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デジタル産業革命に適した基幹システムは

財務会計や販売管理、人事/給与など、企業の基幹業務を支える基幹システムは、コスト削減を目的に自社のプロセスに合わせて徹底的にカスタマイズされてきた。パッケージソフトであるERPでも、2012年頃まで同様の考え方だった。だが、こうしたERPの活用法に多くの弊害があらわれ始めている。デジタル産業革命といわれる劇的なビジネス環境変化に対応できないのだ。この課題を乗り越えるべく、今後のERPのあるべき姿を考えてみたい。

今こそバックオフィスを見直す時期
クラウドERPが求められる理由

 IoT(モノのインターネット)や第4次産業革命、FinTechといったキーワードに象徴されるデジタル・イノベーションが加速している。

 こうした状況に、「従来型のオンプレミスのERPでは急激な変化に対応することが難しくなっています」と指摘するのは、オラクルの中島透氏である。

日本オラクル株式会社
クラウドアプリケーション事業統括
ビジネス推進部
担当ディレクター
中島 透

 デジタル・イノベーション時代を生き抜くためには何が必要だろうか? 「魅力的な製品」「新しいサービス」…もちろんこれら商材自身が重要なことに間違いはない。しかしそれだけではない。ビジネスの成功には「時間」「コスト」という要素も大きく関係してくる。いかに迅速に新製品・サービスの展開を図り、効率的で低コストなオペレーションで流すか、といったビジネス要件だ。

 つまり“短期間のうちに立ち上げ、結果を出す”基幹システムが求められているといえる。従来のように時間をかけてギャップ分析やカスタマイズを行い、プロセスをすり合わせている余裕はない。新しいビジネス体制に対応したプロセスを迅速に組み立てていかなければならないという使命を帯びている。

 時代は変わった。ビジネスの現場がグローバルに拡散した現在「統合的なERP」による経営資源の標準化と最適化の重要性が増したのはもとより、さらにそれを低コストかつ迅速な導入・展開を実現することが必達条件となり、さらにめまぐるしく変化するビジネス環境への柔軟な対応―従来のオンプレミスERPには到底対応できない要件だ。これは「クラウドERP」以外には対応できないだろう。

デジタル時代のサービスの提供と取引の関係
次世代のビジネスを展開させるには、バックオフィスの標準化と効率化が肝になる
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クラウドERPについて、次ページで具体的に考察する。