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最高の職場 The Great Place to Work 今こそ「働きがい」向上で会社を変える

今こそ「働きがい向上」で会社を変える

今、グローバルカンパニーが重要視する指標として「働きがい」が注目されている。「働きがいのある会社」は同業他社と比べて業績が優れ、離職率も低いという。なぜそのようなことが起きるのか。Great Place to Work®(以下GPTW)のグローバルCEO、マイケル・C・ブッシュ氏に聞いた。

組織のパフォーマンスを最大化する新たな手段

――近年、グローバル化が急速に進み、世界のマーケットでは競争が激化しています。ビジネス環境の変化が著しい現代で、グローバルカンパニーはどのようにして競争力を強化しようと考えているのでしょうか。

 世界的な規模で事業を展開するグローバルカンパニーは、組織のパフォーマンスを最大化するための新たな手法を編み出しました。それは、「従業員の可能性を100%引き出す」ことです。

 優秀な人材は世界的な規模で奪い合いになっています。そうした人材を自社に迎え入れることはもちろん必要ですが、今雇用している従業員に仕事のやりがいを感じてもらい、その能力と可能性を最大限に発揮してもらうことは、より重要なことです。

 GPTWは世界約50カ国で「働きがいのある会社」調査を行い、ランキングを発表しています。その上位企業には、「組織の理念・価値観を浸透させる独自の取り組み」「仕事の意味や価値を感じる機会の提供」「公正な賃金や評価と十分な福利厚生や特典の提供」「仲間と連携して助け合うカルチャーの醸成」といった傾向がみられます。そしてこれらは、優秀な人材を集めるための助けにもなります。

 さらに言えば、経営幹部がリーダーシップを発揮し、従業員と透明性のあるコミュニケーションを図り、あらゆるレベルでチームの意見やアイデアに耳を傾け、吸い上げる――そんな会社が「働きがいのある会社」ランキングに名を連ねているのです。

――「働きがいのある会社」はグローバルな競争力を持つ、ということでしょうか。

 私たちの世界的な企業リサーチでは、「働きがいのある会社」は標準的な同業他社に対し、2~3倍の株価のリターンを上げていることが分かっています。離職率も、同業他社の約半分です。

 マネジメント層と従業員に強い信頼関係のある文化を有する組織は、革新的で社内に活気があり、より良いサービスを提供し、財務的にも持続可能なビジネスを展開しているのです。

「働きがいのある会社」作りが“勝利の方程式”

――翻って、日本企業の働きがい向上に関する取り組みについては、どのように見ておられますか。

 「働きがいのある会社」では、職場の人間関係のレベルで“働きがいの醸成”がなされています。日本の「働きがいのある会社」ランキングに入っている企業は、そのことを先頭に立って進めている、という印象です。

 ただ、まだグローバルの「働きがいのある会社」ランキングに日本企業が登場したことはありません。今後は日本の経営者が勇気を持って、従業員を性別や学歴、在職期間や肩書などに関係なく、その可能性を最大限に引き出す形でリーダーシップを発揮してもらいたい。そうすることで、いずれ日本企業もグローバルのランキングに入ってくることを期待しています。

写真:マイケル・C・ブッシュ氏

――今年1月、米国ではドナルド・トランプ新大統領が誕生しました。早くもその政策や過激な発言が物議をかもしていますが、日本、そして世界のビジネスパーソンにとってどのような影響があるとお考えですか。

 トランプ大統領の「米国第一」という考え方は、国家間の貿易において不均衡を生じさせるでしょうし、彼の行動は予測不可能です。しかし、ビジネスとは最善の状況を招くための手法を探っていくこと。ビジネス環境がどんな状況になろうとも、「働きがいのある会社」を作ることが“勝利の方程式”であることに変わりありません。

 GPTWは、企業が働きがいのある会社になることを支援することで、より良い社会を築くことを使命としてきました。それは政治的、社会的な情勢がどうなろうと、変わることはありません。

 GPTWでは、何百万人もの従業員や企業を調査し、そこから得た分析結果などの知見をデータベースとして保有しています。より多くの日本企業に、働きがいの向上を通じて、より良い業績やサービス、製品の質を高めるお手伝いができることを楽しみにしています。

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