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インバウンド・ジャパン2017 総論

「インバウンド・ジャパン2017」の展示会場では、120の企業・団体が出展し、訪日外国人観光客を呼び寄せるためのシステム、マーケティング、支援サービス、インフラなどが数多く紹介されていた。

航空大手も地域活性化に注力

 日本航空(JAL)では、観光開発やインバウンドプロモーションの事業を紹介していた。航空会社の“地の利”を生かして海外向けのインバウンド・プロモーションサイト、そして日本政府観光局と欧州の航空会社との共同による観光を促進する共同キャンペーン。さらに地方創生や東北の災害復興へ向けた事業などである。講演の中でも紹介された「東北における防災学習と観光」も含めて、ミニセミナーも開催し、多くの参加者でにぎわっていた。

 全日本空輸(ANA)は、インバウンドを地方創生に結び付ける事業をアピールしていた。訪日外国人向けに、全国47都道府県全てを順に紹介していく事業「Tastes of JAPAN by ANA」。他にも、訪日外国人向け特別運賃、「温泉」にフォーカスした新しい旅の形「ONSEN・ガストロノミーツーリズム」のイベントバックアップ、スマホアプリと専用カードリーダーを使った決済ソリューションシステム「mPOS」などの取り組みを出展していた。

 農林中央金庫、同じJAグループの旅行会社・農協観光、そして料理教室を運営するABCクッキングスタジオ、旅行予約サイト「じゃらんnet」を提供するリクルートライフスタイルは、共同事業を「“食農”グリーンツーリズム」と題したブースで紹介していた。「食」と「農」に特化したグリーンツーリズムを企画し、いわゆる“コト消費”のひとつとして、各地域が持つ食の魅力を、訪日外国人に「料理体験」してもらう旅行企画の提供である。

 新浪日本微博は、中国で最大級のSNSサイト「微博」を運営している新浪微博の日本法人。微博は、動画ライブチャットが人気で、同サイトを広告メディアとして日本に売り込む。訪日中国人向けに、活用することで効果的な誘導をかけることができる。

 外国人観光客が訪れた町の情報を手軽にWeb で入手できるようにしたいと観光協会や自治体は考えるが、多言語の見やすいWeb ページを作るのは容易ではない。イーウィルジャパンは、事前に登録しておけば、担当者がfacebookやYoutubeに投稿するだけで、PC向けやスマホ向けに最適化され、しかも日本語、英語、中国語(簡体字・繁体字)、韓国語に自動翻訳されて表示されるサービスを用意している。

 外国人旅行者が予約をしたり、電話で問い合わせたりするのに、これを受ける企業側のカスタマーサービスの品質が問われるようになってきた。日本オラクルでは訪日外国人向けのカスタマーサービスを支援し、従業員の対応力を強化するのに「Oracle Service Cloud」が有効であることを訴求した。FAQの充実、ナレッジ検索が電話応対の回答品質を向上させる。AI(人工知能)を使ったナレッジ管理が行われている。他にもデジタル・マーケティングのクラウドサービス「Oracle Marketing Cloud」も紹介していた。

越境ECを支援する決済ソリューション

 訪日観光客向けにWi-Fi 環境を整備する必要があるといわれており、西日本電信電話ではこれを支援するためのサービスを出展した。さらに、多言語対応の観光コンシェルジュ、多種カード決済「フレッツ・スマートペイ」、旅行者への情報配信、Wi-Fiのログを分析することで観光動線を可視化するサービスなどを紹介した。

 eBayはもともとインターネット・オークションの会社であるが、イーベイ・ジャパンは地方の地元企業や個人商店が、世界中の消費者向けにネット通販するための有効なプラットフォームを提供できることを訴求していた。特長は登録が簡単であること、PayPalとの連携で決済がスムーズであること。

 他にも、各社から越境ECや決済サービスのソリューションの出展があり、中国最大の決済サービス「Alipay」の加盟店向けのソリューションなどが目を引いた。 ヤマト運輸は、全国に4000カ所ある配送センターと、主要な空港と駅にある「手ぶら観光」拠点を活用することで、外国人旅行者の手荷物の配達を支援するソリューションを出展した。顧客情報とホテル情報をWebで登録するだけで、QRコードが発行され、あとはQRコードだけで手荷物の発送や受け取りができる。これまで手間だった伝票の記入が不要になったことをアピール。旅行会社と組んでトライアルを行っていくという。