Vol.1 “小売・流通業”にみる事業革新の動きとビジネスロケーションの重要性

小売・流通の好立地として注目度高まるURニュータウン

今回のフォーラムでは、坂口氏と碓井氏の講演の間に、UR都市機構による「URニュータウン店舗等施設向け事業用地のご紹介」と題するプレゼンテーションが行われた。「URニュータウン」の魅力についてその一部を紹介する。

住宅用地と大規模商業、物流用地などを複合的に開発

戸塚氏

UR都市機構
首都圏ニュータウン本部
販売営業部 営業推進室 営業課
戸塚勇孝

 プレゼンテーションに登壇したUR都市機構 首都圏ニュータウン本部 販売営業部 営業推進室 営業課の戸塚勇孝氏は冒頭、同機構の事業フィールドについて紹介。都市再生、住環境、災害復興、郊外環境の4つの事業フィールドで「まちづくり」に取り組んでおり、そのうち「URニュータウン」の開発などを行う郊外環境フィールドは、首都圏、関西圏、中部圏、九州圏などの大都市圏を中心として、これまでに4万1,500ヘクタール(横浜市の面積に相当)のニュータウンを開発してきたことを説明した。

 戸塚氏はURニュータウンの特徴として、住宅用地だけでなく、店舗・サービス施設等の商業施設用地、オフィス・研究所等の業務施設用地、工場・配送・物流センター等の生産・物流用地、小・中学校等、公共団体向けの公共・公益用地にも開発・供給していることを説明。フォーラムに出席した小売・流通業関係者が関心を持つ大規模商業施設や大型物流施設などの建設用地のほか、データセンター、電算施設などの建設に適した大規模用地も確保しやすいことなどを紹介した。

 このうちデータセンターや電算施設は、地盤の安定性や高圧電力の確保のしやすさといった点が立地選定の際の大きな課題となるが、URニュータウンの用地はこれらの環境を十分に整えており、「BCP対策として選ばれるケースも多いようです」(戸塚氏)という。

都心から電車で38分、若い世代も多い「千葉ニュータウン」

 一例として戸塚氏が挙げたのが、UR都市機構が40年近くにわたって開発を進めている「千葉ニュータウン」である。千葉県の白井市、船橋市、印西市にまたがる総面積1,930ヘクタールの同ニュータウンは、下総台地の安定した地盤の上にあり、M7以上の活断層の空白エリアでもあるため、地震などの災害リスクが比較的小さいといわれている。「地盤の安定性が高いので、建築コストも抑えやすいという声もあります」と戸塚氏は語る。

千葉ニュータウンから各地へのアクセス

千葉ニュータウンは成田空港、羽田空港の2つの国際空港と鉄道で直結。千葉ニュータウン中央駅から成田空港までは約17分、羽田空港までは約69分、日本橋までは約38分と交通至便だ。ニュータウンの中央部を東西に走る北千葉道路(国道464号線)も平成30年度には成田空港まで延伸。近い将来には、平成29年度に開通予定の外環道にも繋がるのだ

 また、千葉ニュータウンは鉄道や道路のアクセスもよく、京成成田スカイアクセス線に乗れば、日本橋から千葉ニュータウン中央駅までは約38分、羽田空港からは約69分、成田空港なら約17分という交通至便な立地だ。道路アクセスも、最寄りの高速道路のIC(インターチェンジ)からニュータウンの中心部までほぼ30分圏内と、倉庫や物流拠点を設けるには格好の立地である。

 一方、計画人口約14万3,300人、周辺(白井市、船橋市、印西市全体)も含めると約79万人という千葉ニュータウンの商圏規模は、大型商業施設の出店先を検討する小売・流通業者にとって非常に魅力的だ。しかも「30〜40代の若い世代を中心に流入人口が増え続けています」と戸塚氏は説明する。若い世代が多いことは、倉庫や物流拠点などの雇用確保にも有利だと言えそうである。

千葉ニュータウン周辺の商業施設

千葉ニュータウンの沿線には、大型ショッピングモールや郊外型の大型店が多数進出している。2016年には複合商業施設「フォレストモール」が建設用地を取得。大型物流倉庫やデータセンターなども建設されている

 このほか戸塚氏は、URニュータウンの用地取得をあっせんした宅地建物取引業者に対して、譲渡の場合、土地譲渡価格の3%(最大5,000万円)の報酬を提供する「あっせん制度」についても紹介。宅地建物取引業者以外があっせんした場合でも、報奨金が提供される制度も用意しているという。

 またUR都市機構は、千葉ニュータウンを含む全国のURニュータウンの用地情報や、用地戦略に関する情報などを掲載した「月刊用地BIZ」というウェブサイトも公開している。戸塚氏は「“小売・流通業”のお客さまの用地選定に役立つ情報も盛りだくさんに掲載していますので、まずは情報をご覧いただき、お気軽にURまでお問い合わせください」と語った。

休憩時間の様子

フォーラムの休憩時間では、参加者達が、会場に展示されていた「URニュータウン」のパネルを見ながら詳しい説明を聞いていた

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