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ユニリーバ、革新的な手法で人材を採用

日用品や食品など消費財を手がけるグローバル企業のユニリーバ。その日本法人であるユニリーバ・ジャパンでは、新卒の通年採用や働く場所と時間を自由に選択できる人事制度など、既成概念にとらわれないユニークな採用・人事制度を導入している。その根底にはどのような理念があり、それが同社の経営にどう貢献しているのだろうか。

いつでも未来を考えられるように、
いつでも応募可能な新卒採用制度を導入

 いつでも、世界中のどこからでも応募できる新卒採用制度、それがユニリーバ・ジャパンの「UFLP365(ユニリーバ・フューチャー・リーダーズ・プログラム365)」だ。2017年6月から実施している。対象となるのは、大学1年生から既卒3年以内の人たち。彼らは既存の枠組みに縛られることなく、同社のサイトに登録した時点から就職活動をスタートさせることができる。

 UFLP365の特徴は、 単に新卒の応募期間を設定しないということだけではない。インターンシップあり、なしの2つの過程から選ぶことができ、いずれも社員としてのポテンシャルを測る「ゲーム選考」、与えられたテーマに対して回答する「デジタル面接」、同社の本社オフィスで実際の仕事に近い課題に取り組む「ディスカバリーセンター」といったユニークな選考プロセスが用意されている。

 さらに入社のタイミングも本人が決められる。具体的には、ディスカバリーセンターで合格してから役員による最終面接までの間に最大2年の期間が空けられる。また、内定をもらってから入社までも最大2年の猶予があり、4月入社または10月入社から本人の都合に合わせて選択できる。最終面接の前に1年間留学するといったことも可能だ。ただし、内定後に他社に就職した場合には内定辞退とみなされる。

 なぜ、同社はこうしたユニークな採用制度を採り入れたのか。そこには「いつでもどこでも自分の未来を考えてほしい」という、ビジネスを通じて社会をより良くしていくことを経営理念に掲げる同社ならではの信念がある。ユニリーバ・ジャパン・ホールディングスの取締役 人事総務本部長の島田由香氏は「いつでも思い立ったときに自分の人生を考えていいはず」と語る。その島田氏が提唱するのは“リクルーティングからソーシングへのシフト”だ。

 「ソースとは源です。会社のエネルギー資源である人材をどう採るのかという意味と、個人の能力やポテンシャルというソースをどう役立てるのかという意味が含まれます。人材難の時代だからこそ、ソーシングの発想が必要なのです」(島田氏)。同社のユニークな考え方から、経営に貢献する人事のあるべき姿を考えていきたい。