将来のモビリティービジネス再創造の好機

将来のモビリティービジネス再創造の好機
急速に変化するモビリティーの世界。こうした中で、ビジネスチャンスをつかむには過去を知り、未来を見据えた戦略が欠かせない。自動車産業全体がサービス化へとシフトする中で、行き着く先はどこなのだろうか。MaaS(モビリティー・アズ・ア・サービス)のためのシステムを開発する米国のベンチャー企業のCEOが将来のモビリティービジネスをどう見ているのかを語った。

モビリティーの未来は
欲望と情熱から生まれる

 過去から学ぶことは多い。モビリティーの歴史も例外ではない。アクティブスケーラーのアブヘイ・ジェイン氏は、米サンフランシスコの事例を挙げる。19世紀後半の交通手段は馬車が主役だった。その後、蒸気式ケーブルカーが登場し、その電動化によって移動にかかるコストは100倍以上改善された。

 「電気ケーブルカーが主役になると思われた矢先、大きな変化が起きました。Ford Model Tの誕生です。1908年のこの革新は個人の移動の自由を可能にする革命でした」とジェイン氏。それによって米国に自動車産業が生まれ、やがて世界中でモビリティーが発展し、50年で1000倍の改善が見られた。

 「今日では飛行機によってシンガポールとサンフランシスコは数時間で移動でき、1マイルあたりのコストは0.05ドルと1万倍に改善されました。この変化のスピードは年々速くなっています」(ジェイン氏)

 そして、ジェイン氏はモビリティーの進化を支える要素として、安全性、オペレーション、エネルギー、自由の4つを挙げた。

 安全性はあらゆる交通手段にとって不可欠であり、効率的運用によって時間が守られ、信頼性が保証される。そして運転ニーズに基づく省エネルギーにより車両設計の革新も促進されていく。

 モビリティーがサービス化され、自動車の自律化が進む中で課題も見えてきた。事故を防ぐデジタル技術による系統的障害の予防、スタートからエンドまでマネージするマルチモードモビリティーオペレーションの自動化、マインドセットによる用途別の最適なエネルギー使用などだ。

 モビリティービジネスを考える上で重要なのは「未来を予測すること」とジェイン氏は語る。重要なのは「何のために、何がしたいのか」という必然性である。それを理解するためにはデータの活用が不可欠だ。また、必然性を見いだすために定量化できるデータを集めるには、大規模な共同作業が必要になる。

 「モビリティーの未来は、移動するという夢を追いかける欲望と情熱にあります」とジェイン氏は強調する。そこに自由が加わることでモビリティーは進化する。

 「モビリティーは様々なチャンスを創出すると信じています。一緒にモビリティーを再発明しよう!」とジェイン氏。変化のスピードが加速している今こそ、大きなビジネスチャンスといえるだろう。