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東京エレクトロンのグローバル人事変革

国内最大手の半導体製造装置メーカーである東京エレクトロン。社員数1万2000人をデータ化して管理するHRテックの導入に加え、本年度からは新たな人事制度改革も開始しているそうです。同社の人事部長の土井信人さん(写真中央)、人事部の丸山松弥さん(写真右)、宮崎哲二さん(写真左)にお話を聞きました。

アメリカ企業との経営統合に向けた取り組みにより再認識した
東京エレクトロンの強みと課題

半導体製造装置業界ではすでに国内シェアナンバー1を誇る東京エレクトロン。世界シェアも現在は第4位。十分ナンバー1を狙えるポジションですが、上位の競合企業はすべて海外のグローバル企業。経営トップからのナンバー1を目指すという方針を受け、競争に勝つために、グローバル規模での事業の更なる発展を考え、年齢や国籍に関係なく、多様なバックグラウンドのひとり一人の力を活かすような制度が会社の重点項目として取り組んでいます。

第一歩として、2017年7月に海外や日本、子会社などでバラバラになっていた等級制度を一本化、報酬制度の見直しも行いました。2018年からは、評価制度の基本的な考え方、データの持ち方などもグローバルに取り揃えていくことで、グローバルでの人材マネジメント、社員の育成を実現するための変革を行っています。

同社が「会社への貢献やいい仕事をした人に、正当な報酬や機会を」とのスタンスを強く打ち出し、人事改革に乗り出す契機となったのが、2013年に発表したアメリカの半導体製造装置大手との経営統合の計画です。経営統合は米国司法省との間で見解の隔たりがあり実現しませんでしたが、文化・会社のオペレーション・価値観などが違う環境の両者で、両社が成功するため、グローバルカンパニーとしてのあるべき姿・半導体製造装置業界でのナンバー1を取るための人材戦略の在り方を真剣に議論するという経営統合に向けた取り組みの中ではさまざまなことに気づき、学んだそうです。

「経営統合で世界ナンバー1の半導体製造装置メーカーを生み出したかった。そのうえで必要なのは、お互いの強みを活かした経営改革です。そのスタンスを象徴する上で、当時はよく『シナジー』というキーワードを使っていました。どちらか強いほうが片方を飲み込んで強くなるのではなく、お互いの強みをさらに相乗効果で高めていきたいという想いを持ちながら、交渉を進めていました」(宮崎氏)