オンプレミスERPを使い続ける会社が負ける日〜もはやERPの自社保有は時代遅れに〜

時代の劇的な変化への追随は
オンプレミスではもはや困難に

 これまで多くの企業がオンプレミス(自社保有型)ERPを導入し、経営や現場の業務改善に生かしてきた。しかし、すでにオンプレミスでERPを動かす時代は終わりに近づきつつある。その理由はオンプレミスERPが時代にそぐわなくなってきたからだ。

 貴社が現在使っているERPはいつのものだろうか?例えば、稼働してから3年目を迎えている場合、導入作業に1年半、その前に選定に1年掛けていたとしたら、それだけでも5年半前以前のERPだ。つまり5年以上前のビジネスニーズとテクノロジー要件で開発された代物であるわけだ。

 しかし現状のビジネス環境を考えれば、それでは遅すぎる。コンシューマITに例えるなら、数世代以上前のほとんどだれも使っていないスマートフォンを、今になって使い始めるようなもの。必要な最新機能は、ほとんど実装されていない。例えば、スマートデバイスへの対応もその1つ。今、基幹システム上のデータをタブレットやスマートフォンで、現場で見られる企業はどれだけあるだろうか。

 その時々に求められる機能やユーザー・インターフェースは、技術の革新によって劇的に変わる。すでにスマホにはカメラにGPS、音声入力にVR(Virtual Reality)が組み込まれるようになり、これらは1〜2年のサイクルで驚異的に進化している。またIoTやFintechといったサービスが今も時代を塗り替えている。そんな時代に、5年以上も前のシステムで企業が生き残っていくことは難しい。

 ミレニアル世代(1980〜2000年生まれの世代)の社員たちが現場の中核を占めるようになる中、タブレットやスマートフォンで基幹業務のデータを直感的にすぐに見られる企業と、一部の社員のみがバックヤードに入りパソコンや業務端末を叩いてデータを見るしかない企業と、どちらが勝ち残る企業になるのか。それは火を見るよりも明らかだ。

 こうしたことから大きな期待を集めているのがクラウドERP、つまりSaaSである。SaaSであれば半年ごとに機能追加されるため、最新のビジネス・プロセスや最新のテクノロジーなど、その時々に“旬”な機能をすぐに使いはじめることが可能だ。しかもベンダー側がすべてのアップデートや管理を行ってくれる。

 このようなクラウドERPのメリットに注目し、導入を進めている企業もある。次ページでは、国内外の企業の事例やユースケースを紹介しながら、クラウドERPのメリットやビジネスでの活用シーンをさらに具体的に掘り下げてみたい。
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