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新卒一括採用を廃止したヤフーの挑戦とは

数年前からヤフーはエンジニア採用の体制強化を進めてきた。同時に、採用のあり方を見直し、プロセスの変革も進めている。エンジニア獲得競争が一段と厳しくなる中、同社は採用活動を抜本的に見直しアップデートを続けてきた。そして、一定の成果が見えてきたという。その変革をリードしてきた同社の斎藤由希子氏の話をもとに、人材採用難時代を勝ち抜くための方策について考えてみたい。

4つの課題を解決するため、採用活動をアップデート

 「年々、人材採用が難しくなっている」——。経営者や人事部門関係者からそんな声を聞くことが多い。他の職種と比べて、とりわけ厳しいといわれるのがエンジニアの採用である。求人広告やエージェント頼みの従来手法では、優秀な人材がなかなか振り向いてくれない。こうした「待ちの採用」に疑問を感じ、ダイレクト・リクルーティングなど「攻めの採用」への転換を図る企業が増えつつある。

 そんな企業の一つがヤフーである。同社の社員数は6,000人を超え、年間約500人のエンジニアを採用している。うち新卒は200人ほどで、約300人がキャリア採用だという。同社にとってテクノロジーは生命線であり、エンジニア層の厚みが競争力に直結する。そこでヤフーは、数年前からエンジニアをはじめとする人材の採用手法を変えてきた。同社のピープル・デベロップメント統括本部 コーポレートPD本部 本部長を務める斎藤由希子氏はこう説明する。

 「『採用こそ、企業成長の一番のドライバー』と位置づけ、数年前からエンジニアをはじめとする人材採用活動のアップデートに取り組んできました。従来の課題は主として4つ。①採用部門とエンジニアを必要とする現場との距離、②母集団の不足、③ヤフーに対する先入観をもとに応募する人・逆に応募しない人がいるといった情報ギャップ、④魅力的な制度・環境づくりです」

 こうした課題の解決を目指して同社は抜本的な改革に着手した。課題解決策は大きく4つ。①強烈な推進体制の構築、②採用対象の再定義、③選考基準のデータ化、④魅力的な制度の拡充と情報発信の強化である。

 ヤフーが取り組んだ採用のアップデートは、着実に成果を上げている。そのプロセスを参考にすることにより、「採用」に悩みを抱える企業は様々なヒントを見いだせるだろう。

(図1)採用活動の課題と解決策