Face to Faceで広がるコミュニケーション
Vol.2 株式会社 HRT 大川 恒さん ワールド・カフェで始める組織改革 オープンな対話で未来をつくる

対話を成功に導くポイントは、何でも話せる安心感 オープンに話し合うことで力を合わせる組織になる

──これまで多くのワールド・カフェを開催されてきましたが、どのようなテーマで話し合われているのでしょう。

未来を描くようなテーマが多いですね。例えば「人生100年時代の働き方を考えよう」というワールド・カフェでは、カフェ・ホスト(ワールド・カフェの進行役)が、「身の回りで新しい働き方をしている人はいますか?」 「今後、どのような働き方が生まれてくると思いますか?」などと順に問いかけます。それを4~5人のグループがテーブルを囲み、模造紙に、その場で考えたこと、思いついたことなどを書き入れながら対話します。その過程でお互いを知り合い、アイデアを共有することで、力を合わせて何かを生み出していこうという雰囲気が生まれます。これが大事なんです。

ワールド・カフェの様子

「人生100年時代の働き方」をテーマに開催されたワールド・カフェの実施風景(写真提供:日本経済新聞出版社)

──初対面同士の人の場合は、オープンに話し合えるでしょうか。

ワールド・カフェを実りある話し合いにするために、カフェ・ホストが大切にするいくつかのポイントがあります。

まずは、参加者全員がリラックスできるような環境をつくることです。次に、「今こういう状況だからこそ、皆さんの意見を聞きたい」「今日、この場から、みんなで変わっていこう」など、目的をしっかりと伝えることが大切。また、「この場では上司も部下もなく、みんなが対等な立場です」などのワールド・カフェのルールを説明し共有することも重要なポイントです。

──リラックスできるような環境と、自分の考えを率直に言っても、何らかの理由で不利益を被ることがない「安心、安全な場」をつくることがまず大事なんですね。実際に、企業ではどんな成果が上がっているのでしょうか。

三菱東京UFJ銀行(当時)の事例を紹介しましょう。この会社では合併した直後に、堺支店で「チーム堺について考えよう」というワールド・カフェが開かれました。それぞれ企業文化や慣習が異なった人たちの心を1つにすることが目的です。支店統合当日の夕方に、パート社員も含む約40人全員が参加し、「過去に経験した強いチーム」「その強さの秘密とは」などをテーマに語り合い、「強いチームはどんなチームか」についての参加者の考えを共有しました。その結果、コミュニケーションが活発で、力を合わせる職場になったそうです。統合半年後の従業員満足度は、全国平均を大きく上回ったと聞いています。

また、パナソニック電工が実施した「コスト削減カフェ」も面白い試みだったと思います。コスト削減というネガティブな事項をあえて取り上げ、「みんなで楽しくコスト削減に取り組むには、どうしたらいい?」と話し合ったところ、いろんな意見が出て、前向きに取り組もうという機運が盛り上がったといいます。

自治体の取り組みも紹介しましょう。埼玉県の宮代町は、無作為に抽出した市民を招いてワールド・カフェを開催し、「こんな町になってほしい」というアイデアを出し合いました。それが町の総合計画に反映されることになり、町民の関心が大いに高まったそうです。

──それは素晴らしいことですね。ワールド・カフェは、通常の会議ではなかなか表に出てこない「本音」を引き出すという点で、非常に効果的な手法なのですね。

そうです。組織を改革しようとするとき、ワールド・カフェは初期の段階、導入部で用いるのに効果的な手法で、気軽に使っていただきたいですね。

ホールシステム・アプローチには、他にも目的に応じたいくつかの手法があります。対話によって生まれたアイデアの実行を促す場合には、「オープン・スペース・テクノロジー」(OST)という手法をよく使います。OSTでは、「実行したいアイデア」「解決したい課題」「探求したいテーマ」を参加者が提案し、それに賛同する人が集まって話し合います。このことで、具体的なプロジェクトを生み出したり、テーマについての理解を深めたりする対話手法です。一方、「AI(アプリシエイティブ・インクワイアリー)」や「フューチャーサーチ」は、時間をかけて理想的な未来を描き、価値やビジョンを共有し、それを実現するための実行方法まで考えていきます。状況や目的に応じて、異なる対話手法を使い分けるといいですね。

