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FinTechの真髄とは

FinTechの真髄:ユーザーエクスペリエンスのあり方
— ユーザーの高い期待値を超える顧客体験を実現するには —

クラウド会計ソフト分野のトップランナー「freee(フリー)」。たった数年で60万の事業所が同社のクラウドサービスに登録し、現在は会社の設立から運営、成長をトータルで支えるクラウドサービスへと事業を拡張。その事業の成長をドライブしてきたのが、ユーザーエクスペリエンスへのこだわりだ。よりよい顧客体験を実現するために工夫を凝らし、新しいサービスを実現してきた。同社が考える「フィンテックの真髄」とは——。

2012年に創業、クラウド会計ソフトのトップランナーに

freee株式会社
代表取締役
佐々木 大輔 氏

 freeeは会計などのクラウドサービスを提供するベンチャー企業である。2013年にクラウド会計ソフトをリリースし、翌2014年にはクラウド給与計算ソフトの提供を始めた。2015年には会社設立をサポートする無料のクラウドサービスが加わり、会社の設立から運営、成長をトータルに支えるクラウドサービスへと事業を拡張してきた。

 同社がフォーカスしているのは中小企業や個人事業主。現在では60万の事業所が同社のクラウド会計ソフトに登録しており、クラウド会計ソフト分野のトップランナーとして知られている。

 freeeは2012年7月に創業された。創業に至った思いについて、創業者でCEOを務める佐々木大輔氏は次のように語る。
「以前、ベンチャー企業のCFOを務めたことがあります。経理担当者が長時間にわたって入力作業をしているのを見て、何とかならないかと思っていました。小規模な事業者は本業に集中したいはずですが、帳簿の記入や給与計算など面倒なバックオフィス業務に時間を取られています。こうした部分をサポートしたいと考え、起業を思い立ちました」

 freeeの理念は「スモールビジネスに携わるすべての人が、 創造的な活動にフォーカスできるよう」というもの。クラウドを活用してバックオフィス業務を自動化・効率化し、ユーザー企業のビジネスを支える。そのために、外部企業とのアライアンスにも積極的だ。

 たとえば、2015年12月に実証実験がスタートした10以上の金融機関との連携(図1)。freeeのユーザー企業が希望する場合に限って、freee側に蓄積された会計データを特定の金融機関と共有する。金融機関はより詳細なデータを把握して、今後のスムーズな与信などに生かせる。ユーザー企業にとってもメリットのある取り組みだ。

(図1)