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“本物のERPをクラウドで”使いこなす!

国内市場が成熟化して成長が鈍化していくなか、海外進出はもはや大手企業のみならず中堅企業にとっても不可避の課題となっている。だが、これは決して容易なことではなく「現地の活動が見えず、迅速な対応ができない」「現地の商習慣や法制度への対応に工数がかかる」「拠点ごとにバラバラの業務プロセスで無駄が発生し、システム関連費用がかさむ」など、多くの問題に直面しているのが現実だ。この課題を乗り越えるうえで必須となるのが、本物のERP(Enterprise Resource Planning、統合基幹業務)ソフトウェアである。

高価な統合基幹業務システムを自社導入せずにクラウドを活用する

 海外進出時に考慮すべきシステム要件は、現地通貨/法制度/商習慣への対応、各ローカル拠点における活動の日本からの見える化、業務プロセスの標準化、BCP(業務継続計画)対策など多岐にわたる。しかし、多くの中堅企業が運用している基幹業務システムの実態を見て見ると、いまだにオフコンやメインフレームによる老朽化した独自システムに依存しており、上記のような課題にスムーズに対応できずにいる。

 大手企業と同様にERPと呼ばれる統合基幹業務システムによって基幹業務そのものを刷新できればよいのだが、その巨額の投資に耐えられず、システム運用にあたる人員を確保することも難しかった。

 この状況を一変させたのが、昨今のクラウドの普及だ。高価なシステムを自社導入せずとも、必要な機能を「経費として処理できるサービス」として調達することが可能となったことで、クラウド型ERPは中堅企業にとっても十分に選択可能な現実解となっている。

思わぬ“落とし穴”!
「本物のERP」をクラウドで提供しているかどうかを見極める

 ただし、クラウド型ERPを実際に導入するにあたっては、思わぬ“落とし穴”に陥らないための注意が必要だ。ERPにとって肝心かなめである「業務の統合性」をおざなりにし、単機能の業務アプリケーションを複数取り揃えただけのサービスをクラウド型ERPと称しているケースが少なくないのだ。業務の統合・集約や拡張に後から苦労しないためにも、とくにITシステムの運用体制が薄い中堅企業は、「本物のERP」をクラウドで提供しているかどうかをしっかり見極めて導入検討に臨む必要がある。

では、具体的に「本物のERP」とはいかなるものなのか。
次のページで解説する。