建設活況の今こそ着手しておきたい 設計業務を“効率化”するための具体策

「本当の業務効率化」を実現するために必要な視点とは

国内の建設投資額は、1992年度の84兆円をピークに減少傾向が続いている。2010年度にはピーク時の約半分にまで減少したが、ここ数年は、建設業界に活気がよみがえっている。その背景にあるのが、東日本大震災の復興需要や、東京オリンピック・パラリンピック開催に向けた建設需要、消費税増税に伴う個人向け住宅の駆け込み需要などであり、この傾向は今後数年は続くだろう。

これに伴い、建設業界で顕在化しているのが人手不足の問題だ。この問題を乗り切るために業務の効率化を進めようと、フリーのCADツールなどを活用し、設計図面の作成・修正業務の改革に取り組む設計事務所や建築会社、工務店なども多いだろう。

しかし、業務効率化をさらに推進するには、図面作成以外の領域にも目を向ける必要があり、フリーのCADツールでは、十分な効果を得られないケースもあるのが実情だ。

まず、建築設計ではチームで業務を行うことが多く、図面共有による情報伝達の効率化、レビュープロセスの効率化などが欠かせない。

また、設計の手戻りをできるだけ少なくするには、施主とのイメージ共有や意思疎通の方法を見直すことも重要だ。ほとんどの施主は2次元の図面に慣れていないため、設計図面を見せるだけでは正確なイメージを伝えることが難しい。できるかぎり3次元の形で設計内容を提示し、施主がイメージしやすい形で情報を提示する必要があるといえる。

さらに、施工現場とのコミュニケーション円滑化も重要だ。設計図面通りに工事が進んでいるのかを迅速に確認しつつ、設計変更が生じた場合にはその内容も迅速に伝達しなければ、業務の効率化は進まないだろう。

これらの課題をクリアするには、チームでの設計業務を効率化し、かつ3次元の表現なども可能なCADツールの活用が必要になるが、現在の活況がいつまで続くかわからない中、大きな投資をするのは不安だという経営者も多いはずだ。

こうしたジレンマを解消するには、どんな方法が考えられるだろうか。

※ 出典:国土交通省「平成27年度 建設投資見通し」2015年10月

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