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マイナンバー制度は信頼を獲得するチャンス

マイナンバーの運用開始まであとわずか。企業は従業員などのマイナンバーを適切に入手し、適切に管理しなければならない。不正に入手したり漏えいがあった場合は罰則を受けることもある。このように取り扱いが難しく、「よく分からない」という声も聞かれるマイナンバーだが、マイナンバーの運用を、その結果として「取引先の信頼」を獲得するチャンスと捉え、リスクマネジメントや情報セキュリティを強化する企業も増えているという。

矢ケ崎清税理士事務所代表
税理士 MBA(経営学修士)
ITコーディネーター、ITCインストラクター
矢ケ崎 清

 企業の経営者は、従業員の個人番号を把握・管理するために、本人確認をした上で個人番号を教えてもらうよう依頼する。また、集めた個人番号や本人確認書類などを適切に収集・保管・廃棄する責務もある。従業員に控除対象扶養親族がいれば、その親族の個人番号を適切に入手し、こちらも漏えいしないようにしっかりと管理しなければならない。

 「過去にこのような対応の経験がなく、不安を感じている中小企業経営者は少なくありません」とマイナンバーに詳しい税理士の矢ケ崎清氏は指摘する。仮に従業員が100人いれば、控除対象扶養親族を含めるとざっと約300人分の個人番号を取り扱うこととなり、企業には大きな負担がのしかかる。

 また、他人のマイナンバーを不正に入手したり、正当な理由なく第三者に提供したりすると、「4年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金又は併科」といった罰則を受ける可能性もある。マイナンバーと関係する個人情報を保護するため、適切な対策を講じることが事業者には求められている。

 しかし、2016年1月の制度運用開始まで残された準備時間はあとわずか。これから着手しても間に合うのだろうか。矢ケ崎氏は「ポイントを押さえて取り組むことで、十分に間に合います。すでに対策を始めている企業の中には、マイナンバー制度を契機に社内の情報セキュリティを短期間で構築・運用し、取引先からの信頼関係を強化し、事業の成長に生かそうとしている事業者もいます」という。

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