未来のモビリティー社会の多様なサービスを支えるクラウドプラットフォームには、人工知能(AI)の活用やダイナミックマップ管理、セキュリティサービス/OTAリプロサービスなど高度なICTが求められる。富士通の菊田志向氏は、「未来のモビリティーサービスを実現するクラウドプラットフォーム」をテーマに、新たなモビリティー事業への取り組みを紹介した。
富士通は、未来のモビリティー社会に向け、Mobility IoTソリューションの開発を進めている。
「事業軸は2つあります。1つは、最新のICTを使い、自動運転などを支える基盤『Mobility IoTプラットフォーム』をクラウドで提供すること。もう1つは、そこで集められたビッグデータを活用し、さまざまなプレーヤーと『共創』して新たなモビリティーサービス(Mobility as a Service)を提供していくことです」
菊田氏はまず、「Mobility IoTプラットフォーム」の3つの要素を解説する。
1つめはモビリティーにおけるAIの活用。「自動運転そのものへの活用だけでなく、ドライバー向けのナビやインフォテーメントへの活用、さらにカーシェアリングや運行管理、保険査定、車両開発・メンテナンスなどへの付加価値データの活用が考えられます」。
2つめはダイナミックマップの活用。「複数台の自動運転が協調するためには、高精細マップに紐づけられたリアルタイムかつ高精度な道路交通情報からなるダイナミックマップが不可欠。AI分析で解析した先読み情報の配信機能が、重要な機能となります」。
そして、3つめはセキュリティサービスおよびOTA(Over The Air)リプロサービスだ。「セキュリティは、コネクテッドカーの世界では必須。当社は、パソコン、スマホなどで培ってきたセキュリティ技術をクルマに生かすことができます」
OTAリプロについては、車載ソフトの規模が年々増加する傾向にあり、不具合も増加傾向にある中、ソフトウェアをいかに効率よく更新するかが課題だ。「当社も開発中の無線でのリプロ配信への期待が高まっています」と菊田氏。
これらのプラットフォームのうえに、富士通では多様なモビリティーサービスを展開していくことを目指している。「メーカー、サプライヤーと協力しながら、最先端のモビリティーサービスの世界を築くべく、今後も総合的な取り組みを続けていきたい」と菊田氏は語る。
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