に2014年10月に登場した「IDCFクラウド」は、堅牢なデータセンターをベースに「使いやすく、パワフル」なコンセプトと高速なサイクルでの機能拡張によりユーザーから高い支持を獲得。今日までにそのユーザー数が1万3000アカウントを突破するなど急成長を遂げてきた。そして今まさに、IoT、ビッグデータの時代を迎え、我々の社会において“データ爆発”によるパラダイムシフトが進む中で、同社データセンターおよびクラウドサービスは、Data Centric Cloudを具現化する基盤へと進化を遂げている。

 一方で、IDCフロンティアではIoT、ビッグデータの時代を見据えた取り組みとして、九州工業大学との間で産学連携による介護分野での共同研究を実施。具体的には、介護職員にセンサーを取り付けて、その作業の動線を明らかにするというプロジェクトを展開。2025年までに35.5万人の介護職員が不足すると言われるなか、IoTとビッグデータ、そしてディープラーニングの技術を駆使することで、効率的に作業するベテラン職員の動線をモデルとして明確化し、新人職員などに作業のベストプラクティスを示すのがねらいだ。

 「今、我々に求められているのは、『インフラのデザイン』から『ビジネスのデザイン』への変革。要素技術ではなく、現場に密着したビジネスの視点に立ちビジネスの駆動に寄与するデータ集積地となるインフラを整備し、プラットフォームを構築していくことが求められているのです」(石田氏)

ヨコの広がりとタテの深まりで
描かれるデータ集積地の世界観

 IDCフロンティアではデータ集積地の世界観を、“ヨコ”の広がりと“タテ”の深まりという観点で捉えている。ヨコの広がりに関しては、同社のデータセンターを利用する互いに異なる業種の顧客各社が保有するデータを突合することで、新たなビジネス上の価値創出が目指されることになる。


データ集積地の世界観
ヨコの広がりとは異なる業種間で保有するデータから個人情報などを除いた部分を突合し、新たな価値創出を目指すこと。タテは収集したデータをディープラーニングの技術などを駆使し、分析や活用していくこと。
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 例えば、デイトレーダーの男性がいたとする。一般的には、この男性を「デイトレーダー」という属性に着目して、どういう株式銘柄を好むのかなど、金融行動にかかわる分析がなされる。しかし異業種間のデータを“ヨコ”の広がりのなかで突合すると、「デイトレーダー」の「男性」は「トイレットペーパーを大量に買う」という傾向が見えてくるといったことも考えられる。またそこからは逆に「トイレットペーパーを大量に買う」「男性」は「デイトレーダー」である可能性が高いといった仮説も成り立ち得る。

 「そうするとトイレットペーパーを大量に買う男性に対して、デイトレーダーが興味を示す広告をWebサイトなどを通じて打てば効果的ではないかという洞察が得られる。クラウド基盤を介したクロスインダストリーでの統合的なデータ活用は、こうしたかたちでプロファイリングや未来予測に役立てていけるものとなります」(石田氏)

 一方の“タテ”の深まりだが、こちらは既に述べた九州工業大学との介護分野での共同研究で示されるような、IoTによって収集したデータを、クレンジングし、ディープラーニングの技術などを駆使して、分析/学習/表示/活用していくことを意味する。「つまりデータの集積地となるプラットフォームには、データを集めて蓄積するだけでなく、リアルタイムに解析するための仕組みも不可欠。当然、そこでは膨大なパワーの計算能力が求められることになります」と石田氏は言う。

 これに対しIDCフロンティアでは、ディープラーニングのためのプラットフォームを構成するコンポーネントとなる、GPU(グラフィック処理ユニット)アクセラレータ「Tesla M40」を搭載したサーバーリソースを提供するサービスをIDCFクラウドにラインナップ。ユーザーは初期費用なし、1時間400円という低廉な料金で同サービスを利用できる。「当社が実施したベンチマークによれば、レンダリング処理などに用いられるGPUの利用により、CPUの並列処理に比べて20倍ものパフォーマンスが得られるという結果が出ています」と石田氏は紹介する。


データ集積地を担うプラットフォーム新設計
IDCフロンティアが提唱するData Centric Cloudは、データ利用を重視し、様々なプラットフォームがシームレスにつながるという新しいコンセプトに基づいて構築されたものだ。
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 これまでのリソース拡張性重視のトラディショナルなクラウドから、データ利用を重視し様々なプラットフォームがシームレスにつながるData Centric Cloudという新しいコンセプトの導入とそれに基づくインフラの構築が切実に望まれている。「そうした時代に求められる先進のクラウドサービス、データセンター基盤を提供し続けるIDCフロンティアに今後もぜひご注目ください」と石田氏は語り、セッションを締めくくった。

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