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共創・イノベーション戦略会議 開催! 一橋大学大学院 楠木建氏が講演

イノベーションが起こる背景には何があるか

 競争のなかで、様々な製品やサービスが生まれてきていて、そろそろ全てのニーズが充足されてもよいのではないかと考えたことがあります。しかし、よく考えてみると、ある需要を創造し、満たすこと自体が新たな課題を作り、そこに新たなニーズが生まれるのです。ずっとそのくり返しで、ニーズが満たされることはありません。そこでイノベーションが起こるわけですが、それは新しい次元の価値、言い換えれば新しいカテゴリを作ります。イノベーションは進歩ではありません。進歩は同じ価値の次元で進化すること。例えばカメラを小さくしたり、軽くしたりすることは典型的な進歩と言えます。

 アップルのiPodはイノベーションです。それまでになかった音楽の聴き方という新たな価値次元を作ったからです。その一方で、iPhoneは商業的には大成功していますが、イノベーションとしてはそれほど大きなものではないでしょう。イノベーションを起こした商品はカテゴリとなり、ウォークマンのようにブランド自体が一般名詞化しますが、iPhoneは固有名詞のままで、今では“スマホ”が一般名詞になりました。

 日本酒のワンカップ大関もイノベーションです。50年以上前に発売された商品ですが、新しい日本酒の飲み方を生み出し、1合入りのカップ酒は“ワンカップ”と呼ばれて、一般名詞になっています。

イノベーションを育む環境とは

 イノベーションは誰かがふとひらめくものです。異なるバックグランドを持ついろいろな人が自由闊達にやりとりできるオープンな場はイノベーションを育てる場所、イノベーションの土壌になります。新たなテクノロジーもその一部です。

 それはイノベーションという“イベント”の前と後に広がっているもので、イノベーションという思いつきを加速させたり、思いついたアイデアを具体化する際の手立てとなります。また、イノベーションを起こすのは人のセンスなので、異業種の人と話したり、様々な経験をしたりすることはセンスを磨くという意味でも重要です。

なぜ戦略ストーリーとイノベーションには密接な関係があるのか

 戦略ストーリーとイノベーションは強い関連があり、時間軸を持ったロジックすなわち戦略ストーリーがイノベーションを生み出すのです。

 例えば、ワンカップ大関の誕生については、戦略ストーリー以外では思いつけません。晩酌で日本酒を飲むのが主流だった時代に、いつでもどこでも手軽に日本酒が飲みたいと思っている人たちに酒を売りたいと考えたわけです。ワンカップ大関が発売された当時はコンビニがありませんから、チャネルとしては自動販売機ということになります。そのときに、ブリキ缶では日本酒の味を損ねるから、ガラスにしよう、ガラスであれば透明なので、どの位残っているかが分かるので好都合だ、となりました。それがワンカップ大関なのです。ワンカップ大関は何がよいのかと聞かれたら、今の話を繰り返すしかありません。必然的に戦略ストーリーになるのです。

 企業経営を考えたときに、経営者が現場と一緒にバタバタしているだけでは展望が開けません。経営者の役割はこれから向かっていく方向を考えることです。経営者だけではありません。大企業になれば、実際に稼ぐ責任者はラインマネージャーや事業部長です。今回の「共創・イノベーション戦略会議」が参加者のビジネスの方向性を考えるきっかけになればと考えています。

共創・イノベーション戦略会議

開催概要

本会議では、一橋大学大学院教授の楠木建氏、ナインシグマ・ジャパン代表取締役の諏訪暁彦氏に参加いただきイノベーションについて多用な角度から考察し、パネルディスカッションでは、イノベーションの本質と起こし方、共創という枠組みの活用の仕方について議論します。
自社の業務改革や新規事業の開発などを推進したいとお考えの皆様には、
情報収集・意見交換の格好の機会となると確信しております。
当日は皆様からのご意見やアイデアも頂戴したいと思います。
皆様のご参加を心よりお待ちしております。

日時 10月19日(月)15:00~18:30(14:30開場 予定)
主催 日経BP総合研究所
特別協賛 富士通
会場 明治記念館(東京都港区元赤坂2-2-23)▸ MAP
受講料 無料(抽選制)

プログラム

楠木 建 氏

15:00~15:30

「イノベーションの本質」

一橋大学大学院 国際企業戦略研究科 教授
楠木 建 氏

▾プログラム概要

イノベーションの重要性が強調されるようになって久しい。イノベーションが経済成長や生産性の向上にとって大切なのは言うまでもありません。企業経営にとっても、イノベーションは競争優位の重要な源泉であり、競争の中で差別化された独自価値を創るための決定打になります。「今こそイノベーションを!」という声が経営者からひっきりなしに出てくるのも自然な話です。しかし、そうしたかけ声のもとで「イノベーション」に取り組んでいる企業に限って、イノベーションを実現できず、それどころかかえってコモディティー化の波に飲み込まれてしまっていることが多い。その理由は、「イノベーション」というそもそもの概念を多くの人が誤解していることにあると考えます。この講演では、イノベーションとイノベーションでないものを明確に切り分ける視点を提供し、そのうえでイノベーションの実現に対してとるべき構えを論じます。

諏訪 暁彦 氏

15:30~16:00

「オープンイノベーションを活用した新規事業創出
~事例と機能する仕組み・体制に関する考察~

ナインシグマ・ジャパン 代表取締役社長
諏訪 暁彦 氏

▾プログラム概要

新規事業創出において、これまで付き合いのなかった新しい組織とのコラボレーションは、アイデア創出段階から、事業の不足要素の補完まで、より一層重要性が高まっています。本講演では、オープンイノベーションの実践例をもとに、目的に応じた手段の使い分けや、優れたパートナー活用を促す仕組み・体制について紹介します。

高重 吉邦 氏

16:00~16:20

「富士通が提案するイノベーション創造のアプローチ
―ヒューマンセントリック・イノベーション」

富士通 マーケティング戦略室長
高重 吉邦 氏

▾プログラム概要

新たなデジタル・テクノロジーを組み込むことによるビジネスの破壊的創造が様々な分野で起こっています。デジタル時代に成長を実現していくには、進化を続けるテクノロジーを「人」がどのように活用して新たな商品やビジネスモデルを創りだすかが問われています。人を中心に置いたイノベーション創造のアプローチを事例とともにご紹介します。

16:30~17:30

パネルディスカッション

パネリスト楠木 建 氏、諏訪 暁彦 氏、 高重 吉邦 氏

モデレータ日経BPイノベーションICT研究所 所長 桔梗原 富夫

17:30~18:30

情報交換会

※本件は抽選制となっております。10月2日(金)17時にに事前登録を締め切ります。お早目にご登録ください。
 当選された方には、一週間程度で電子メールにてご連絡いたします。

お申し込み受付を終了しました。

お問い合わせ

日経BP読者サービスセンター セミナー係
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