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人材採用大変革時代に企業が実行すべき改革

前編:人材の質が企業の成長に直結する時代の“採用戦略”とは 後編:攻めの採用”を実現するために企業がとるべき具体策とは
採用活動が企業の成長を左右する時代では、採用を“攻め”に変革する経営者の決断が求められる。では、具体的にどのような採用手法や採用ツールがあり、企業としてはどのようなアプローチをとればいいのだろうか。これまでの待ちの採用から攻めの採用に転じるうえで、今すぐに始められる採用変革の具体策について、前編に引き続き株式会社ビズリーチの取締役 キャリアカンパニー カンパニー長の多田洋祐氏に話を聞いた。

採用力を底上げするダイレクト・リクルーティング

 多田氏は「日本企業の採用活動の変革は、“採用”の意味を改めて見直すことから始めるべきでしょう。ほとんどの企業には『営業』という機能があって、営業担当がいるはずです。採用も同じです。営業活動において重視していることを考えれば、やるべきことは自ずと見えてきます」と語る。

多田 洋祐 氏
株式会社ビズリーチ
取締役
キャリアカンパニー カンパニー長
多田 洋祐 氏

 営業活動であれば、まず対象となる顧客を探し出し、自社の優位性を理解したうえで自社の製品を売り込んでいく。これを採用活動に置き換えると、自社が採りたいと思う人材を見つけ出し、自社をアピールしていくことになる。

 採用先進国である米国では、すでにこうした動きが目立つ。神戸大学大学院の服部泰宏准教授がまとめた『アメリカ企業の採用動向と日本企業への示唆』というレポートによると、米国企業の採用は、特定の採用ルートに大きく依存するのではなく、様々なルートを併用する方向に向かっているという。

 新卒採用においても、社員紹介のリファラル(Referral:紹介・推薦)と外部求人サイトがそれぞれ全体の2割弱を占め、次いで自社の採用サイト、直接候補者にアプローチするダイレクトソーシングと続く(同レポートの「Source of Hire調査」より)。

 特に注目したいのが、ダイレクトソーシングだ。全採用ルートに占めるダイレクトソーシングの割合は、2004年の6.0%から、2013年には12.1%まで倍増している。ダイレクトソーシングをはじめとする攻めの採用手法の活用など、主体的・能動的に採用を行うことは、日本ではダイレクト・リクルーティングと言われることが多い。

 ダイレクト・リクルーティングの名付け親でもある多田氏は「ダイレクト・リクルーティングは、欲しい人材を獲得するために重要な概念」と位置づける。それを実行するために必要になるのが、人材データベースへのアプローチだ。

 ビズリーチは、これまでヘッドハンターや人材紹介会社に公開していた人材データベースを一般企業に公開し、企業からも人材へ直接アプローチすることを可能にした。ビズリーチを通じてダイレクト・リクルーティングを支援することで急成長を遂げてきた。自ら人材を採りに行こうとする企業にとって、ダイレクト・リクルーティングは攻めの武器となる。