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日清食品、キャリア採用を強化し成長を加速

新卒一括採用からキャリア採用へのシフトは容易ではない。しかし、ビジネス環境が大きく変化する中で成長し続けていくためには、即戦力人材に期待する部分も大きい。カップヌードルで知られ、2008年に持株会社制に移行した日清食品ホールディングスでは、毎年100~200人のキャリア採用を行い、事業成長を加速させている。そこには、人材獲得と育成に奔走する人事部の姿があった。

継続的に成長するために戦略に合わせて組織を強化

 創業者・安藤百福が世界初の即席麺「チキンラーメン」を発明して以来、60年の歴史を誇る日清食品。即席麺市場での存在感は圧倒的で、知名度も高い。国内即席麺市場でのシェアはトップ、業績も好調だ。しかし、課題がないわけではない。人口減少などにより国内の即席麺市場の拡大には限界があるからだ。2008年に持株会社制に移行した同社にとって、今後の成長戦略をどう描くかが大きなテーマとなっている。

 アンゾフの成長マトリクスで整理するならば同社は現在、3つの事業を推進している。屋台骨である国内市場の即席麺事業、菓子・乳製品などの他製品事業、そして今後の主戦場である海外市場における即席麺事業だ。現状では国内市場の即席麺事業が安定した収益基盤となっているが、今後を見据えて3つの領域でどう経営リソースを配分していくのかが事業戦略のカギとなる。

 まず、国内で即席麺の市場そのものを拡大するためには顧客ターゲットの拡大が求められる。そこで同社は「弱い」とされてきた女性向けやシニア向けの新製品を次々と開発。一方、今後の主要顧客となる若者世代向けには話題性のあるCMやSNSを活用したブランドマーケティングを展開している。さらに、即席麺以外では朝食や間食といったオケージョンにリーチするために菓子、シリアル、乳製品に注力。海外市場に向けてはカップヌードルのグローバルブランディングの促進を図る一方で、重点地域BRICsを中心として非常に多様な現地向け製品の開発に取り組んでいる。

 こうした変化を受けて人材戦略も変わりつつある。人事部の中村洋彰氏は「スピードを重視する当社は、3つの領域で同時に事業拡大を図ろうとしています。それに合わせて量・質の両面で人的リソースを拡大しています」と話す。実際に同社の従業員数は急速に増えている。持株会社制に移行したころは約1,500人だった従業員数が、現在は約1.5倍の2,100人以上に増えており、純増分はほぼキャリア採用。同社はどのようにしてキャリア採用を強化してきたのだろうか。

60年の歴史を誇る日清食品がキャリア採用で新たな成長機会を拡大。同社はどのようにしてキャリア採用を強化したのか。
60年の歴史を誇る日清食品がキャリア採用で新たな成長機会を拡大。同社はどのようにしてキャリア採用を強化したのか。
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