──ホールシステム・アプローチの様々な手法を学んで、ビジネスの現場で目的や状況に応じて適切に活用することにより、効果的に成果を生み出せることが分かりました。どうもありがとうございました。

参考文献:
  • 『ワールド・カフェをやろう 新版』(香取一昭、大川恒 2017年 日本経済新聞出版社)
  • 『ワールド・カフェをやろう!』 (香取一昭、大川恒 2009年 日本経済新聞出版社)
  • 『ワールド・カフェから始める地域コミュニティづくり』(香取一昭、大川恒 2017年 学芸出版社)
  • 『OST(オープン・スペース・テクノロジー)実践ガイド』(香取一昭、大川恒 2018年 英治出版)
  • 『ホールシステム・アプローチ』(香取一昭、大川恒 2011年 日本経済新聞出版社)
  • 『俊敏な組織をつくる10のステップ』 (香取一昭、大川恒 2012年 ビジネス社)
株式会社 HRT 大川 恒さん

都内30カ所の多彩なラインアップで、組織内のコミュニケーションを強化する

住友不動産ベルサールのイベントホール/貸会議室

デジタルコミュケーションの普及によって逆説的にスポットライトが当たり始めたリアルコミュニケーションは、いわば、古くて新しい価値創造の場と言える。顔と顔を突き合わせて対話するからこそ、言外の感情が分かり、熱量が伝わり、互いの価値観やビジョンを共有しやすくなるのだ。そんなリアルコミュニケーションに「ホールシステム・アプローチ」を取り入れ、気楽に、安全に、そして自由闊達に他者と語り合えば、きっと思いもよらぬ知識や洞察が生成されることだろう。創造性に富んだダイアローグはデジタルコミュニケーションではなく、古くて新しい、リアルコミュニケーションの中にこそあるのかもしれない。

こうした価値あるリアルコミュニケーションを提供する場として、多くのビジネスシーンで活用されているのが住友不動産ベルサールが運営するイベントホール/貸会議室「ベルサール」シリーズである。ロケーションやプランに応じて選べる多彩な会場ラインアップは都内に30カ所以上を数え、セミナーから株主総会、研修会、社内キックオフミーティング、さらにはプレス発表会やファッションショーまで、多種多様なニーズに対応。30~2000人と幅広い規模のイベントで利用可能だ。椅子や机をすべて取り払える平場のホールは使い勝手がよく、スクリーンが見やすい6メートルの天井高(一部施設を除く)は、開放感のあるリアルコミュニケーション空間を演出してくれる。また、シンボリックな外観や、広々としたエントランス、快適な共用部など、ホテルライクな上質さを備えているのもベルサールの特徴であり、それでいてホテルよりもリーズナブルに利用できるところがいい。会場選びだけでなく、最適なレイアウト提案や、当日運営、備品の貸し出しまでトータルでサポートしてくれるのも魅力的だ。

稼働率は右肩上がりで伸びており、2017年の年間利用件数は9000件、6000社超えとなった。リアルコミュニケーションの重要性が再注目され、その価値が高まれば高まるほど、ハイクオリティーな「場」をリーズナブルに提供する、ベルサールのイベントホール/貸会議室の利用価値もまた高まっていくことだろう。

住友不動産ベルサール都内31拠点ラインアップ

ベルサール 所在地地図
新宿エリア	8拠点
飯田橋/九段下/神保町エリア	6拠点
秋葉原/神田/東京エリア	4拠点
汐留/御成門/田町エリア	6拠点
六本木/渋谷エリア	7拠点
2018年10月法人向け時間貸しオフィス六本木店、新宿店、渋谷店がオープン
12月より順次都心4カ所にオープン予定(池袋店、新橋店、九段下店、六本木一丁目店)

ベルサール高田馬場 Pick up

ベルサール高田馬場 内部の様子
画像提供:RAGE

JR線・西武新宿線高田馬場駅から徒歩5分に位置する、新宿区内最大級の大型イベントホール。1フロア約2400平方メートルの整形無柱空間は展示会やライブイベントなど、多くの収容人数を要するイベントで重宝される。

利用シーン
セミナー・研修、展示会、試験、パーティー、ライブイベント、ファッションショー
住友不動産ベルサール 詳しくはコチラ