日経アーキテクチュア Special

施設の屋外木部がよみがえる~大森山動物園

年間30万人近い来園者で人気の秋田市大森山動物園。園内には木材を使用した施設が少なくないが、海に近いという立地条件もあって木部は傷みやすい。そうした環境下で維持管理に大きな役割を果たしているのが、地元の塗装業界団体によるボランティア塗装。使用しているのは、高耐久性の(水性)造膜型塗料「キシラデコールコンゾラン」である。

ボランティア塗装に使用しているのは、高耐久性の(水性)造膜型塗料「キシラデコールコンゾラン」。カンガルーの飼育ゾーンでは、木製の門柱を塗り替えた

 もう10年近く続いているという。秋田市大森山動物園でのボランティア塗装である。毎年6月、秋田中央塗装業組合の主催で園内の屋外木部を塗り替えてきた。組合長の高橋正美氏は「地域への恩返しという考えで始めました」という。

過酷な気象条件と予算の制約
施設メンテナンスに悩み

山の頂にある秋田市大森山動物園。地元の秋田中央塗装業組合に加入する塗装会社の有志が、毎年6月にボランティアで施設の木部を塗り替えている

 動物園は日本海に近い小高い山の上に立地する。「年間来園者数は30万人近く、都市人口に匹敵する規模。全国で見ても多い」と園長の小松守氏。市民の人気は高いが、一方でその人気を維持するメンテナンスには悩みを抱える。

 一つは過酷な気象条件だ。海に近いため、潮風がきつい。木立ちは傾き、「車のガラスがうっすら白くなることもあります」(小松氏)。屋外木部も、その影響を受ける。

 もう一つは限られた予算である。「改修や補修など、より大掛かりなメンテナンス工事を優先せざるを得ないため、屋外木部の塗り替えは後回しになってしまいます」。小松氏は打ち明ける。

 動物園にとってボランティア塗装の申し入れは渡りに船。ただ園内は10haを超える規模のため、塗り替えを一度では済ませられない。組合側と協議し、傷みの目立つエリア単位で塗り替えを依頼してきた。

 組合側でいま塗り替えに使用するのは、高耐久性の(水性)造膜型塗料「キシラデコールコンゾラン」。柔軟性、通気性、密着性に優れた塗膜で、屋外木部を守るのが特徴だ。防腐、防カビ、防虫効果も発揮する。

動物園内は10haを超える広さのため、毎年、塗装業組合と動物園が協議し、塗り替え対象のエリアを決めていくやり方。写真は、レッサーパンダの飼育小屋

来園者にも動物にも近い木部
塗料に求められる安全性

 高橋氏は「キシラデコールコンゾランは塗膜の密着性が高いうえに、作業性に優れ、乾きも早い。動物園内で過去に塗り替えた箇所で塗膜が剥がれることもなく、塗り替え直後の状態を保っています。前に使っていた塗料に比べ長持ちしそうです」と評価する。

 塗り替え時には、下地の処理に気を配るという。「旧塗膜を十分に落とし切らず、それが残った状態で塗り替えると、旧塗膜が剥がれたときにその上に重なる新しい塗膜も一緒に剥がれてしまいます」(高橋氏)。下地の処理が、塗り替え後の塗膜の耐久性を左右するわけだ。

秋田中央塗装業組合
組合長
高橋 正美
秋田市と男鹿市の一部地域に拠点を置く塗装会社約40社で組織する業界団体。半世紀以上の歴史を持つ
秋田市大森山動物園
園長
小松 守
獣医。1998年に園長就任。園内のリニューアルに努め、市民にそれを伝えていくことを、運営面で重視

 ボランティア塗装とはいえ下地の処理にまで気を配る丁寧な仕事ぶりに、動物園側も満足の様子だ。「木材の素材感を生かしながら、防腐効果を高めることができています。開園から40年以上経過している割にはきれいですねと言われます。園全体としてそのきれいさを塗り替えで保てるので、とても助かっています」。小松氏は喜びをそう表現する。

 屋外木部には飼育スペースを区切る柵もある。来園者にも動物にも近い箇所だけに、塗料には安全性が強く求められる。小松氏は「子どもが忌避反応を示したことも、動物が具合を悪くするような事態が起きたこともありません」と、安全性に信頼を置く。

 動物園は広く、塗り替えはまだ道半ば。ただ塗料の耐久性が高いため、段階的な塗り替えでも後戻りすることなく、全ての箇所をやり終えることができる。人を呼び寄せる集客施設に求められる「新しさ」を、キシラデコールコンゾランが時間をかけてよみがえらせている。

秋田市大森山動物園
秋田市大森山動物園
所在地/秋田市浜田字潟端154
敷地面積/約13.5ha(駐車場除く)
開設時期/1973年9月
年間来園者/約28万6000人(2015年度実績)
塗り替え時期/毎年6月
飼育動物は105種600頭。人と動物の共生という自然観に従い、来園者と動物との距離をあえて近づけている
木材保護のトータルソリューションパートナー 大阪ガスケミカル株式会社

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