データ共有基盤がモビリティーの未来を開く

データ共有基盤がモビリティーの未来を開く
オンデマンドモビリティーが発達しても道路渋滞問題は未解決だ。原因は、政府や企業間でデータが共有されていない点にある。それに対処するために情報インフラを統合し、有料道路や駐車場などのデータを集めて共有するプラットフォームを構築しているのがCoordだ。情報をスマートフォンアプリなどに提供することで運転者の利便性や自動運転の正確性向上を支援している。

渋滞を解消するために
データの縦割りの打破を

 「配車サービスの利用が増え、2017年には1日に1500万回の配車サービスが使われています。一方、モビリティー分野ではこの4〜5年で約5800のスタートアップ企業が生まれ、自動運転など様々なイノベーションが輸送分野で起きています」とスティーブン・スミス氏は話す。

 しかし、道路渋滞の問題は、これらの技術では解決できていない。「オンデマンドのモビリティーは便利ですが、都市の混雑など、意図しなかった影響も生んでいます」と、スミス氏はその問題点を指摘する。

 ある研究によると自動運転などが普及した場合、何の規制もしなければ車の数は今よりも増えるという。例えば、自宅と職場の通勤時の往復だけでなく車が職場から他の場所へ立ち寄るなどによって往復数が増加し、都市の道路はさらに渋滞すると予想されている。

 スミス氏は、こうした都市渋滞が解決されない理由として政府や企業間でデータが共有されず、縦割りの状態になっている点を挙げる。

 「モビリティーでは道路などの物理的インフラが共有されていますが、それだけでなくデータ共有も必要です。そうしなければ、モビリティーの体験はシームレスになりません」(スミス氏)

 データの共有を目指す同社が最初に着手したのは、輸送に関する情報インフラを統合することだ。デジタル化されていなかった高速道路や駐車場などのデータのほか、道路縁石のデータなども独自に集めている。

 これらの情報を迅速に収集できるようにAR(拡張現実)技術を用いて集めた共有データを利用できるようにすれば、より良い顧客体験が提供できる。例えば、「Googleマップ」には同社の技術が使われており、利用者は目的地の途中で空いている駐車場の情報が分かる。

 また、空港からの交通などに使えるオンラインツール「Mozio」では、高速道路の料金が分かるように同社提供のAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)を用いて、その料金変更情報などが動的に反映される仕組みとなっている。ほかにも駐車する際の位置の正確さを向上するARアプリ「Surveyor」を開発し、駐車場の空き状況が分かるスマホアプリの「Streetline」にデータを提供している。

 同社が提供するクラウドベースのプラットフォームがモビリティーの課題解決にどう貢献できるのか。今後の展開が期待される。