SOLUTION REPORT

デジタル変革時代が、企業ITとビジネスを飛躍させる——「SAP S/4HANA」連載

第4回SAP S/4HANAはこれまでと何が異なるのか?

SAPが今年発表した次世代のビジネススイートである「SAP S/4HANA」はこれまでのERPから、どのようなところが異なるのでしょうか? 次の3つの観点において、大きく異なります。

1.インメモリプラットフォームに合わせてアーキテクチャを再構築

 単にデータベースとしてSAP HANAを採用することでスピードアップを図った訳ではなく、その能力を最大限に活かすためにデータモデルが大幅にシンプル化されています。

 例えば、これまでのERPでは品目に関する在庫情報では30近くのテーブルが存在しました。この多くはオンライン処理でパフォーマンスを保つための中間テーブルとして、事前に集計されたデータを格納するためのものでした。在庫が移動することで一つのトランザクション処理が発生して、それが複数のテーブルに対して並行で更新処理が走ります。更新をする際には、該当レコードをロックしてから実際の更新処理が走ります。この更新処理が終わってから、次の在庫移動のデータの更新が可能となるのです。

 この構造では、何万点もの部品点数を持つような完成品のバックフラッシュ処理(部品在庫の引き落とし)を行う場合、処理が追いつかないことがありました。回避策として、これを夜間のバッチ処理で、まとめて行うケースが多かったのです。これがSAP S/4HANAでは、中間テーブルをすべて排除して、実に2つだけのテーブルになりました。HANAの高速性を活かすことで、瞬時に在庫数の計算が可能となり、中間テーブルが不要となったのです。これによって大量データのリアルタイム処理が可能となっています。

経営者は5つの分野でデジタル革命を実現する必要あり

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大我 猛

大我 猛

SAPジャパンにて新たな成長とイノベーションを起こすことを使命として持つ「グロースハッカー」チームを率いている。外資系IT企業、コンサルティングファームを経て現職。二児の父として、週末は子育て中心の生活。